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再びともされた、女子サッカーの灯~女子オリンピック予選プレイバック 2004年アテネ大会~

2016年02月26日

再びともされた、女子サッカーの灯~女子オリンピック予選プレイバック 2004年アテネ大会~

リオデジャネイロオリンピック出場を目指す、なでしこジャパン(日本女子代表)は、出場権2枠をかけて、2月29日(月)から大阪市で行われるアジア最終予選に挑みます。女子サッカーが初めてオリンピックに登場した1996年大会から現在まで、過去5大会は、いずれも厳しい予選を戦ってきました。

ここでは、2004年のアテネ大会の最終予選を振り返ります。

2003年夏、日本女子代表は、国立競技場で行われたメキシコとのプレーオフ第2戦に勝利し、FIFA女子ワールドカップの連続出場記録を守りました。徐々に世間の関心を集めるようになった彼女たちへ、翌年、再び、大きなチャンスが訪れます。日本サッカー協会が、アテネ五輪アジア最終予選の招致に成功したのです。

アテネオリンピックの女子サッカー参加チームは、シドニー大会からふたつ増えて10。そのうち、アジアからの出場枠は2チームです。3つのグループを勝ち抜いた合計4チームでノックアウトラウンドを戦い、決勝に進んだ2チームが本大会の切符を獲得する形式でした。本大会出場権がかかる準決勝で対戦が予想されたのは、当時、アジア最強とうたわれていた朝鮮民主主義人民共和国。上田栄治監督以下代表スタッフはライバルを徹底的に研究しました。

そして、前年までベースにしていた3バックから、右サイドハーフを置かない、変則的な4バックにフォーメーションを組み変えます。その過程で大部由美キャプテンら、これまでレギュラーを務めてきた選手が控えに回りましたが「サブが強いチームは強く、サブが弱いチームは弱い」(大部)と声を掛け合いながら、「メンバー全員で五輪の切符をとる」という一体感につながりました。

ベトナムとの初戦を快勝し、タイ戦も連勝。2日後の4月24日、運命の準決勝を迎えます。予想通り、対戦相手は朝鮮民主義人民共和国。試合の流れを決めたのはキックオフ直後のプレーでした。出場を危ぶまれるほどの大ケガを押して出場した澤穂希が、相手のエース、リ・クムスクに強烈なショルダーチャージを浴びせ、ボールを奪います。「あれで『いける!』と思いました」と宮本ともみ。3万人を超える大観衆とベンチのチームメートが送る声援を受けて、青いユニフォームが国立のピッチで躍動しました。

荒川恵理子の活躍で前半に2点。後半にもセットプレーから練習し続けた形で、大谷未央がゴールを奪います。それまで対戦成績で圧倒的な劣勢にあった朝鮮民主主義人民共和国に3対0の完勝。当時の代表選手の多くは「サッカー人生で最高のゲーム」にこの試合を挙げています。

この勝利の陰には「女子代表の活躍を日本の女子サッカー界全体の起爆剤にしよう」という各所属チームの協力がありました。前年度から年間約100日にも及ぶ代表合宿が組まれ、個々のフィジカルコンディションを引き上げ、集団戦術の熟成にもつながったのです。

五輪予選終了後、日本女子代表の愛称が公募されました。新たに「なでしこジャパン」とネーミングされた日本女子代表は、7年後の2011年、世界一に輝き、その愛称は同年の流行語大賞に輝くことになります。

アテネオリンピック2004アジア地区予選(AFC女子サッカー予選大会2004)メンバー

GK:#1 山郷のぞみ、#12 小野寺志保
FP:#2 矢野喬子、#3 磯崎浩美、#4 大部由美、#5 川上直子、#6 酒井興恵
#7 山本絵美、#8 宮本ともみ、#9 荒川恵理子、#10 澤穂希、#11 大谷未央
#13 下小鶴綾、#14 宮崎有香、#15 山岸靖代、#16 小林弥生、#17 安藤梢
#18 柳田美幸、#19 丸山桂里奈、#20 永里(大儀見)優季

なでしこチャンネル

女子サッカー アジア最終予選(リオデジャネイロオリンピック2016)

日程キックオフ(予定)対戦カード(会場)
2/29(月) 19:35 vs  オーストラリア女子代表(キンチョウスタジアム)
3/2(水) 19:35 vs  韓国女子代表(キンチョウスタジアム)
3/4(金) 19:35 vs  中国女子代表(キンチョウスタジアム)
3/7(月) 19:35 vs  ベトナム女子代表(キンチョウスタジアム)
3/9(水) 19:35 vs  朝鮮民主主義人民共和国女子代表(キンチョウスタジアム)

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