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なでしこジャパン 紅白戦でチームの現在地を確認
2021年03月23日
なでしこジャパンは活動6日目の22日(月)、30分ハーフの紅白戦を行い、チームの現在地を確認しました。
昨年11月以来となる久しぶりのトレーニングキャンプで、かつコロナ禍で制限のある生活の中、選手たちは限られた時間でコミュニケーションを取りながら、ピッチ上ではなでしこジャパンの目指すサッカーを全員で共有するために練習に取り組んできました。このタイミングで行われた紅白戦では、ここまでの「復習」の成果を確認するのと同時に、課題を洗い出す試合となりました。
スタンボー華選手がゴールマウスを守るチームにはDFに左から鮫島彩選手、高橋はな選手、三宅史織選手、宮川麻都選手、中盤には左から浜野まいか選手、中島依美選手、杉田妃和選手、塩越柚歩選手が並び、ツートップには髙瀬愛実選手と上野真実選手が入りました。対する山下杏也加選手がゴールを守るチームには北村菜々美選手、南萌華選手、脇阪麗奈選手、清水梨紗選手の守備陣に、木下桃香選手、三浦成美選手、猶本光選手、宮澤ひなた選手の中盤と、前線には菅澤優衣香選手と浜田遥選手のJFAアカデミーOGコンビが並びました。GKは途中から池田咲紀子選手を入れてローテーションに、そして後半に菅澤選手に替えてMF水谷有希選手を入れて、木下選手を前線にスライドさせる交代がありました。
前半に宮澤選手のパスを浜田選手が決めてマイナビ仙台レディースのホットラインで先制点を奪いますが、後半は髙瀬選手が奪い返して1-1の引き分けという結果に終わりました。
「とても集中してやれていた」と評した高倉麻子監督以下スタッフ陣も選手の状態には一定の満足感を表し、課題はありながらも懸命に取り組む選手たちのポジティブな姿勢に手応えを感じていました。
選手コメント
DF 清水梨紗 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
ここまで代表で試合がなかった中で、すぐ4月には2試合予定されているので、まずはそこのメンバーに入れるようにというのと、試合勘はこの活動を通じて取り戻せたらと思いながら取り組んでいます。目指すサッカーという部分では、今回はメンバーが新しい中でもチームから提示されているものはあるので、共通認識は上げていかないといけないと考えています。今日の紅白戦についてはお互いにコンパクトにプレーし、いい試合ができました。ビルドアップの部分で、裏が空いているところを狙うのか、あるいはそれを囮にしてショートパスでつなぐのか、その使い分けがまだ課題です。ボールが裏に出たときに得点につながっていたので、裏への抜け出しは忘れずに、そこからもっと攻撃の工夫ができるといいのかなと感じました。4月の2試合では、まずは自分が試合に出てプレーすることが大事ですし、守備面はワールドカップ後から1対1に力を入れて取り組んできたので、そこで相手に負けないことや、攻撃参加ではゴールに直結するプレーが出せればと思います。1月、2月の活動がなくなり、今回のキャンプも多くの方の協力あって実施できているとチームの中でも話があり、その感謝を忘れずに高いモチベーションでプレーするのはチームとしてできていると思います。サイドバックとして海外の速い選手と戦うことが多いので1対1の能力は高めないといけないですし、時間を無駄にせずに今時分にできることに取り組んでいきたいと思います。今年開幕するプロリーグであるWEリーグで戦えるのは光栄です。責任も生まれると思うので、観ていて楽しいとか、もう一度観たいと思ってもらえるようなプレーをしたいと思います。
DF 高橋はな 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
所属チームは2月から始動して、それまでも自分も動いていたので始動はスムーズでしたし、代表でもここまでいい感じにコンディションを上げてこられたと思います。色々な選手とサッカーできるのを楽しみに来ましたし、東京オリンピックに向けた積み上げのために、自分はまだ代表経験が浅いので、ここで必要とされるように、チームの意図を理解してプレーに落とし込めるようにやっていこうと考えています。後ろからの組み立てが大事だという話はチームでしていて、チャンスがあればセンターバックの自分のところから前の選手につなぐこともチャレンジしたいと思っています。所属チームではムードメーカーですが、ここでは静かになりすぎず、でもでしゃばりすぎず、いい立ち位置で臨んでいます。自分より歳下の選手もいるので、その選手がやりにくい環境はよくないので、自分もまだまだですが助け合いながら取り組みたいと思います。2019年になでしこジャパンで試合に初出場しましたが、ウォーミングアップでスタジアムに入った時の大きな歓声を聞いてすごいなと思いました。世間の注目度や期待されている部分はすごく感じましたし、ピッチに立ったときにも大きな歓声をいただけて、鳥肌が立ったことを覚えています。4月の試合に選ばれるために、プレーの精度を上げて、このチームに必要とされるようにと取り組んでいる中で、レベルが高い選手を相手に普段から負けないことがアピールにもなるし、海外相手にも負けないところを練習から見せれれば結果につながると信じています。
FW 浜田遥 選手(マイナビ仙台レディース)
今日の紅白戦での得点は、宮澤選手がいいボールをくれました。あそこの背後のスペースはチームとして狙いを持ってやっていますし、自分は常に狙っているので、タイミングとパススピードが素晴らしくて決めることができました。自分は他の選手のように足元が上手いわけではないので、背後を狙ったり、一瞬のすきを狙う部分は大事にしています。9月のWEリーグ開幕まで時間がある分、色々と準備できるものはあります。プロサッカー選手になって時間も増えましたし、今年からチームにフィジカルコーチがいるので、色々と教えてもらいながらフィジカルトレーニングにも取り組んでいます。同じポジションの菅澤選手はJFAアカデミーの同期で先輩ですが、昔から収めるのが上手くて決定力もあって、アカデミー時代から尊敬しています。自分が勝てる部分は諦めずにボールに食いつくところしかないと思っているので、そこに対しては負けない気持ち、強い気持ちを持ってやりたいです。FWなので、点を獲ることが一番のアピールだと思ってゴールを意識して取り組んでいます。4月8日のパラグアイ戦は仙台ということで私のホームですし、出たい気持ちが強いので、毎日の練習から強い気持ちを持って取り組んでいます。震災から10年経っても東北はまだ地震がありますし、不安に思う人も多いと思います。そうした不安な気持ちを自分たちに取り除くことはできませんが、サッカーで活躍している姿を見てもらうことや、仙台の選手がオリンピックに出てることは明るいニュースになると思うので、一つでも多くそうした明るい話題を届けたいです。震災当時は高校を卒業した年で、本当に色々な方に支えてもらってサッカーを続けることができました。こうやって代表に呼んでもらえて、自分にもオリンピックに出れるチャンスがあるので、あのとき支えてくださった皆さんであったり、ここまで自分にサッカーを続けさせてくれる環境を整えてくれた皆さんに恩返しがしたいです。