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なでしこジャパン 2-4で敗れるも実りの多いトレーニングマッチに
2021年05月17日
なでしこジャパンは5月16日(日)、地元のいわきFC U-18を迎えてトレーニングマッチを行い、45分を2本と30分を1本の計120分を戦い2-4(1-2、0-2、1-0)という結果でした。
これまでの好天から一転して風雨に見舞われたこの日は、強い南風と雨の影響にも神経を使う一戦となりました。風上にエンドを取ったなでしこジャパンは1本目、ディフェンスラインに入った4人を中心に、前後にポジションを取るGKとボランチが連動してリズムを作りながら、センターフォワードに入った菅澤優衣香選手を起点に攻撃のチャンスを伺います。すると8分、右サイドバックの清水梨紗選手がオープンな形でボールを受けると、「梨紗からタイミングよくボールが来るのは分かっていた」と話した菅澤選手がゴール前に抜け出したところにパスが入り、得意の胸コントコールから相手GKのポジションを見極めたループシュートで頭上を抜いて幸先よく先制点を奪います。風も味方につけ、狙い通りの形でゴールを奪ったなでしこジャパンでしたが、その後中盤のパスカットから一気に持ち込まれるカウンターの形から2失点を喫し、1本目を1-2で終えます。
風下に回った2本目は、1本目に見せていた小気味いいパスが影を潜め、相手のプレッシャーに耐えられずボールを失うシーンが増えます。守備から立て直そうにも、風上に陣取る相手を裏返すような長いパスを送ることが難しく、我慢の時間が続きます。それでも守備では球際で強さを見せることや前でボールを奪うことにチャレンジし続け、辛抱強く戦いますが、ミスも絡んでこの2本目も2失点という結果で終えます。
両チームともに大きくメンバー入れ替えた3本目は、再び連動したパスワークでリズムを作り、主導権を握ります。中央にポジションを取った水谷友希選手がパスを引き出し、前線に多く配置された攻撃的な選手に配給する流れでゴールを狙います。すると16分、タイミングいい動き出しからパスを引き出した遠藤純選手がサイドから中央に流れると、それに反応した浜田遥選手が右サイドでパスを受けてペナルティエリア内に侵入。思い切りよく足を振ると、これがポストを叩きますが、ゴール前に詰めていた上野真実選手が押し込んで2点目を奪います。この後得点は動かず、3本を終えて合計2-4というスコアでトレーニングマッチを終えました。
夕食時に高倉麻子監督は、「結果は負けたけど、全員がいいトライをしていた。チャレンジしていない選手は一人もいなかった」と話しました。「オリンピック本番に置き換えたら、中2日でまた試合になる。気持ちも体も切り替えることが大事」と続け、「今日悪かった部分は反省しつつもすぐに切り替えて、また次の準備を始めよう」と締めました。
なでしこジャパンは17日(月)のトレーニングで今回のキャンプを打ち上げます。
選手コメント
DF 鮫島彩 選手(大宮アルディージャVENTUS)
トレーニングマッチでは3本目に出場しました。1本目、2本目とはメンバーも違うので、一概に比較はできませんが、このメンバーにおいては与えられた30分で出し切ろうということで、試合開始から前から積極的に行って、たとえビルドアップが上手くいかなかったとしても一度相手を裏返して守備からリズムを作ろうといった話をしてからゲームに入りました。その上で、できたこともいくつかあったと思います。鹿児島でのトレーニングキャンプや4月の国際親善試合を重ねる中で、攻守が切り替わって瞬間に奪い返しにいくことの徹底や、前線の守備がどこから追い始めるのかなど、細かな部分ついてもっと突き詰めないといけないと考えていたところ、今回のトレーニングマッチではそれが実践できた回数も増えたと思うので、そこはここまでの積み重ねであると感じています。
DF 清水梨紗 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
(1本目の得点シーンでは)センターバック寄りのポジションでボールを受けて顔を上げたときに、菅澤選手が動き出しているのが見えて、相手の守備ラインを超えられるかなと思ってパスを送りました。菅澤選手が良いコントロールからシュートまでもっていってくれたので、よかったです。その後失点が続き、スピードのある男子を相手に、奪われ方という部分で課題が多く出た試合になりました。ミスをしないことが最善ですが、サッカーはミスが起きるスポーツなので、攻撃時のビルドアップのときでもリスク管理を徹底しないといけないと感じました。風下に回った後半、クリアしてもハーフウェーラインを超えない状況が続く中で、少しずつ改善できたことは収穫だと思います。ただ、4失点していることは最大の課題ですし、それも自分たちのミス絡みでの失点だったので、次に起こらないようにするためのいいミスにしていきたいです。
FW 菅澤優衣香 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
得点のシーンですが、DFラインとの駆け引きで、タイミングよく裏に抜け出すことができました。それと、清水選手とは、トレーニングを重ねてきてタイミングいいボールが来るのは過去何回もあったので、いいタイミングでいいボールが来たので、落ち着いてコントロールして、前に出ていたGKの上を浮かして決めることができました。コンディションもだいぶ上がってきて、体格の良いいわきFC U-18との試合の中でも体を入れたり、ボールを収めることもできたので、海外の選手を相手にしても通用するくらいのところまで戻ってきたと思います。
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