なでしこジャパン（日本女子代表）は7月22日(土)、ハミルトンで行われたFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023グループステージ第1戦 ザンビア女子代表戦に臨み、5-0で勝利しました。

日本は14日のMS＆ADカップ2023 パナマ女子代表戦と同じ先発メンバーで、GK山下杏也加選手が60試合目の国際Aマッチ出場。キャプテンの熊谷紗希選手が3バックの中央に入り、長野風花選手と長谷川唯選手がボランチを組み、宮澤ひなた選手、藤野あおば選手、田中美南選手が前線でゴールを狙います。選手は18日に逝去された鳥取二三子様（JFA名誉総裁・高円宮久子妃殿下のご母堂）に哀悼の意を表すため、喪章のアームバンドを巻きました。

10分に藤野選手のシュートがクロスバーに当たるなど日本は果敢に攻め、21分には田中（美）選手がゴールネットを揺らして16,111人の観客が沸きましたが、VARにより田中（美）選手のオフサイドと判定され、ゴールは取り消されました。それでも日本は集中力を保ち、43分には清水梨紗選手、長谷川選手、藤野選手とボールをつなぎ、右サイドの藤野選手のクロスに合わせた宮澤選手がダイレクトシュート。これがゴール右下に決まり、4年前はトレーニングパートナーとして大会直前トレーニングキャンプにのみ参加した宮澤選手が日本ベンチのスタッフ・選手たちと今大会の日本初ゴールを喜びました。

日本は後半立ち上がりにも好機を得て、田中（美）選手がゴールを決めたかと思われましたが、VARにより再びオフサイドの判定でノーゴールに。50分には藤野選手がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得しましたが、直前のプレーでオフサイドがあったとして、VARによりPKは取り消されました。それでも攻撃を続ける日本は55分、長野選手、長谷川選手、遠藤選手とつなぎ、最後はついに田中美選手が追加点を決めます。62分には宮澤選手が再びゴールを決め、その9分後には遠藤選手の左足シュートが決まり4-0となりました。ザンビアは終盤にエースのバーバラ・バンダ選手を軸に反撃しますが、石川璃音選手、南萌華選手らがしっかり対応。90+7分には植木理子選手がファウルを受けてPKを獲得し、一度は失敗しますが相手GKのポジションがゴールラインから離れたため蹴り直しに。植木選手は次のPKを成功させ、5-0としてタイムアップとなりました。

プレーヤーオブザマッチには2得点の宮澤選手が選ばれ、日本はこれでグループCの1位に立ちました。

なでしこジャパンは翌日、ベースキャンプ地のクライストチャーチに戻り、7月26日17:00（日本時間同14:00）にキックオフ予定のグループステージ第2戦 コスタリカ女子代表戦（ダニーデン）に向けて調整を続けます。

監督・選手コメント

池田太 監督（なでしこジャパン）
大会の初戦ということもあり勝点3をしっかり取りたい大事なゲームでしたので、5-0のスコアで3ポイントを取れたことに本当に満足しています。日本でもテレビを見て応援してくださっている方もいるので、そういった方々も背中を押してくれたことに感謝したいです。ザンビアは速く、ゴールに直結させる選手がいるので、チームが連動して相手の良さを出させない守備組織や裏のスペースを消してはね返すことで、決定的なシーンを作らせなかったのが勝因のひとつだったと思います。

DF #3 南萌華 選手（ASローマ／イタリア）
1点目が遠くても焦れずにやろうとチーム全体で話していました。その中で前半に1点が入って折り返したのはすごくよかったと思います。今日の試合は今日の試合で終わったので、とにかく次の試合に向けて全員で集中してやっていきたいと思っています。初戦が難しいというのは、（熊谷）紗希さんからも言われていて、ディフェンスとしては、無失点で終えられたのはよかったです。試合に出られないメンバーもすごく声をかけていたのは聞こえていたので、全員で勝利したなという感じです。

MF #7 宮澤ひなた 選手（マイナビ仙台レディース）
難しい時間帯も続きましたが、自分たちがボールを持つ時間も長く、（田中）美南さんのシュートがVARで取り消されたこともあって、自分もオフサイドに引っかからないようにと意識していました。（先制点は）相手のラインが少し高くなってきたので、（藤野）あおばがうまくそこに蹴ってくれて冷静に流し込むことができ、素直にうれしかったです。ここからが勝負だと思いますし、次も勝ってこそだと思うので、中3日ですがチームとしていい準備できたらなと思います。

FW #9 植木理子 選手（日テレ・東京ヴェルディベレーザ）
途中出場だったので、まずは（交代した田中）美南さんがやっていた役割を担うことと、前からアグレッシブに追う守備、そして「ゴールを取ってこい」とスタッフに言われて出場しました。1回目のPKを外す前にも相手GKとの1対1を外していたので、切り替えるしかないと思ってプレーを続けました。結果的にPKは蹴り直しになって最後にゴールを決めることができ、少しラッキーでしたがよかったです。大会最後の日までなでしこジャパンがピッチに立っていられるように頑張りたいです。

FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023

大会期間：2023年7月20日(木)～2023年8月20日(日)
グループステージ
第1戦　7月22日(土) 16:00（日本時間）vs ザンビア女子代表
第2戦　7月26日(水) 14:00（日本時間）vs コスタリカ女子代表
第3戦　7月31日(月) 16:00（日本時間）vs スペイン女子代表
大会情報はこちら