なでしこジャパン（日本女子代表）は8月5日(土)、ニュージーランド・ウェリントンで行われたFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023 ノックアウトステージラウンド16 ノルウェー女子代表戦に臨み、3-1で勝利しました。

日本はグループステージ第3戦のスペイン女子代表戦から3人の先発を変更し、ボランチに長谷川唯選手が入ります。初戦以来に宮澤ひなた選手、藤野あおば選手、田中美南選手の3人が前線を形成して、今大会初のアウェイ用ユニフォームでキックオフを迎えました。

日本は序盤からボールを保持して、両ウイングも高い位置でプレーします。ノルウェーも高い集中力でそれをはね返していましたが、15分に左サイドでボールを持った宮澤選手が右足でアーリークロスを送ると、イングリット・シルスタッド・エンゲン選手が伸ばした右足に当たって軌道が変わり、オウンゴールで日本が先制しました。しかし1995年以来の優勝を目指すノルウェーも反撃。20分にグーロ・レイテン選手が高い打点のヘディングシュートを決め、これが日本の今大会初失点となりました。日本は失点後もボールを保持して追加点を狙いましたが、1-1で前半を終えました。

後半も日本がボールを動かす展開は続き、50分、ゴール前に上がった長谷川選手がポストプレーでボールを落とすと、相手選手が一度は奪いますが、ルーズボールの瞬間を見逃さなかった清水梨紗選手が右サイドから攻め上がってボール奪取。即座に右足でシュートを放つと、これがゴール右に入って日本が2-1としました。33,042人が集まったスタジアムの盛り上がりは最高潮に達し、清水選手は日本ベンチに駆け寄って勝ち越し点を喜びました。その後、日本の最前線に投入された植木理子選手はエネルギッシュに走って攻撃や守備で貢献。ノルウェーもアーダ・ヘーゲルベルグ選手を投入したことで、日本の守備の時間が続きましたが、81分に再び日本ゴールが生まれます。藤野選手がドリブルしながら出したスルーパスを宮澤選手が受け、左足でゴール右下に流し込んで今大会5点目。宮澤選手が得点ランキングトップに立つゴールで、3-1とリードを広げました。ノルウェーは後半アディショナルタイムにカリーナ・セービック選手がヘディングシュートを放ちましたが、GK山下杏也加選手が左手でファインセーブ。集中した守備を見せた日本が3-1で勝利し、前回大会を超えるベスト8に進出しました。

プレーヤーオブザマッチには、前半に先制点を呼び込み後半に1得点を決めた宮澤選手が選出されました。日本は準々決勝でスウェーデン女子代表対アメリカ女子代表の勝者との対戦が組まれます。

なでしこジャパンは翌日にオークランドに向かい、8月11日(金)19:30（日本時間同16:30）にキックオフ予定の準々決勝（イーデンパーク）へ調整を続けます。

監督・選手コメント

池田太 監督（なでしこジャパン）
ノックアウトステージを戦う上では、厳しい試合を勝ち進んでいかなければならないと選手たちと共有していました。そんな中で選手たちは同点に追いつかれても、その後すぐにポジティブな声かけをして、失点でプレーがぶれることなく、自分たちのペースを取り戻してプレーを再開できました。またひとつタフになれたんじゃないかと感じています。ワールドカップはラウンド8以降も強豪との対戦が組まれるので、どんな相手でもしっかりとコンディションを整え、分析してトレーニングするいい準備をしていきたいと思います。

DF #2 清水梨紗 選手（ウェストハム・ユナイテッド／イングランド）
同点に追いつかれた時も誰もが下を向かず、次に向けたマインドでプレーしていました。試合中にも本当にたくさんの声があふれていて、日本は勝つべくして勝ったと思います。ゴールシーンはあまり覚えてないんですが、ボールが来ると思って走り込みました。クロスボールにも全員が体を張って守り、3点目が入って気持ちが落ち着いたので、いい試合の流れだったと思います。会場の声援はめちゃくちゃ聞こえるので本当に力になりますし、こういう雰囲気でもっともっと試合がしたいと改めて思いました。

DF #3 南萌華 選手（ASローマ／イタリア）
失点はしましたが、その後も落ち着いて進められたと思いますし、押し込まれる時間帯でもヤマさん（山下）を筆頭にDFラインで声をかけ合いました。危ない場面もありましたが、後半を失点0で抑えられたのは自信につながると思います。ノルウェーはヘディングが上手でしたが、競った後のセカンドボールや前に弾いた後のボランチのセカンドボールへの対応がすごくよかったです。うまくいかない時間もありましたが、焦らずに自分たちのできることをやろうと進めたので、その次の得点にもつながったと思います。

DF #12 高橋はな 選手（三菱重工浦和レッズレディース）
次の試合につなげられて本当によかったです。ノルウェーは高さがあり、サイドでのスピードも意識していましたが、それでもやっぱり高かったです。失点シーンはこれから修正しなければならないと思いますが、（失点で）誰も下を向いていなかったですし、ここからもう1回自分たちのやり方を続けようとか、このまま崩れないぞという再確認をしました。これからももっと厳しい戦いが続くと思いますが、このチームで次も戦える喜びをエネルギーに変えて頑張っていきます。

MF #7 宮澤ひなた 選手（マイナビ仙台レディース）
ボールを持つ時間は長かったんですが、なかなか崩せず弾き返されるシーンがあった中、左サイドではチャンスメイクできたかなと思います。ターンしてカットインした時、相手のDFラインが上がったタイミングで何が起こるか分からないような少し速いボールを、（藤野）あおばに向かって蹴ったら先制点につながりました。ここまで来て、みんなでてっぺんを見たい想いはより高まっているので、中5日でしっかり準備して準々決勝もみんなで助け合って笑って終われたらと思います。

FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023

大会期間：2023年7月20日(木)～2023年8月20日(日)
グループステージ
　第1戦　7月22日(土) ◯ 5-0 vs ザンビア女子代表
　第2戦　7月26日(水) ◯ 2-0 vs コスタリカ女子代表
　第3戦　7月31日(月) ◯ 4-0 vs スペイン女子代表
ノックアウトステージ
　ラウンド16　8月5日(土) ◯ 3-1 vs ノルウェー女子代表

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