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フットサル女子代表 チャイニーズ・タイペイに逆転勝利 ~国内初の国際試合で白星~
2014年12月21日
フットサル日本女子代表は12月20日(土)、兵庫・グリーンアリーナ神戸でチャイニーズ・タイペイと対戦して3-1の逆転勝利を収め、国内初の国際試合を白星で飾りました。
フットサル日本女子代表 3-1(前半0-1、後半3-0) チャイニーズ・タイペイ女子代表
この歴史的な一戦に、日本は春山愛選手(acro-iris KOBE)、小出夏美選手(VEEX TOKYO Ladies)、吉林千景選手(ウニベルシダッド・アリカンテ)、関灘美那子選手(acro-iris KOBE)、GK山本彩加選手(ヴェイル寝屋川レディース)の顔ぶれでスタートしました。
チーム情報の少ない初顔合わせの相手に、日本は立ち上がりから短いパスをつないでテンポを作ろうと試みますが、体格とパワーに勝るチャイニーズ・タイペイは、守備を固めて日本のパスをカットすると前線へロングボールを送る戦法で対抗します。
失点を許したのはそういう立ち上がりの時間帯でした。
試合開始から2分、江偑凌選手は自陣で日本のボールをカットすると、ドリブルで攻め上がってゴール前へ。GK山本が一度はブロックしますが、こぼれたボールに再び江選手が右足を突き出してゴールに押し込みました。
コスタリカでの世界女子フットサルトーナメントから帰国後、中2日で迎えた初の国内での代表戦で、日本選手は全体に動きがやや固く、ボールを保持してパスを回すが、中央でブロックをつくって守備を固めるチャイニーズタイペイに、パスをカットされたりパスが通っても前を向かせてもらえない場面が続きます。
日本はそれでも反撃の糸口を探して辛抱強くパスを回し、園田瑞貴選手(京都精華女子高校)や藤田靖香選手(acro-iris KOBE)、吉林選手らがゴールを狙います。前半8分には坂田睦選手(SWHレディースフットサルクラブ)がポストを叩き、その1分後には吉林選手が相手GKのファインセーブに阻まれる惜しい一撃を放ちます。その後も日本は圧倒的なポゼッションで攻め続け、前半終了間際には園田選手がオーバーヘッドシュートを試みますが、右ポストに嫌われます。
後半日本は立ち上がりから早いテンポのパス回しで、攻撃のギアをアップさせます。後半に入って2分後の22分に、横山純子選手(フウガドールすみだレディース)の左サイドからのパスに藤田選手が右足で合わせてゴールに叩き込みました。
この同点弾で勢いを得た日本は、その後攻撃を畳み掛け、30分には小出選手のパスを受けた関灘選手が勝ち越しゴールを決めます。その直後にも、再び小出選手のパスから吉林選手が左足を振り抜いて3-1とリードを広げ、集まった1291人の観客を沸かせました。
その後、日本は一方的な展開に持ち込み、藤田選手、関灘選手、春山選手が相手ゴールを脅かし、試合終了直前には坂田選手と中野絵美選手(acro-iris KOBE)が立て続けにバーを叩きます。追加点にはなりませんでしたが、相手を圧倒して試合を終え、日本女子フットサル界にとって記念すべき試合での勝利に華を添えました。
監督・選手コメント
在原正明 フットサル日本女子代表監督
短い準備期間にもかかわらず、この試合を開催していただいたことに感謝します。日本代表としてのプレーを見せようと、十分な準備はして臨んだのですが、選手たちにとっては非常に緊張する要素に囲まれた中での試合でした。相手も統率のとれた守備をして、簡単には崩れず、前半で先制を許してしまいました。前半のタイムアウトから、ボールに対しての圧力やゴールへの推進力を増やすことでゴールチャンスを増やせたと思います。ハーフタイムにももう一度、アジア王者としての責任と気合見せる必要があるという話をして、後半立ち上がりに「この時間で試合を決める」という姿勢をチーム全体で出したことが1点目、2点目の連続得点につながったと思います。
試合全体では来年のAFC女子フットサル選手権に臨むには、まだまだ課題が山積みだと感じましたが、あれだけ多くの人たちが私たちの試合を観に来てくれたことは、歴史的にも大きい1試合であり1日になりました。
来年のAFC選手権へは、代表チームでの活動が限られている中では、普段のプレーが代表へ直結するので、どういう形で練習して日本全体のスタンダードを上げるかを、各チームと共有しながらやっていく必要があると考えています。注文通りのプレーが出てくることが増えれば、競技力の向上になり、日本も世界へ近づけると思います。
関灘美那子 選手(acro-iris KOBE)
試合は緊張して固さもあったのですが、勝ち越しで終えてよかったです。いきなり失点して硬直しましたが、ハーフタイムにこのままでは終われないと、監督に喝を入れられました。後半同点にした後はリズムが良くなって次々と点が入って良かったと思います。私のゴールは、みんなのおかげです。先週の世界大会で対戦した相手とは違って引いて守るタイプの相手でやりにくさはありました。各選手が自分のチームで代表での経験を伝えて成長して、自分もまた代表に呼ばれるように頑張りたいと思います。
吉林千景 選手(Alicante/スペイン)
こういう試合が開催されることに感謝しないといけないと、みんなで感じていたので、試合の入りがかなり固くなって、普段通りではないプレーばかりをしてしまい、少し難しい試合でした。前半0-1で折り返して、後半は気持ちを切り替えてやった結果、3-1で終えることができました。これが今の実力で、まだ伸び代があると感じた試合でした。来年のAFC選手権へは、みんな所属チームにいったん戻って、私もスペインへ戻ってブラジルやスペイン代表でやっているメンバーと共にプレーしながら、1段、2段レベルアップして大会メンバーに選ばれるようにしっかり修業を積みたいと思います。
藤田靖香 選手(acro-iris KOBE)
前半はみんな口にはしていなかったですが、緊張はあったと思います。私自身は地元神戸ということで、お世話になっている方々多い中で1点目を入れることができて、観てもられてすごくうれしかったです。いいパスがきて、目の前が空いていたので蹴るだけでした。決められてよかったです。
中野絵美 選手(acro-iris KOBE)
今回国内初の国際試合で地元の神戸だったので、どれだけ結果だせるかが大事だと思っていました。緊張して肩に力が入ってしまいましたが、後半先に得点できればと見ていて、自分が入ったら縦へボールを入れることと斜めに走ることをやろうと考えていました。それは少し出来たかと思いますが、もっと出場機会を増やせるように頑張りたいと思います。日本はアジアインドアゲームズで3連覇していますし、来年のAFC女子選手権では初代王者になることは、今後のレベルアップのためにも絶対の目標だと思います。これからも代表を意識しながら取り組んでいきたいと思っています。
メフメト・ファティフ・カレ フットサルチャイニーズ・タイペイ女子代表監督
今回はわれわれチャイニーズ・タイペイ代表チーム誕生後初めての国際試合でした。招いていただけたことに感謝しています。国内にはフットサルリーグがなく、普段サッカーをやっている選手たちを10日に集めて3日間練習して来ました。その状況でアジア王者との対戦だったので大敗も覚悟しましたが、この結果には満足です。観客も楽しめたのではないでしょうか。先制点は日本には不運だったかと思いますが、日本戦をいろいろ見て徹底的に研究して戦略を練っていました。選手たちはそれを実行してくれて、よくやったと思います。残念ながら結成して間もないわれわれは規則で来年のAFC選手権には出場できませんが、今日の試合が今後のわれわれ代表チームの活動を助け、国内フットサルの機運を高めることにつながることを期待しています。
国際親善試合
フットサル日本代表 vs フットサルクロアチア代表
[ 第1戦 ] 2014年12月18日(木) 東京/駒沢オリンピック公園総合運動場体育館
[ 第2戦 ] 2014年12月20日(土) 兵庫/グリーンアリーナ神戸
フットサル日本女子代表 vs フットサルチャイニーズ・タイペイ女子代表
2014年12月20日(土) 兵庫/グリーンアリーナ神戸
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