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ブルーノ・ガルシアのフットサル道場 vol.7「決定力とフィジカルは密接に結びついている」
2019年11月13日
必見「フットサル道場」!
機関誌『JFAnews』で連載中のブルーノ・ガルシアフットサル日本代表監督のコラムをJFA.jpでもお届けします。フットサルの魅力や指導法など、フットサルだけでなく、サッカーにも通じるポイント満載です。
※本コラムはJFAnews2018年4月に掲載されたものです
アジアでの戦いで多くの収穫を得た
フットサル日本代表が、AFCフットサル選手権チャイニーズ・タイペイ2018を準優勝という結果で終えた。大会までの準備期間が短かったこと、選手たちの多くがFリーグのプレーオフを終えたばかりだったことを踏まえても今回の結果はポジティブに捉えている。全てのチームスタッフが少しでも選手のコンディションを上げようと力を注いでくれた。最後まで集中力を保ってプレーした選手たち、大きな声援で彼らを後押ししてくれたファン、現地の皆さんのサポートにも感謝したい。
今回、準優勝という結果を手にし、日本を表彰台に戻したことは、間違いなくこれからの自信につながる。16年にFIFAフットサルワールドカップ出場を逃したショックから立ち直る意味でも、日本の威厳を取り戻す上でも、良い結果を残せた。
もう一つ、違った手応えも得た。それは、決勝で「史上最強」ともいえるイランと対等に渡り合ったことだ。結果的に4点差をつけられたが、試合内容はスコア以上の僅差だったと見ている。特に、前半は日本のペースで進み、得点機をつかんだ。選手たちも「あのチャンスをものにしていたら勝てた」という様子で、試合後に悔しそうな表情を浮かべていた。その悔しさは次に生きるはずで、多くの収穫を持ち帰ることができたと思っている。
威厳や自信を得たこと以外に、「これだけの準備をすれば、これくらいのプレーができる」というベンチマーク(基準)が分かったことも大きい。気が早いかもしれないが、2年後のAFCフットサル選手権は、さらに良い準備ができると確信している。
他国と比較して、大会への準備期間が短かった日本だが、綿密なプランニングを基に選手を管理。
準優勝という結果はスタッフと選手による努力の賜物だ
フィジカルを備えれば選択肢が増える
イランとの決勝で試合終了のホイッスルが鳴った瞬間から、イランとの差をさらに縮め、彼ら以外の国ともっと差をつけるには何をすべきかに、気持ちを切り替えている。
それを実現するには、「代表チームの活動頻度を上げる」という前提をクリアしなければならない。その上で取り組むべき課題が、大きく分けて二つある。
一つ目は、決定力アップ。日本の選手はテクニックがあり、ボールタッチが柔らかいところが良い点だが、相手ゴールに迫ったときは、明確な狙いを持ってフィニッシュにつなげたい。これは闇雲にシュートを打つのではなく、ゴールから逆算したとき、どのプレーを選ぶことがいいのかを深く考えてほしいという意味だ。例えば、味方が相手ゴールの近くにいるとき、ボールを持った選手は強引にシュートを打つのではなく、その味方にパスを預ければいい。言葉にするとシンプルだが、シンプルなプレーほど緊迫した場面で発揮するのが難しい。だからこそ、日頃から何が効率の良いプレーかを突き詰め、それを瞬時に選べるように訓練する。練習から意識すれば、チームの決定力は上がると思う。
二つ目に、フィジカルも鍛えたい。決定力とフィジカルは異なる要素と思われがちだが、密接に結びついている。選手がゴール前でパスを受けたとき、自信を持ってシュートを打てるか打てないかは、その選手のフィジカルによる。パワーがなければパスで逃げざるを得ず、結果として「この選手にはシュートがない」と相手に思われる。逆に、その選手がパワーを備えている場合、対峙するディフェンダーやGKに恐怖心を植え付けられる。シュートを打つか、パスを通すかの選択肢も生まれ、攻撃の幅が広がっていく。
決定力とフィジカルは日々の練習で磨くことができる。キーワードは強度だ。選手たちが悠々とこなせるような練習は意味がない。シュート練習一つをとっても緊張感のある中で行うことがポイントで、そのためには指導者も選手も要求し合うこと。妥協を許さない姿勢が成長の道筋をつくるといえる。
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