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【ワールドカップトピックス#第1回】拡大を重ねて世界を取り込んできたFIFAワールドカップ

2018年06月13日

【ワールドカップトピックス#第1回】拡大を重ねて世界を取り込んできたFIFAワールドカップ

4年に一度開催されるサッカー界最高峰の大会、FIFAワールドカップ。短期連載「ワールドカップトピックス」では、大会の変遷や今大会にまつわるエピソード、日本代表ベースキャンプ地を含めた、開催地ロシアの様子など、様々な視点から21回を迎えたワールドカップの情報をお届けしていきます。

第1回 拡大を重ねて世界を取り込んできたFIFAワールドカップ

4年に一度開催されるサッカー界最高峰の大会開幕が目前に迫った。

6月14日(木)に始まる2018 FIFAワールドカップロシアでは出場32チームが4チームずつ8グループに分かれて、11都市12会場でグループステージを戦い、各組上位2チームがノックアウトステージへ進出。7月15日(日)の決勝まで約1か月間、各地で熱い戦いが繰り広げられる。

ファンにはなじみの方式だが、大会は1930年の第1回から徐々に変遷を続けてきた。今では多くの競技で「ワールドカップ」と称する大会が一般的だが、元祖はサッカー。そして、その大会の発端はオリンピックにあった。

1924年パリでのオリンピック。遠路はるばる出場したウルグアイが南米サッカーの魅力を見せつけて欧州勢を撃破。決勝でスイスに3-0で圧勝して金メダルを獲得した。ウルグアイは28年大会でもアルゼンチンとの決勝を制して連覇を遂げ、当時、欧州で目にするのが珍しい南米のプレーが再び観客を魅了した。

これに刺激を受けたのがFIFA初代会長のジュール・リメ氏で、サッカーだけの世界大会開催を提案して開催が決定。初代開催国をオリンピック連覇中のウルグアイが務めることが決まったが、その頃、経済恐慌に苦しんでいた欧州各国にとって出場国経費の全額負担というウルグアイの太っ腹な申し出は、十分魅力的だった。ウルグアイにとっても、独立100周年を迎えるにふさわしいイベントだった。しかも地元でいかんなく実力を発揮して初代王者に輝いたのだから、この上ないシナリオだ。

しかし、当時は海外旅行といえば船旅という時代。約2か月間大会に選手を取られる欧州各国のクラブは、選手提供を渋ったという。どうやら、代表チームとクラブの選手提供を巡るせめぎ合いは、当時から変わらないらしい。選手を確保できずに出場辞退が続出し、最後はリメ氏が説得にあたり、フランス、ベルギー、ルーマニア、ユーゴスラビアの4チームが欧州から出場したという。

そんな経緯で第1回大会は招待の13チームで始まったが、翌34年大会からは予選が導入され、78年まで16チーム体制で実施された(38年と50年は辞退でチーム減)。また、34年と38年大会はノックアウトステージのみでの実施だった。

しかし70年代に入ると、植民地支配から独立したアフリカ諸国が国際舞台で力を発揮するようになる。FIFAは82年から出場を24チームに増枠。これに伴い、アフリカ、北中米、アジアにはオセアニアが加わって、それぞれの出場枠も1から2に変化。世界のトップレベルのサッカーが競う大会としての色合いを、より強くしたと言える。

その後は、日本が初出場した98年フランス大会から今日まで32チーム体制が続いている。それに伴い、出場枠もアフリカ5、北中米3(その後、他大陸とのプレーオフを含めた3.5)、アジア3.5(同じく4.5)へ増えた。

しかし、26年からは48チームに拡大することが決定済みだ。FIFAワールドカップは、どう変わろうとしているのだろうか?

(次回へ続く) 

 

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