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【ワールドカップトピックス#第2回】3ヵ国共催の26年大会から48チームへ拡大~FIFAの新たな挑戦~
2018年06月18日
2018年ワールドカップロシア大会開幕前日の6月13日(金)、モスクワで行われたFIFA総会で2026年大会のホスト国が決まった。
5度目の挑戦のモロッコの単独開催か、カナダ、メキシコ、アメリカによる3ヵ国共催かの一騎打ちだったが、FIFA加盟協会による投票の結果、134票対65票(棄権票1、有効投票数200)で後者に軍配が上がった。アメリカにとっては1994年大会以来2度目、メキシコにとっては1970、1986年以来3度目のホスト役だが、カナダにとっては初めての大役だ。2022年大会招致でカタールに敗れていたアメリカはようやく思いを遂げたが、一方のモロッコは1994、1998、2006、2010年招致に続く敗戦となった。
1930年に始まったワールドカップにおいて、共同開催は大会史上初となった日本と韓国による2002年大会以来で3ヵ国共催は初。さらなる「初」は、この大会から出場チーム数が48枠に拡大されることだ。導入に熱心だったジャンニ・インファンティーノFIFA会長は、出場枠を拡大した2016年UEFA EURO(欧州選手権)で台頭したアイスランドなどを例に、より多くの国がワールドカップを経験することで競技力の向上が期待でき、また、より多くの収益を加盟国にもたらすことができると説いて、2017年1月、正式決定していた。
48チームによる新方式では、試合数もこれまでの32チーム64試合から80試合に増えるが、これを現行と同じ約1か月で実施する。多くの競技場など設備が必要になることから、今回のみならず、今後も共催の可能性は増えるかもしれない。26年大会の場合、80試合中60試合がアメリカの10会場で開催され、カナダとメキシコは10試合ずつを各3会場で実施する計画だ。
48チーム制では、グループステージを3チームずつ16グループに分けて行い、上位2チームが32チームによるノックアウトステージに進出。決勝進出までに7試合を要し、試合間隔も維持するのは従来通りだが、グループステージでは従来の1チーム3試合から1試合減になる。また、アジアやアフリカなどそれぞれの大陸連盟への出場枠が増えることで、予選方式も当然変わってくる。
ちなみに、アジアは4.5枠から8へ、アフリカは5から9、北中米カリブ海地域は3.5から6、南米が4.5から6、ヨーロッパが13から16に増え、オセアニアは0.5から1を手にする。ここに、6チームによる予選プレーオフ大会を経て2チームが加わる方式が提案されている。
ところで、この48チーム方式を1大会前倒しで実施する案もある。今年4月、南米連盟が22年大会からの実施をFIFAに提案。会長が乗り気だったことで、一時は今回の総会で協議される可能性もあったが、最終的には「まずはホスト国カタールとの検討が先」(FIFA)として、総会では取り上げられなかった。そのため、22年大会予選が始まるまでに新たな動きが出る可能性もないとはいえず、今後の動向には注意が必要だろう。
当面は8年後に導入される48チーム制。ワールドカップの門戸をより多くのチームに開くことが、世界の競技力のレベルアップにつながるか。FIFAの新たな挑戦である。