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SAMURAI BLUE森保監督、セルビア代表戦でチームの現在地チェックに期待
2021年06月11日
SAMURAI BLUE(日本代表)の森保監督は6月10日(木)、神戸で行われるキリンチャレンジカップ2021セルビア代表戦の前日会見に臨み、「世界で戦っていく基準を確かめ、どれだけできるかを計るには最高の相手」と述べて、チームの現在地の確認に強い期待感を示しました。
5月下旬から続いているFIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選の合間を縫って、すでに進出を決めている最終予選とその先の本大会を見据えて、ヨーロッパの強豪セルビアとの対戦です。しかも、ヨーロッパ勢との対戦は2018年FIFAワールドカップロシア大会ベスト16で対戦したベルギー戦以来です。
森保監督は、「セルビアにはビルドアップの能力の高い選手がいる。簡単に自由にボールを握られないように、いい守備をしないとならない」と警戒していますが、一方で「我々が困るような状況が出て、それを乗り越えて戦うことができれば、今後のレベルアップにつながる」と話し、アジアとは異なるタイプの強豪との対戦で、課題や収穫を手にしたい意向です。
セルビアは名古屋グランパスでプレー後に監督も務めたドラガン・ストイコビッチ監督の下、今年3月から2022年ワールドカップのヨーロッパ予選を戦っており、グループAでアイルランドとアゼルバイジャンに勝利し、ポルトガルと引き分けて、2勝1敗でポルトガルと勝点で並び、得失点差で2位に付けています。
来日メンバーには、その予選で得点を挙げているFWアレクサンダー・ミトロビッチ選手ら主力が負傷などのために不在ですが、元ユーゴスラビア代表FWの指揮官は若手FWにチャンスを与えながら、9月から再開する予選を勝ち抜くことを念頭に、強化を図りたいとしています。
日本チームについても「スビードがあり、テクニックもある。チーム全体を注意しなければならない」と話して、MF鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)やMF南野拓実選手(サウサンプトン)らの名前を挙げて分析も披露。チームは今月4日に来日して関西で調整を続けてきており、準備は怠りないようです。
SAMURAI BLUEはこの日、夕方から試合会場で冒頭15分以外を非公開にして練習し、戦術の確認を行いました。
FW大迫勇也選手(ヴェルダー・ブレーメン)が負傷のためにチームを離れて、攻撃では新たな形を模索する機会にもなります。南野選手は、「代わって入った選手とうまく連動して、自分たちのパターンを見つけたい」と話しています。
また、MF守田英正選手(CDサンタ・クララ)は自身初の欧州勢との代表戦とあって「自分がこの半年でどれだけできることが増えて、対等に戦えるようになったかを試す場になる。経験としてこの先に活きると思う」と、チーム同様、現在地の確認と収穫に心を躍らせているようでした。
なお、日本のセルビアとの対戦は2013年10月にノヴィサドでの国際親善試合以来(0-2)で、その前の大阪での顔合わせでも0-3で敗れています。セルビア・モンテネグロ、ユーゴスラビア時代を含めて通算7戦3勝4敗です。
試合は11日(金)にノエビアスタジアム神戸にて19:25キックオフの予定です。新型コロナウイルス感染防止対策の一環として無観客で開催されます。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
セルビアという強豪と試合ができることは楽しみです。攻撃も守備もインテンシティが高く、いろんな面でスピードもあると思うので、時間とスペースのない中でどれだけ相手を上回っていけるか。選手たちには思い切りトライしてほしいです。FIFAランキングは25位ですが、実際にはそれ以上の力があると思っています。グデリ選手の起点はしっかりつぶさないと良いボールを供給されて苦しくなります。そして、我々もいい守備からいい攻撃をして、相手の嫌がる形を準備したい。
相手が4バック、3バックとシステムを可変してきても、基本的な考え方を伝えた上で試合中に柔軟に対応してもらえるようにしたいと思っています。昨年対戦したコートジボワールも3バックでしたが、選手たちはうまく対応できていました。過去の経験から対応できるようになり、チームのベースが上がってきているかと思います。可変システムはどのチームも使ってきていますし、我々もベースを持ちながら流動的に攻守で形を変えることはやっていきたいと思っています。
大迫選手の離脱は痛いですが、彼がいない時のチームの形をここで作っていくことはプラスです。FWのタイプは異なりますが選手に経験を積んで合わせてもらって、最終予選とその先へ向けて戦い方の幅を広げて、チーム力を上げる良い機会ととらえています。
コロナ禍で我々は特別に活動させてもらっています。サッカーを通して夢や希望、勇気や元気を与えて、多くの人々の日常生活の活力になれればと思っています。
GK シュミット・ダニエル 選手(シントトロイデンVV)
今回の合宿ではブロッキングのメニューに多く取り組んでいます。自分もうまくやれたらと思っているので、うまいGK選手の動きを見て学びながらやっています。他の3人のいいところを見て吸収しようと思っています。川島選手からは練習での姿勢や1つ1つを突き詰める姿勢を感じますし、動きの速さやステップの速さもあって、そこはもっと自分が向上しなければならないと感じています。
セルビア戦では相手がプレスなどアグレッシブに来る時間帯もあると思いますが、そういう時間も自分のところに1枚食いつかせながら、落ち着いてボールをさばくことができれば、フィールドで数的優位が生まれます。大柄な選手が多くいますが、セットプレーやクロスボールで自分の強みを出せればアピールになります。それと、シュートブロックをしっかりできるように準備して、無失点で終わることを一番の目標にやりたいと思っています。
MF 南野拓実 選手(サウサンプトン)
セルビアは実力があると思っていますし、こういう時期に欧州のチームと戦えるのは僕らにとって非常に有意義です。その中で今まで自分たちがやってきたことをぶつけて、どういう結果になるのかというのは楽しみです。大迫選手がいるかいないかで2列目の選手のやり方は変わってきますし、周りの選手とのコンビネーションは、次の試合で自分たちが試されることの一つだと思います。それぞれの選手のタイプを頭に入れて準備したい。こちらのフォーメーションが相手とミスマッチになったときにどうやってはめていくかも、重要なポイントになると考えています。練習やミーティングでみんなで話し合って臨みたいと思います。
MF 守田英正 選手(CDサンタ・クララ)
僕個人として欧州のチームと代表で対戦するのは初めてです。すごく強い相手だと思います。システムを含めて相手がどういう形で来るのかわかりませんが、僕が半年ポルトガルでやってきたこと、成長を試すいい機会です。ここでしっかり相手を見定めながら勝利に貢献できれば、その先の成長や可能性につながると思っています。
セルビアは体格もスピードもアジア圏のチームよりも高いと思うので、個で負けないことが必要です。個や局面での打開は日本にいた頃よりもできるようになっていると思うので、その辺も見てもらいたいです。(システムのミスマッチが生じたら)前から奪いにいく姿勢は持っておいて、ボールの保持率を上げることだと思います。相手の出方や選手の力量によってそこは変えていきたい。明日の試合は開始して5分10分で相手のウィークポイントを含めてどういう形でビルドアップしてくるのかを見て、逆サイドが絞ったり、逆に変えさせないような働きかけが大事になると思います。誰にボールを持たせたら嫌で、ここで持たせても怖くないか、という見定めが大事になると思います。
MF 鎌田大地 選手(アイントラハト・フランクフルト)
勝ちにこだわってやるべきですし、まず勝つことだけを考えてプレーします。チームとして監督が求めていること、選手のコンビネーションを上げていきたいと思っています。やることはまだまだたくさんありますが、僕自身は、代表活動を重ねるにつれてやりやすくなっていると感じています。チームメイトには後ろに敵がいても、多少無理でも当ててくれと言っています。多少のリスクはありますが、その方が相手は嫌だと思います。
セルビアはアジアのチームよりもチームとして強いと思います。フランクフルトでセルビアやクロアチアの選手とやる機会がありますが、フィジカル面が強いというイメージがすごくあります。その半面、すぐ熱くなるところもあるので、日本がボールを保持する時間が長くなれば、相手はイライラしてだんだん自分たちのプレーができなくなると思います。
代表でやろうとしていることは良いと思うので、これを継続していくべきだと感じています。あとはクラブで試合にスタメンで出続けて、個々のレベルを上げていくことが、代表が強くなる近道だと思います。
ドラガン・ストイコビッチ セルビア代表監督
久しぶりに日本に来ることができて嬉しいです。今回、ミトロビッチ、タディッチ、ミリンコビッチら中心選手が負傷や体調不良などで来ることができなかったのでベストチームではないですが、代わりにチャンスを与えようと連れてきた若手FW陣が力を発揮すれば問題はありません。3バックと4バックも試しているところで、併用できるように選手たちが理解できるようにしたいと考えています。日本はチーム全体に注意しなければなりません。非常にスピードがありテクニックもある。特に右サイドにはドリブルが得意な選手がいて、鎌田もいい選手です。南野が左か中央かは始まってみないと分かりませんが、攻撃的な選手は特に走るスピード、パススピードがあり、気を付けないとなりません。技術や戦術はアジアも欧州も変わらないものですが、一番の違いはフィジカルで、サイズとスピードが違います。ただ、日本はハンディキャップを補って余りあるものを持っています。強いチーム、大きなチームに勝つことも不可能ではないでしょう。明日は私もベンチからゴールを狙っていますが、レフェリーにはレッドカードを出さないように言っておいてほしいですね。
2021年6月11日(金) 19:25 キックオフ(予定)vs セルビア代表
会場:兵庫/ノエビアスタジアム神戸
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