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U-20日本代表候補 AFC U-23アジアカップ予選に向けトレーニングマッチで連係面を深め、遠征を締めくくる!
2021年09月06日
AFC U-23アジアカップ予選に向けて準備を進めるU-20日本代表は最終日の9月5日(日)、水戸ホーリーホックとのトレーニングマッチを行い、3-1で勝利を収め、貴重なトレーニングキャンプを終えました。
「前回の横浜F・マリノス戦からチームとして修正する時間は限られたが、できることはやってきた。チームとして、フットボールをしっかりしよう」と送り出された選手たちは、試合序盤から勢いよく攻めに転じます。相手に対してのプレッシャーや味方と連動する動きも前回より向上し、スムーズなパス交換から、ゴールに向かう動きが増えます。早速7分、相手がGKから繋いだところを、連係してボール奪取し、MF鈴木唯人選手からのスルーパスを受けた中村仁郎選手が決定機を迎えますが、相手GKのファインセーブに防がれます。アグレッシブな攻撃を武器にJ2で活躍する相手に守備陣も安定した対応を見せ、味方との距離感も良く、リスク管理も徹底し決定機は作らせません。すると30分、ボールをゆっくり回しながらチャンスを伺い、DFチェイスアンリ選手の絶妙なスルーパスを受けたDF半田陸選手が駆け上がり、豪快にシュートをねじ込み先制点を奪います。トレーニングでも何度もトライした形でゴールを奪ったチームはさらに45分、中盤でボールを繋ぎ、MF藤田譲瑠チマ選手が上手く抜け出し、優しいスルーパスを受けたFW細谷真大選手がシュートを放ちますが、シュートはクロスバーに直撃。追加点は奪えず、前半は1-0で終了します。
後半、メンバーが全員変更しましたが、日本は前半同様、継続して攻める姿勢を貫きます。53分、相手からボールを奪うと一気にカウンター攻撃を仕掛け、ボールがMF樺山諒乃介選手へ渡り、最後はMF櫻井辰徳選手がシュートを放ちますが、正面で防がれます。すると、徐々に相手も選手を交代しながら攻撃に転じます。56分、一本のスルーパスを出されると、飛び出してきたGK小畑裕馬選手も交わされシュートを打たれますが必死に戻ったDF鈴木海音選手が何とかゴールラインで防ぎ同点ゴールを許しません。勝利の執念を見せると、相手の攻撃を我慢して耐え、77分にCKを獲得し、ショートコーナーから最後はDF大嶽拓馬選手がループ気味のクロスを放ち、そのままゴールに吸い込まれ追加点を奪います。85分には相手にゴール前でFKを与え、豪快にヘディングで決められて1点を返されます。日本は引かずに追加点を奪いにいきます。87分、前へ来る相手に対してボールを奪うと、パスを受けたMF田村蒼生選手がFW千葉寛汰選手とのワンツーで抜け出して冷静に決めて、3点目を奪います。試合はそのまま3-1で終了し、初戦の反省を大いに生かし、勝利を収めました。
開催まで1ヶ月を切ったAFC U-23アジアカップ予選。U-20日本代表の活動を継続的に実施し、選手たちは所属チームでさらなる成長を目指して激しい競争を続けていきます。
監督・選手コメント
冨樫剛一 監督
育成年代の代表として積み上げてきたものの上に、新しいことができないかというトライを、新しいシステムというかたちで今回やってみました。また攻守ともにいいポジショニングとは何か、それを取ることによって何が起きるのかの共有を図り、システムを大きく変えなくても、相手の変化を感じとってどう対応するかに取り組んできました。横浜F・マリノスとの練習試合を経て、選手たち自身もトレーニングの意図を感じながら試行錯誤してくれました。攻守ともにメリットを生かすこと、デメリットが何かを知ることを公式戦を想定してできたことが、今日の水戸ホーリーホック戦にもつながったと思います。
アジアを戦う中で、いろんな日本対策をしてくることも想定されますが、ゴールを目指すこと、ボールを奪うことを大前提に、相手の変化に対する対応策は増やさなければいけないと思っています。今日の練習試合でも、試合途中から相手が立ち位置を変えてきましたので、それにあわせてシステムも変えることになりましたが、選手たちは相手を見ながらうまく対応してくれたと思います。この先のAFC予選に向けてチームとして戦うことを考えると、2~3人ではなくもっと多い人数でどう崩すか、守備でもどうボールを奪うのか、トライ&エラーをもっと積み重ねていく必要があります。
厳しいコロナ感染状況下で、さらにはルヴァンカップやJリーグ、総理大臣杯などがあるなか、この時期に送り出していただき、活動ができたことに深く感謝しています。
DF 半田陸 選手(モンテディオ山形)
(得点シーンは)相手のサイドバックとセンターバックのあいだのスペースが空いていたので、いいボールが来て、ニアにしっかり決めることができて良かったです。得点シーンの前にも何回か中に入って、インナーラップという形も作れていました。それを嫌がって相手のサイドバックが出たからこそ、スペースを上手く使うことができたと思います。守備を持ち味にしてやってきましたが、今年はモンテディオ山形のコーチの方々からアドバイスをもらいながら攻撃にも取り組み、最近はスムーズに相手を見ながらポジションを取れるようになってきました。そのなかで、サイドから何人かと崩していけるシーンをクラブでも、今日の試合も出すことができています。代表でも短い練習期間のなかでサイドハーフといい関係を作れるようになれば、もっともっと良くなると思います。
MF 藤田譲瑠チマ 選手(徳島ヴォルティス)
(新しいシステムは)形が違うだけで、サッカーとしてやることに変わりはないので、チームのバランスや、どこでボールに行くのか行かないのかをはっきりさせながらプレーしたいと取り組みました。7月にトレーニングパートナーとしてU-24日本代表の練習に参加して、技術の高さはもちろん、ひとつの試合に対する意識の違い、懸ける思いの強さを感じ、もっと高い緊張感を持ってパリオリンピックに向けてやっていかなければいけないと感じました。クラブで試合に出て、チームのためにも、自分の成長のためにもチームを勝たせるプレーをもっと増やしていきたいと思っています。
MF 田中聡 選手(湘南ベルマーレ)
チームとして攻守の両面に取り組んで、コミュニケーションを取りながら質の高いいい練習ができたと思います。個人的にはビルドアップにも積極的に参加して、ミスもありましたが、ここからクラブに戻って、もっと質を上げていきたいです。パリオリンピックに出たいという気持ちは素直にありますが、今のままでは選ばれないと思っているので、強度、質をもっと高めて、まずはチームで試合に出て結果を出すのが一番です。チームで活躍して、そこから視野に入れていきたいと思います。
MF 鈴木唯人 選手(清水エスパルス)
(練習試合では)守備の面ではもう少し組織的にやらなければいけないと思いますが、攻撃のところではボールを保持して運べるようになりました。今はいかに自分のプレーに対して自己評価できるかが大事である時期だと思います。個人としてはもっとできたと思いますし、自分のなかで満足できない、もっとやらなければいけないと感じたので、チームに戻って一からアピールするところから始めたいです。チームありきの代表だと思います。攻撃、守備の両面でスイッチを入れられる選手になれればと思いますし、厳しいところで受けてゴール前、2列目で攻撃を活性化させたり怖い選手になれればと思っています。