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[経験者が語るアジア最終予選]松井大輔選手インタビュー~恐れることなく戦ってもらいたい~
2021年11月06日
SAMURAI BLUE(日本代表)の一員としてFIFAワールドカップアジア最終予選を戦った選手たちに話を伺う「経験者が語るアジア最終予選」。第2回は、2010年の南アフリカ大会に出場するなど9年間、日本代表で活躍し、現在はフットサル選手としてY.S.C.C.横浜でプレーする松井大輔選手に聞いた。
※このインタビューは2021年10月28日にオンラインで実施しました。
――アジア最終予選(Road to Qatar)で日本は4戦を終えて2勝2敗です。日本代表OBとして、現在のチームの戦いぶりをどのように見ていますか。
松井 グループステージを2位で突破すれば問題ないですし、正直、本大会出場については心配していません。ただ、序盤で2敗しているのは事実なので、危機感を持ち、日本代表らしく臨んでもらいたいですね。気になるのは、得点があまり入っていないことです。前線の組み合わせを変えるだけでも攻撃陣が覚醒する可能性はありますし、スピードのある古橋亨梧選手と浅野拓磨選手を並べる形も一つのオプションかと思います。
――日本は4戦目に強豪オーストラリアから2点を奪って競り勝ちました。
松井 オーストラリア戦は、いかにも最終予選という接戦でした。難しい展開で白星をつかんだときこそ、一気に波に乗るチャンスです。選手たちは、苦しい状況で勝ち切ったことで「俺たちはやれるんだ」と自信を得たのではないでしょうか。最終予選のように大事な試合が続く状況では、強い気持ちを持つことが欠かせません。自信を持って精神的に優位に立つことができれば、試合運びにも余裕が生まれます。
――松井選手が日本代表として出場した2010FIFAワールドカップのアジア最終予選のときもそうだったのですか。
松井 そうですね。結果を出すことでチームの状態は良くなります。一つのセットプレーを得点に結び付けて勝点3を奪い、チームに勢いが生まれたこともありました。最終予選は内容よりも結果とよく言いますが、勝点を積み重ねていくのは簡単ではありません。
――最終予選ならではの難しさとは?
松井 相手の予期しないようなシュートが入ったりするんです。3戦目のサウジアラビア戦を見ても分かるように、アウェイで中東勢と対戦するときは独特のやりにくさがあるので厄介です。カウンターアタック狙いの戦い方に苦しむこともありましたし、“中東の笛”と呼ばれるレフェリーの判断基準にも戸惑いました。あとは中東の気候条件や時差ですね。
――11月シリーズのアウェイ2連戦では、その中東勢と対戦します。11月16日には初戦で敗れたオマーンと戦います。
松井 僕らは3次予選でオマーンと戦ったのですが、特にアウェイでのオマーン戦は大変だった記憶しかありません。ピッチ上の気温は50度近くになり、まるでサウナにいるかのようでした。正直、走れなかったですし、あの暑さだけは今も忘れられません。11月16日のオマーン戦も難しい戦いが予想されますが、一度負けた相手ですから、選手たちは「絶対に勝つんだ」と意気込んでいるはずです。
――オマーン戦に臨む前に、ベトナムとも戦います。松井選手は今夏までベトナムのクラブでプレーしていましたが、代表チームにはどのようなイメージを持っていますか。
松井 技術の高い選手が多いです。パスをつないで攻める一方、守備面では球際で戦うことができます。韓国人のパク・ハンソ監督の下、組織としてまとまっている印象です。今回が初めての最終予選ですが、侮れません。格上のチームを倒す姿勢で向かってくるので、日本は受け身にならないこと。どんどん仕掛けることがポイントになります。僕が日本代表で最終予選を戦っていたときも「前半のうちに点を決めておこう」といつも話していましたし、チャンスで決め切ること、早い時間に先制することが重要です。そのためには、独力でマークをはがせる選手が必要で、個人的には三笘薫選手が日本代表に選ばれると面白いと思っています。チーム全体で相手陣内に押し込んでからは、個人の能力が問われるので。
――最後に、SAMURAI BLUEの選手たちにメッセージをお願いします。
松井 代表OBを含めて、多くの国民が期待しています。日の丸を背負っていることを胸にとどめ、恐れることなく戦ってもらいたいです。僕も見ていますので、頑張ってください!
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