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なでしこジャパン、セルビア女子代表戦へ向け最終調整
2022年06月24日
セルビア女子代表との国際親善試合前日となった6月23日(木)、なでしこジャパンは試合会場のSports Center FAS内のスタジアムでトレーニングを行いました。
前夜から降り続いた雨もトレーニング開始時には止み、穏やかな日差しが注ぐなか行われた練習はウォーミングアップを中心とした冒頭20分のみ公開され、その後は非公開となりました。トレーニングではフルコートのゲームを短い時間で行い、チームの狙いを改めて確認したり、攻守にわたってセットプレーでの約束事を共有しました。約1時間強で終了した全体練習の後にはそれぞれにフリーキックやシュートを打ち込む選手、翌日に向けランニング等でコンディションを整える選手と、各自の方法で試合へと集中力を高めていきました。
練習後、オンラインでの取材に応じた熊谷紗希選手は、所属クラブであるFCバイエルン・ミュンヘンでの同僚であるセルビア女子代表、ヨバナ・ダムニャノビッチ選手についての質問に対し「常に100%でプレーできる選手。前線でのキープ力もあり身体を使った反転も持ち味で、決定力は高い」と表現し、抑えるべき選手の一人であると語りました。また試合に関しては「日本人同士でやっていたら出てこないシーンが出てくる相手で、その中で自分たちができることを増やしていかないといけない。チームとしてチャレンジしたい部分もあるので少しでも多くそれを出していきたい」と、ヨーロッパの中で勢いを持って成長を続ける相手にしっかり対応することに加え、自分たちの戦い方の幅を広げていくことの重要性にも触れました。また同じく取材対応した田中美南選手は攻撃に関して「1対1や単発な攻撃では難しさがあるので、人が多く関わること、そして相手を抜き切る前でも足を振る意識、シュートレンジを広く持って隙を逃さずゴールを狙っていくことが大事」だと、フィジカルの強さを持つ相手にも果敢に得点を狙っていく姿勢の大切さを説きました。
セルビア到着後、3日間で計4回のトレーニングセッションを経て臨むセルビア女子代表との試合。短い時間の中でもベースとなる戦い方の確認と新たな積み上げを図った成果をチームはこの試合にぶつけます。1年後のFIFA女子ワールドカップの出場権を獲得して以降、本大会に向けた準備の最初の一戦となるこの試合は、24日(金)19:45キックオフ(日本時間25日(土)2:45)、BSフジにて生中継されます。
選手コメント
DF #4 熊谷紗希 選手(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
新しい選手もいる中、みんなこの遠征での2試合に向けて良い準備をしていると思います。しっかりした気合いをみんなから感じています。
セルビアとはこれまで対戦したことがないので、もともとたくさんの情報は持っていませんが、バイエルンでのチームメイトも1人いて、直近の試合でドイツに勝っているところも見るとすごく勢いに乗っているチームだなと思います。そのチームメイトもそうですが、すごくアグレッシブに戦ってくる印象を持っています。
FIFA女子ワールドカップまであと1年と少しという中で、代表チームとして活動できる時間はすごく限られていますし、その中で、アウェイでヨーロッパのチームを相手に試合ができることは貴重です。両チームとも普段やれる相手ではないですし、チームとして活動できる時間も重要なので、この2試合は大事になります。ヨーロッパの国が相手であるということを意識して戦うだけでなく、自分たちがチームとしてどのように戦うかということも重要です。時間がない中でも1年後のワールドカップで完成度高く戦っていくために、最初はエラーもあると思いますが、次に繋がるチャレンジを今回はしていきたいと思っています。
いわゆるヨーロッパの強豪国とは違った色のチームと対戦できることはすごく重要だと思いますし、セルビアだからこそのアグレッシブさもすごく出てくると思うので、そういった経験ができることは大きいです。ワールドカップでもそういう相手に勝っていかなければならないので、個人としてもチームとしても結果にこだわっていきたいと思います。
MF #7 宮澤ひなた 選手(マイナビ仙台レディース)
AFC女子アジアカップ以来の海外の選手を相手にしたプレーになりますが、アジアカップを経験したことで自分の足りないところ、通用したところが明確になりました。スピードはアジアでは通用したのかなと試合を経験して感じましたが、所属チームでプレーしているような、中間ポジションに立ってドリブルで仕掛けたり、スルーパスを出したりというタイミングは少なかったかなと感じています。今回の遠征で自分のスピードがどこまで通用するのかを試した上で、体格が良くリーチの長い相手に対しどこまでドリブルで割って入れるか、スルーパスでどう合わせられるかということにどんどんチャレンジしていきたいと思っています。自分が抜けたと思ってもついてくる相手が多いと思いますし、ドリブルも日本では抜ける角度でもついてこられたり、自分の足元に置いているつもりでも足が届いてくるということがあると思います。裏のボールに対しての競走でどちらが早くたどり着けるかにもこだわっていきたいですし、中間ポジションで受けた時にひとつでも相手の前に早く入るというようなクイックネスも含めたスピードというのを、試合を通じて出していきたいと思います。
(今回は背番号が7になったが)特に背番号についてこだわりはないですが、アジアカップから比べて番号が若くなったので、その期待に応えられるようなプレーをしていかなければならないと思います。これからも自分のプレーをアピールして、代表でも中心選手となれるようにやっていきたいと思います。
MF #13 遠藤純 選手(エンジェル・シティFC/アメリカ)
まずは明日の試合に向けて昨日と今日、チームとしても個人としてもいい雰囲気で練習ができたので、試合では勝ちにこだわって戦いたいと思います。個人としては攻撃の選手として得点に絡むプレーを忘れずに、とにかく明日の試合を楽しんで勝ちたいと思います。
(アメリカに移籍して)通用している部分は1対1の局面で自分から仕掛けることが多くなったことで、味方がランニングして自分がそのスペースに切り込んだり、味方を使って自分が走り込んだりなど、少しずつ良さが出ていると思います。これまではゴール付近の勝負に行けるところで簡単にパスをして味方任せにすることが多かったのですが、そこはアメリカでも代表でもうまく使い分けをしたいです。自分で行って良いところもあるので、そこは遠慮なく勝負に行かなければならないですし、攻撃の選手として味方に決めさせるプレーも大事ですが、自分で決めるという気持ちの強さは出していかなければと思います。
フィジカルトレーニングは日本にいたときよりも回数や重さを増やしていて、今まで届かなかったシュートレンジでも届くようになったなと思います。ただ結果としてゴールに入らなかったり止められたりということはまだまだあるので、そこは自分の中で変わっていかないといけないと常に思っています。枠に飛ばすだけではなく得点を決めていかなければと感じています。
FW #11 田中美南 選手(INAC神戸レオネッサ)
WEリーグのシーズンが終わって、オフを挟んでから海外遠征という難しさはありますが、それでもやるべきことをやって臨んでいますし、ここに来たからには勝敗があるので、今持っている全力を出したいと思います。
試合では、高い位置から人数をかけてボールを取りきって、ゴールに近いところで攻撃に繋げられればと考えています。今までは相手に押し込まれる時間が続いてのカウンターだったり、前線でお互いをうまく使えているシーンもありましたが、より周囲との関わりや3人目の動きを多く作り出す中で、自分は点を取りたいと思います。守備では前から行きながらも、ヨーロッパのチームには前線に足が速く強い選手がいますし、後ろの選手はキックに飛距離が出るので、前から奪いに行く中で裏返された時に、中盤とDFラインの距離が開いてそこで収められてしまうようならひとつ引かなければいけないと思っています。試合の入りでは行く中で、その後の奪いに行く時のバリエーション、試合の中で変える力はこの先必要になってくると思います。
所属チームや今までの代表チームだと自分がファーストアクションを起こすことが多く、自分の動きを見て回りが動いてくれる事が多かったです。一方で今は自分よりも動き出しの早い選手もいますし、そこを上手く見ながら、相手の嫌がる位置、例えばDFラインが下がるなら1.5列目で受けてはたいてもう一度自分が前に出ていくなど、流動的にプレーできればと思います。選手それぞれに役割がありますが、それがあってないような形で攻撃ができるようにしていきたいと思います。
国際親善試合
2022年6月24日(金)19:45 キックオフ(日本時間 6月25日(土)2:45) vs セルビア女子代表
会場:Sport Center FAS(セルビア/スタラパゾバ)
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