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選手たちが新しい時代を見せてくれた SAMURAI BLUE(日本代表)森保一 監督インタビュー

2022年12月30日

選手たちが新しい時代を見せてくれた SAMURAI BLUE(日本代表)森保一 監督インタビュー

FIFAワールドカップカタール2022でSAMURAI BLUE(日本代表)を2大会連続のラウンド16に導いた森保一監督に大会での戦いや今後のことを伺いました。

――FIFAワールドカップカタール2022での戦いを終えて思うことは。

森保 大会中に国民の皆さん、ファン・サポーターの皆さんから熱いエールをいただき、選手たちも皆さんと共闘することができました。非常にうれしく思います。皆さんの応援はエネルギーになりましたし、我々も、日本サッカーの価値を世界に認めてもらおうと意気込んで大会に臨みました。SAMURAI BLUE(日本代表)の活動を通して皆さんに喜びと活力をもたらすことができたのであれば本当に幸せです。ベスト16の壁を破ること、新しい景色を見ることはできませんでしたが、選手たちが新しい時代を見せてくれたと思っています。

――ドーハを「歓喜の地」に変えることはできましたか。

森保 全力を尽くすことはできました。国民の皆さんと一体になって、ワールドカップで優勝した経験があるドイツとスペインに勝つことができました。クロアチアもFIFAランキング12位(10月6日発表時)の強豪です。世界のトップ・オブ・トップと渡り合い、選手たちは素晴らしい景色を見せてくれました。世界に学ぶべき点はまだありますが、見上げるだけではなくて追い付くこと。今度は「本気で追い越そう」というマインドに選手たちが変えさせてくれたと思っています。

――監督としてSAMURAI BLUEを率いるという仕事は大変だったのではないですか。

森保 代表監督という立場上、「クレージージョブ」と呼ばれることもありますが、私の中ではハッピージョブです(笑)。もちろんプレッシャーを感じる場面もありましたが、ストレスは抱えずに仕事しています。自分の好きなこと、楽しいと思えることができるのは幸せなことです。

――代表とクラブでのチームづくりは別物かと思います。日本代表というチームを構築する上でどのような難しさがありましたか。

森保 時間の制限があったことです。ワールドカップのアジア最終予選に臨むときも、(試合の)2日前からチーム全員で練習できればいいのですが、実際は不可能です。海外のクラブに所属する選手たちは、試合に異なるタイミングでチームホテルに着きます。全員が集まって練習できるのは試合前日の一度だけ。その練習で選手のコンディションが整っていないときもあります。おのおのがクラブ独自のサッカーに取り組んでいる中、SAMURAI BLUEで戦うイメージをどのように合わせるか。チームが目指すサッカーを盛り込んだ映像を選手たちに見せながら、メンタルのスイッチをクラブから代表に切り替えてもらう作業は難しかったですね。時間的制約があったため、コーチングスタッフとは分業性で選手たちに戦術のコンセプトなどを落とし込みました。私は全体を統括する、いわば監督係。コーチングスタッフの協力があったからこそ、チームづくりを進めることができたと思っています。

――クロアチア戦の翌日、「可能であれば欧州に行ってインプットしたい」とおっしゃっていました。

森保 監督が選手にどういう働き掛けをしているのか、自分の目で見たいという気持ちがあります。欧州のサッカーは戦術的にも世界の最先端ですので、練習を見せてもらうことで学べることもあると思います。日本とは異なる文化の国で生活し、助っ人という立場でサッカーの世界で生きることの意味も知りたい。海外でプレーする選手たちが普段どのような環境で戦っているかを少しでも感じ、自分も同じような感覚で話せればと思っていますが、実際にどうなるかは分かりません。

――最後に、SAMURAI BLUEが次のステージに進むために必要なことは何だとお考えですか。

森保 それぞれの選手が個のレベルを上げること。これは基本です。クロアチア戦の翌日、UEFAチャンピオンズリーグで優勝を狙えるようなチームで日本人がプレーすることが、SAMURAI BLUEの強化につながると選手たちに伝えました。具体的に言うと、ボールを奪った瞬間のプレス回避、もっとボールを保持できるようにコントロールしながら戦う点が課題です。守備では、ドイツ戦の後半のように、能動的にボールを奪いにいくこと。今まで積み上げてきたことに引き続き力を注ぎつつ、より高いレベルを追求することが成長につながります。

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