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【Match Report】なでしこジャパン、激闘の末、アメリカに敗れる 第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)
2024年08月04日
第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)に出場しているなでしこジャパン(日本女子代表)は8月3日(土/現地時間)に、パルク・デ・プランスでアメリカ女子代表との準々決勝に臨みました。
グループステージ3試合でフィールドプレーヤー全員がピッチに立った日本は、ナイジェリア戦から5人を変更して臨みました。システムはブラジル戦、ナイジェリア戦と同じ3-4-3で、GKは山下杏也加選手(INAC神戸レオネッサ)、最終ラインは古賀塔子選手(フェイエノールト/オランダ)、熊谷紗希選手、南萌華選手(ともにASローマ/イタリア)が3バックを形成。ウイングバックは左に北川ひかる選手、右に守屋都弥選手(ともにINAC神戸レオネッサ)が入り、ダブルボランチは長谷川唯選手(マンチェスター・シティ/イングランド)と長野風花選手(リバプールFC/イングランド)。ウイングは左が清家貴子選手(三菱重工浦和レッズレディース)、右に藤野あおば選手(マンチェスター・シティ/イングランド)が構え、トップは田中美南選手(ユタ・ロイヤルズ/アメリカ)が4戦連続での先発となりました。
オリンピックとFIFA女子ワールドカップで最多優勝回数を誇るアメリカは、今大会で出場チーム最多の9得点を挙げている3トップの攻撃力を持ち味とし、随所でダイナミックな展開からゴールに迫ります。しかし、日本はコンパクトな守備でスペースを消し、ペナルティーエリアへの進入を許しません。
日本は25分、清家選手がペナルティーエリア付近でドリブル突破を仕掛けて倒され、FKを獲得。長谷川選手がニアサイドに速いボールを入れて相手の意表をつきましたが、パスの受け手とのタイミングがわずかに合いません。30分にはアメリカがシンプルなプレーで日本ゴールに迫り、最後はSWANSON Mallory選手がシュートを打ちますが、熊谷選手がコースを切ってピンチを逃れました。
35分にはペナルティーエリア内でボールを収めた田中選手がカットインから右足を一閃。シュートはNAEHER Alyssa選手の正面に飛びましたが、続けて分厚い攻めを見せます。前線で長谷川選手がキープし、清家選手が送ったパスのこぼれ球を守屋選手がシュート。決定的なシーンをつくり出しますが、枠をとらえることができません。
後半、浜野まいか選手(チェルシー/イングランド)を投入した日本は、セットプレーで流れをつかみ、ボール保持率を高めてチャンスを伺います。70分には長谷川選手のクロスボールに、交代で入った植木理子選手(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)が合わせますが、これも直前でブロックされます。終盤、日本は宮澤ひなた選手(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)を投入して勝負を仕掛けますが、90分間では決着がつかず、試合は延長戦に突入します。
延長戦でも一進一退の攻防が続く中、試合が動いたのは延長前半のアディショナルタイムでした。105+2分、右サイドで長いボールを受けたRODMAN Trinity選手がカットインから左足の強烈なシュートを突き刺し、均衡を破ります。
1点を追う展開となった日本は延長後半、林穂之香選手(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)と千葉玲海菜選手(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)を投入。終盤には、途中出場していた高橋はな選手(三菱重工浦和レッズレディース)を前線に上げてパワープレーを仕掛けますが、アメリカの守備を崩すことはできませんでした。
この結果、120分間の激闘を制したアメリカが準決勝進出。2012年のロンドン大会以来、12年ぶりのメダル獲得を目指した日本の戦いは、前回大会に続くベスト8で幕を閉じることとなりました。
監督・選手コメント
池田太 監督
選手たちの戦い、ハードワークが報われる結果とならなかったことが残念ですが、最後までファイティングポーズをとって戦ってくれたことを嬉しく思いますし、素晴らしいチームだったと思っています。
アメリカはグループステージをほぼ同じメンバーで戦っていたので、後半落ちてくるであろうことをチームで共有していました。1試合を通してトータルで最後に勝ち切ればというイメージは持っていました。相手のストロングはしっかり消せたんじゃないかと思いますが、奪った後にゴールに繋げるプレーをもっと増やしていかなくてはなりません。試合ごとにいろいろな戦い方がありますが、攻守にもっと厚みを持てるように、やれることを増やしていく必要があると思います。
このオリンピックに向けて選手一人ひとりが成長してくれましたし、全員で一体感を持って勝利を目指して戦うことができたと感じています。
DF #4 熊谷紗希 選手(ASローマ/イタリア)
率直に悔しいです。自分たちの狙ったゲームプランで試合を進められて、決定的なチャンスをほとんど作らせない中、奪った後にカウンターを狙う戦いの中でチャンスも作れたと思います。後半まで0-0だったというところでは、後ろの守り方は間違っていなかったと思います。点を取ることは狙っていましたが、延長、PKの想定もありましたし、それでも勝てればいいと思っていました。自分たちにも得点するチャンスはありましたが、決定的な1本を決められてしまい、これが結果です。本当に悔しいです。
DF #13 北川ひかる 選手(INAC神戸レオネッサ)
対面したサイドの相手がキーマンになると分かっていました。突破される場面は何回かありましたが、全体としては守れていました。ただあの一本で決められてしまいました。延長に入ってキツさはありましが、相手は仕留めにきていた中で、自分が隙を見せてしまった一本で負けてしまったことを本当に申し訳なく思います。
今まで全員で戦ってきた中で、怪我で力になれない時間も長くて、メダルを取って帰るという目標があった中でここで敗退してしまい悔しいです。オリンピックは自分の夢の舞台でしたし、自分のキャリアの中でも一番大きな舞台になりました。もっと選手として強くなりたいと感じました。
MF #14 長谷川唯 選手(マンチェスター・シティ/イングランド)
しっかり自分たちがやりたいように守れて、チャンスを作ることもできました。ボールを奪った後にひとつ、ふたつ繋げれば余裕ができるということはチームの共通認識として持てていました。あの失点だけだったので本当に悔しいですし、それだけにベスト8の壁はすごく高いと改めて感じました。最後のところの迫力、ひとつのチャンスを決めるという点ではアメリカが上でした。しっかり集中できていましたし、身体を張って守れていた中で、失点シーンも守る人数はいました。あの場面も守りきれれば良かったですが、その局面に至るまでをどうするかだと思います。この負けを受け止めて次に繋げなければいけません。まずは自分が、次にチームに入った時に何ができるかにフォーカスしていきたいです。
第33回オリンピック競技大会/第17回パラリンピック競技大会(2024/パリ)
サッカー競技日程:2024年7月25日(木)~2024年9月7日(土)
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