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【Match Report】U-17日本代表 リモージュ国際大会 地元フランスに敗れ第3位で大会を終える
2023年09月13日
フランスのリモージュ国際大会に参加しているU-17日本代表は、9月10日に地元U-17フランス代表との最終戦に臨みました。初戦でポルトガル代表には敗れたものの、第2戦のイングランド代表には4-0で勝利し、勝ち点3の日本代表。対する地元フランス代表は2戦2勝で勝ち点6。そのためフランスが勝てばフランスが優勝、日本が勝利すると日本が逆転優勝という状況の試合になります。「ここまでの戦いを見ても、フランスは間違いなく世界トップクラスのチーム。U-17ワールドカップで上位進出を狙うためには避けて通れない相手」(森山佳郎監督)と、優勝をかけた戦いとなりました。
多くの地元フランスのサポーターが詰めかけたスタジアムの雰囲気や荒れたピッチの影響もあり、日本はうまく試合に入ることができません。前半4分に相手自陣からのFKから裏を取られると、そのまま個人技でゴール前まで持ち込まれ、あっさりと得点を許します。8分には鋭い縦パスから高岡伶颯選手(日章学園高)が起点となり、最後は名和田我空選手(神村学園高)がシュートを放つなど日本もチャンスを作りますが、単発の攻撃に終わります。その後もフランスの強いプレッシャーにミスが目立ちボールを奪われると、高い身体能力と技術を持つフランスに押し込まれる時間帯が続きます。それでも何とか追加点を許さずに耐えると、30分にはロングポールから裏に抜け出した名和田選手が決定機を迎えますが、シュートは枠を外れます。前半終了間際にも前線に繋いだボールを高岡選手が粘り強くシュートまで持ち込み決定機を迎えますが、これも枠を外れ0-1で前半を終えます。
後半も54分にインターセプトから良い位置でFKを獲得しますが、名和田選手のフリーキックがポストを直撃し、惜しくも得点には至りません。直後にも左サイドのアーリークロスから、ゴール前でフリーになった高岡選手がヘディングで合わせるも枠を捉えることができません。フランスもスピードのある攻撃から何度も決定的なチャンスを作りますが追加点を許しません。終盤には積極的に選手交代を使いながら逆転優勝に向けて攻勢に出る日本ですが、後半アディショナルタイムに自陣の深い位置でフリーキックを与えると、そのフリーキックからゴール前になだれ込んだフランスの選手にヘディングを決められ失点、0-2で試合は終了しました。最後まで粘りは見せたものの、フランスとの力の差を見せつけられる悔しい敗戦となりました。
試合後の表彰式では、地元サポーターと喜び分かち合うフランス代表を悔しそうに見つめる選手たちの様子が印象的でした。
11月に開催されるFIFA U-17ワールドカップを前に、世界の強豪国との対戦を通じ、自分たちの現在地を知る貴重な遠征となりました。本番まで残り2ヶ月。この経験を糧に11月のFIFAワールドカップに向けて最後の準備を行います。
<最終順位>
フランス代表 勝ち点9(得失点差+5)
ポルトガル代表 勝ち点6(得失点差+2)
日本代表 勝ち点3(得失点差0)
イングランド代表 勝ち点0(得失点差-7)
<表彰>
得点王:井上愛簾選手(2得点)
フェアプレー賞:U-17日本代表
監督・選手コメント
森山佳郎 監督
AFC U17アジアカップを制した選手たちが2ヶ月ぶりに集結し、フランスで開催された大会に参加してまいりました。対戦相手のポルトガル、イングランド、フランスというFIFAランキングトップ10に入る強豪国との対戦は、このチームがU-15日本代表として発足して以来初めてであり、非常に意義深く楽しみな機会となりました。
週末に所属クラブでリーグ戦を戦った直後に集合してフランスに渡り、到着後コンディショントレーニングを1回実施したのみで大会へ挑むというハードなスケジュールでしたが、選手たちはポジティブに戦ってくれました。初戦のポルトガル戦は時差と丸一日以上の長距離移動というハンデを感じさせない動きをしてくれましたが、1-1で迎えた終盤に失点し、バランスを崩して攻めた挙句、カウンターから失点するという非常に稚拙なゲーム運びで敗れてしまいました。2戦目のイングランド戦は、お互いに大幅なメンバー変更の中、連動した守備からの素早い攻撃が非常に奏を功し得点を重ね、4-0で勝利できました。この勝利で、ホスト国のフランスに勝てば優勝という最高のシチュエーションで最終戦を迎えましたが、序盤に出鼻をくじかれ、背後への1本のパスから突破を許し失点。1試合を通してこの重くのしかかる1点を取り返しにいく展開となりましたが、ところどころ芝生が大きくめくれ上がるようなピッチでも全く影響なく試合を展開してくるフランスに対し、日本はピッチと相手のプレッシャーから本来のパスワークが封印され、全員が必死にハードワークしてゴールを守る展開になりました。終盤、2人のCBを攻撃的な選手に替え反撃を試みましたが、高さがなくなってしまった弱みをFKから突かれ終盤に失点し、0-2で敗れました。その結果、フランスの3戦全勝優勝(無失点)というエンディングをアシストする形で大会を終えました。
フランスは非常に身体能力が高く、その選手たちが日本のボールの動かし方を予測し次々にプレッシャーをかけて体をぶつけてきました。2戦目までは中盤の優位性を生かしてボールを前に運べましたが、フランス戦ではピッチ状態とフランスのプレスに対して、精度(判断、プレー)、スピード(判断、プレー、サポート)などが不足し主導権を握ることを許してもらえませんでした。この敗戦はU-17日本代表にとって非常にショッキングな内容であり、ワールドカップ上位進出を狙うためには、フィジカルレベル、技術レベル、判断レベルの全てを上げていかなければならないことを強烈に示唆してくれました。
残された7週間で、所属チームに戻り相当な覚悟を持って努力を続け、スタッフも含めた全員が少しずつでもレベルアップした状態でワールドカップを迎えなければならないと考えています。この度はシーズン中の大切な1試合を犠牲にして選手を派遣してくださった所属クラブの皆様に、心より感謝申し上げます。また学校の先生方、保護者の皆さんにも深く感謝申し上げます。フランスではフランスサッカー連盟はじめ、開催地リモージュの方々、ホテルの方々にも本当に温かくもてなしていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
GK #1 後藤亘 選手(FC東京U-18)
勝てば優勝というシチュエーションの中で開催地のフランスと対戦できて、ワールドカップに向けていいシミュレーションになりました。前半の立ち上がりと後半の終了間際の失点で負けてしまい、立ち上がりや終わりの大切さを改めて痛感しました。また技術面や体格などの部分で世界のトップとの差はまだまだあって自分の足りないところをたくさん感じました。11月のワールドカップまでに今回出た課題を改善してさらに成長してまたメンバーに選ばれるように頑張ります。
DF #2 柴田翔太郎 選手(川崎フロンターレU-18)
フランス戦はワールドカップ前最後の試合、そして優勝がかかっていた試合だったので、負けてしまったことがとても悔しいです。
フランスの個人の身体能力、迫力はすごかったですが日本も決定機は作っていたので勝てるチャンスはあったと思いますが結果的に0-2のスコアだったので、そこには差があるように感じます。
ワールドカップまで残りの2ヶ月、なんとしてもメンバーに選ばれて活躍するために死に物狂いで毎日を過ごしたいと思います。
そしてワールドカップで必ずフランスにリベンジして優勝したいです。
DF #4 鈴木樟 選手(鵬学園高)
初めての海外遠征でワールドカップ優勝候補のチームとの対戦を通じて、自分自身たくさんの課題が見つかりました。強みであるヘディングも、この大会では何度も競り負けてしまい、フランス戦もヘディングを前に返せずに失点してしまったので、もう一度見つめ直したいと思います。まだワールドカップまでの期間で改善できるところも多くあるので、毎日必死に努力したいと思います。
MF #17 山本丈偉 選手(東京ヴェルディユース)
勝てば優勝というシチュエーションの中、0-2で負けてしまったことはとても悔しいです。チームとしても個人としてもフランスというワールドカップの優勝候補相手にまだまだだと感じさせられる試合でした。この負けを成長の糧にできるようワールドカップまでの2ヶ月間、日々努力していきたいと思います。
リモージュ国際大会
大会期間:2023年9月3日(日)~9月12日(火)
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