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【Match Report】U-19日本代表 順位決定戦でU-21地中海選抜に敗れ、10位で終える 第49回モーリスレベロトーナメント
2023年06月16日
第49回モーリスレベロトーナメントのグループステージで準決勝進出を逃したU-19日本代表は15日(木)、U-21地中海選抜と9位・10位決定戦で対戦しました。本遠征の締めくくりとなる最後の試合で勝利して帰国できるようチームミーティングで城和憲監督がチームのコンセプトを改めて共有し、選手たちはピッチでやるべきことを整理し、また気持ちの面でも相手に負けないというマインドを持って会場へ向かいました。
フランス国籍の選手で構成された地中海選抜チームに対して会場に駆け付けた地元の声援が飛び交う中、ウォーミングアップを終えた選手たちに城監督は「ここまで積み上げてきたものに自信を持ってピッチで戦ってきてほしい。日本代表のエンブレムを背負って戦う以上、相手がどんなチームでも、年上であっても、我々は全ての試合に勝利を目指して本気で戦う姿勢をピッチで表現しなければならない」と伝えると、この日キャプテンマークを巻いたデューフエマニエル凛太朗選手(#23)も「最後は勝って胸を張って帰国しよう」とチームを鼓舞して試合がキックオフしました。
この日はグループステージまで用いてきた4バックの布陣から3バックで臨んだU-19日本代表。両サイドの選手が機動力を持って序盤から相手ゴールに迫ります。すると前半2分、1トップで起用された石井久継選手(#22)が相手の最終ラインとの駆け引きから味方からの絶妙なパスを収めると相手GKとの1対1を制してU-19日本代表が先制点を奪います。得点後は前掛りになる相手に対して攻撃を受ける時間帯が長く続きますが、最終ラインの選手たちが身体を張ってしのぎ、最後はデューフエマニエル選手が相手のシュートに対して立て続けにスーパーセーブを連発してチームを救います。徐々に攻撃を仕掛ける時間が長くなり、U-19日本代表の時間帯になると、前半終了間際に小池直矢選手(#11)のパスにまたしても石井選手が抜け出してゴールネットを揺らし2-0で折り返します。
2点のリードを守りながらも隙があれば追加点を奪いたいU-19日本代表は攻撃の手を緩めることなく相手ゴールへ迫っていきます。後半から交代で入った行友翔哉選手(#13)が自陣からの浮き球のパスを上手くキープすると、反転から上手く相手をいなしてペナルティエリアに侵入してビッグチャンスを迎えますが、振り抜いたシュートは相手選手が伸ばした足に当たってコースが変わり、枠を捉えることができません。チャンスを生かせずにいると、55分に自陣でのボールロストから相手に得点を許してしまいます。サポーターの盛り上がりに応えるようにU-21地中海選抜が息を吹き返すと、65分には技ありのミドルシュートを決められて同点となります。失点直後、ピッチの中央で集まりコミュニケーションを取る選手たちとベンチからポジティブな言葉をかけ続ける控え選手が一体感を持って追加点を奪いにいきます。すると失点から僅か1分後にセットプレーの流れから最後は行友選手のシュートがゴールネットに突き刺さり、スコアを3-2とします。歓喜の瞬間から選手はすぐに気持ちを切り替えて、試合の終わらせ方を意識して上手く時計の針を進めながら試合を組み立てていきますが、同点ゴールを奪うしかなくなった相手は猛攻を仕掛けます。コーナーキックでは相手GKも攻撃参加してパワープレーを仕掛けてきますがU-19日本代表もカウンターから追加点を狙うというオープンな展開となります。会場にアディショナルタイムが5分とアナウンスされるとさらに勢いを増してくる相手に対して、ペナルティエリア付近でファールを取られてFKを献上したU-19日本代表はラストワンプレーでそのFKで失点を喫し、スコアが3-3となりPK戦での決着となりました。U-21地中海選抜が先行で始まったPK戦はキャプテンのデューフエマニエル選手がゴールマウスに立ちはだかりますが、両者がGKとの駆け引きに勝ってゴールネットを揺らし続け、手に汗握る展開となります。7人連続で相手選手がゴールを決め、U-19日本代表のキッカーは最終ラインで相手の攻撃を跳ね返し続けた喜多壱也選手(#18)が蹴ります。相手GKの反則で一度はやり直しとなりますが、その後のキックがネットを揺らすことができず、残念ながらPK戦で敗戦となり、大会を10位で終えました。
各国がオリンピックチームで参戦する中、世代の若いU-19日本代表として臨んだ今回のトーナメント。城監督は「今日の敗戦をしっかりと受け止めて、フランスに来てから見たこと、感じたことを忘れずに自チームに戻ってからの日常レベルを上げてほしい。SAMURAI BLUEやオリンピック代表を目指してこれからも頑張ってほしい」とメッセージを伝え、遠征をしめくくりました。
監督・選手コメント
城和憲 監督
モーリスレベロトーナメントとして最後の試合となった順位決定戦でしたが、PK戦で敗退となってしまいました。前半からリードし優位に進めていましたが、風下になった後半にセットプレー含めて2失点。そこからすぐに逆転するまでは良かったのですが、最後のワンプレーでまたもセットプレーから失点してしまい残念な結果となりました。この大会を通じて、自分達の通用する部分、世界を相手にした時に足りない部分がより明確になりました。これを感じただけで終わることなく、これから成長していくためにはチャレンジし続けるしかありません。ここで経験したことを生かしていくためにも現実を受け入れながら本気で目指すものに対して選手、スタッフともに努力していきたいと思います。
この大会では年上の世代を相手に選手は最後まで諦めることなく戦ってくれました。今後所属チームでの活躍も期待したいですし、必ずまた日本の力になる選手になってくれることを信じたいと思います。今大会に参加するにあたり、多くの関係者のご尽力を頂きました。心から感謝申し上げます。
GK #23 デューフエマニエル凛太朗 選手(流通経済大)
優勝を目指してやってきた中で、予選は1勝2敗ととても悔しい結果になってしまい、難しいチーム状況の中、最終戦に向かうような形になってしまいました。結果も思うようにいかず3-3のPK負けというとても情けない結果で終わってしまいました。チームとしても何より個人としてもとても力の差を感じた大会になりました。最後のところで自分の甘さや力の無さを痛感させられました。どのカテゴリーであろうと日の丸をつけていることに変わりはありません。その自覚、責任や重圧を背負えるような実力が自分にはまだ備わっていませんでした。この大会を通じて「自分は変われた」とこの先言えるように、帰国してからも自分に矢印を向けて頑張りたいと思います。また必ずこの大会に帰ってきて次は必ず優勝します。
DF #3 尾崎凱琉 選手(大阪桐蔭高)
前半に2点を先制し、ピンチもたくさんある中、チーム全員で守って2点をリードして後半へ入りましたが、自分たちの甘さが出てしまいラストプレーで追いつかれPK戦で負けてしまいました。今日の試合を含め、この大会を通して様々な面で個の部分での世界との力の差を痛感させられました。しかしそれが現実なのでしっかりと受け止め、これを日本に持ち帰り自分の成長に繋げて世界を圧倒できる力をつけます。
DF #20 永田滉太朗 選手(横浜FCユース)
今回の遠征を通して、個人的には何もできなかった、やらせてもらえなかったというのが率直な感想です。国を背負って闘ってるという自覚がなかった訳でないですが、まだ足りませんでした。技術もそうですが、それ以上にフィジカルで完敗でした。フィジカルに関しては相当やってきたと自負していましたが、圧倒的な差を感じました。自チームに帰ってサッカースキルはもちろん、フィジカルとメンタルに真剣に向き合っていきたいと強く思いました。そして、次に世界を相手にした時には、圧倒できるような選手になって帰ってきます。このような素晴らしい経験をさせていただいた、チームメイト、スタッフ、関係者の方々に感謝します。
FW #22 石井久継 選手(湘南ベルマーレU-18)
僕たちは優勝を目指して取り組んでいましたが、準決勝には進めませんでした。ですが、スタッフの方々、チームメイトとの絆も深まっていき、悔しさが強い中でも目の前の最後の一戦、順位決定戦に向けてしっかり準備しました。絶対勝って、1つでも順位を上げて終わりたい試合でした。仲間のおかげもあり、2得点することができましたが、勝ちきれず悔しい終わり方をしました。悔しさ、喜び、全部自チームに持ち帰り、自分の成長がいつか自チームや日本の[勝利]に必ず繋がるよう、日々精進し努力し続けます。
第49回モーリスレベロトーナメント
大会期間:2023年6月5日(月)~6月18日(日)
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