オリンピック日本代表チームは8月10日(水)、リオデジャネイロオリンピックのグループB最終戦でスウェーデンと対戦。途中出場のMF矢島慎也選手（ファジアーノ岡山）のゴールで1-0の勝利を挙げましたが、勝点1及ばず、準々決勝進出はなりませんでした。

グループ2位通過したのはコロンビアで、すでにグループ1位での突破を決めていたナイジェリアを2-0で下して勝点を5に伸ばし、8強入りしました。

日本は第2戦のコロンビア戦から3人を入れ替えて、息の合ったコンビネーションでコロンビア戦後半の攻撃を牽引したMF大島僚太選手（川崎フロンターレ）とMF南野拓実選手（ザルツブルク）、途中出場した第2戦で思い切った攻めも見せたDF亀川諒史選手（アビスパ福岡）を左サイドバックに起用。FW興梠慎三選手（浦和レッズ）と2戦連続得点中のFW浅野拓磨選手（アーセナル）を前線に置く4-4-2の布陣でスタートしました。

日本は立ち上がりからパスをつないで組み立て、前線にスルーパスを通そうと試みますが、スウェーデンは負傷欠場のDFニルソンに代わって先発したDFウネラーションが最終ラインで存在感を発揮します。日本は19分にCKから南野選手のクロスを受けた大島選手がダイレクトでゴールを狙いますが、ボールは枠の外へ流れます。

前半最大のチャンスは32分、南野選手からのパスを受けた興梠選手が左足を振り抜きますが、相手GKに阻まれます。その直後のCKから、南野選手が上げた右クロスをファーサイドでDF植田直通選手（鹿島アントラーズ）が頭で合わせましたが、これも相手GKに止められました。

スウェーデンはオーバーエイジ枠で出場のFWアイダレビッチ選手を中心に攻撃を試み、30分にMFフランソン選手がシュート。前半終了間際にはアイダレビッチ選手が右サイドのFKからゴールを狙いますが、GK中村選手を中心に守備陣が対応。ゴールを割らせません。

前半を0-0で折り返すと、日本は後半開始から攻勢をかけ、相手DFの裏のスペースを狙ってチャンスを作ります。56分には浅野選手のクロスを受けた興梠選手が左サイドからシュートを放ちますが、ボールは枠の外に流れました。

日本は60分過ぎに浅野選手に代えてFW鈴木武蔵選手（アルビレックス新潟）を送り出し、63分にはCKの流れから鈴木選手がゴールを狙いますがGKに止められます。

先制点は65分でした。MF大島僚太選手（川崎フロンターレ）がドリブルで持ち上がり、左サイドからマイナスの折り返しを送ると、「クロスには入っていこうと思っていた」という矢島選手がゴール前に飛び込んで右足で決めました。

日本はその後も攻め手を緩めず、3分後にはDF塩谷司選手（サンフレッチェ広島）のヘディングがクロスバーを叩き、さらにその2分後、亀川選手の左クロスに矢島選手が頭で合わせますがゴールネットを揺らすことはできません。87分にはMF中島翔哉選手（FC東京）が縦パスを捉えてゴールを狙いましたが得点にはならず、1-0で試合終了。1勝1分1敗の3位で大会を終えました。

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監督・選手コメント

手倉森誠 オリンピック日本代表監督
グループ突破は他会場の結果次第でしたが、この試合に勝ちきれたらなにかが起こるのではと期待していました。チームが向上した中での敗退は、非常に残念だし受け入れ難いと感じています。このチームの可能性や、中2日、中3日と続く大会での日本のしぶとさをここから見せられたのではないかと思うと、本当に悔しいです。足りなかった点は後で分析しますが、世界大会に来て1戦目と2戦目に運がなかったかなと思います。
やり方次第で選手は成長できますし、日本の（ボールの）持ち方、仕掛け方が確立しつつあるのではないかという手応えも覚えています。この年代のストロングポイントを磨けば育成年代でも世界とも対等に戦えると感じたからこそ、勝って終って悔しいと思っています。選手には「お疲れ様、ありがとう」と伝えました。世界を経験していない選手と監督が巡り会って世界を経験できて本当に感謝しています。今後はA代表に絡んでほしいと思います。

MF #9 矢島慎也 選手（ファジアーノ岡山）
大島選手から良すぎるぐらいのパスが来て当てるだけでした。点を獲った時は本当にうれしかったのですが、初戦も2戦目も悔いが残る試合だったので、終わった時は悔しかったです。初戦が大事だと痛感させられました。この経験を無駄にしないように、ここから個人的に這い上がっていきたいと思います。

FW #13 興梠慎三 選手（浦和レッズ）
日に日にチームがよくなってきていたので、このメンバーでまだやりたかったのが正直な気持ちです。この悔しさをチームに持ち帰って次はＡ代表でみんなに会えるように頑張りたい。オーバーエイジで参加して楽しくやれましたし、悔いのない3試合でしたが、それが結果に結びつかず、残念です。

FW #16 浅野拓磨 選手（アーセナル）
前の試合で点を獲っておかなければいけなかったですし、僕自身チャンスがたくさんある中で決めきれず、チームに迷惑をかけてしまいました。そこを課題として取り組んでいきたい。これから海外で挑戦する上で、ここで経験できたことは必ず生きると思います。A代表に定着して結果を残す選手になっていきたいです。

MF #3 遠藤航選手（浦和レッズ）
（最終）結果を聞いて悔しさがこみあげてきました。もっと試合をしたかったです。初戦5失点は痛かったし、コロンビア戦も勝ち切れた試合でした。ちょっとした差が世界との差なのかと感じますし、これも自分たちの実力という結果を受け止めなければいけないと思います。また、これが自分たちの今の実力なのかなと感じます。

DF #5 植田直通 選手（鹿島アントラーズ）
最後は何が何でも無失点でという気持ちもありました。大会敗退には悔しさはありますし、第1戦の失点の多さに悔いが残ります。A代表でこの大会の借りを返したいという思いも芽生えていますし、そこにいくためにももっと成長したいと思います。

田嶋幸三J FA会長
選手を育ててくれた指導者、関係者の皆さん、リーグ戦開催中に選手を出してくれたJリーグと海外クラブに感謝します。残念ながらグループリーグ突破はなりませんでしたが、最後は勝って終われたこと、様々なミスを乗り越えて全力を出して戦ったことは分かってもらえると思います。この経験を絶対忘れずに自分のチーム、将来の代表につなげてほしいと思います。

スケジュール

※時間はすべて現地時間。
※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。