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【U-24日本代表 リスタート】板倉滉選手「日本代表は全ての試合で勝たなければならない」~SAISON CARD CUP 2021~
2021年03月12日
3月26日(金)、29日(月)に行われるSAISON CARD CUP 2021で、U-24日本代表は東京オリンピックに向けて本格的にリスタートを切ります。それぞれの所属先で成長し、1年3ヶ月ぶりの対外試合に向けて集うことになる選手たち。ここでは、SAMURAI BLUE(日本代表)の一員として昨年10月、11月の欧州遠征にも参加していた板倉滉選手(FCフローニンゲン)をご紹介します。
若い頃から、苦しんでいる時こそ前向きな男だった。川崎フロンターレU-18からトップチームに昇格。2年目にJリーグの舞台に立つと、翌2017年にはFIFA U-20ワールドカップ出場を果たした。だがプロの世界に入って以降、決してチームの中心にいたわけではない。それでも、誰に対しても分け隔てなく接することができる性格は、周囲を照らし、チームを前進させる一助を担っていた。
自身の力を示し始めたのは、前述のFIFA U-20ワールドカップからだ。世界大会での経験を糧にプレーの質が向上。翌年には出場機会を求めてベガルタ仙台へ期限付き移籍し、リーグ戦24試合に出場した。もともと持っていた高い技術に加え、身体能力を生かしたディフェンスで存在感を発揮すると、このパフォーマンスが名門の目に留まった。シーズン終了後の2019年1月、イングランドのマンチェスター・シティーに完全移籍したのだ。しかし、労働許可証の関係でオランダのFCフローニンゲンに活躍の場を移すこととなる。
欧州に渡って以降、少しばかりの間、板倉の名前を聞くことがなくなった。冬の加入とあってすぐに監督の信頼を勝ち取ることができず、1試合もピッチに立つことのないまま最初のシーズンを終えることになってしまった。
「ピッチで戦える選手でなければ試合に出られないとすごく感じました。特にフローニンゲンの監督は戦うところ、守備のところを重点的に見ている。守備に対する考え方は日本にいるときと大きく変わったと感じています」
オランダでの2シーズン目はリーグ開幕戦で先発出場を飾り、好スタートを切ったように思われたが、リーグ戦17試合に出場した時点で出場機会が減ってしまった。苛立ちやネガティブな感情を持ったとしても不思議ではない。だが、板倉はやはり前向きだった。
「やり続けるしかない、となりましたね。どうにか監督に認めてもらえるようにならないといけない。とにかくチームメートにも負けないぞという気持ちを出しながらやっていました」
その結果、終盤戦に再び信頼を勝ち取り、最終的にリーグ戦22試合に出場。今シーズンは開幕戦からチームの中心選手の一人としてプレーし、フル出場を続けている(第25節終了時)。
昨シーズンは、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるシーズン中断も経験した。これまでサッカー一筋でやってきた選手にとって、大好きなサッカーを奪われた感覚もあっただろう。ただ、困難なときこそポジティブに考えるのが板倉である。
「昨年はリーグ戦が途中で中断となり、それこそ東京オリンピックも延期になってしまった。ただ、あの時期を振り返ると、そういう状況になったことは仕方がないことだし、個人ではどうすることもできない。だから、いつまた始まってもいいように良い準備をしようということだけを考えていました」
個人としては東京オリンピック、そしてSAMURAI BLUE(日本代表)の一員として飛躍したい1年だったに違いない。だが、結果として起きたことは仕方ないと、自分の立ち位置を見ながらしっかり前に進む姿がある。今後、SAMURAI BLUEの活動やU-24日本代表の活動が増えていく中で、両方の中心的な選手になっていきたいと意欲を示す板倉は、代表のユニフォームに袖を通す重みについて、こう口にした。
「日の丸を背負い、日本を代表して戦う中で、負けていい試合は一つもない。やはり代表チームは全ての試合で勝たないといけない集団だと思っています。その緊張感を味わえるのも、日本を代表して戦えるのもすごく幸せなこと。自分が少しでも調子を落としたり、気を抜いたりしたら、すぐに入れ替わる場所でもある。今後も試合に出続けられるように、今は所属チームで頑張ることが一番だと思います」
どんなときでも前を向き、ポジティブに歩んできた男は、「特別な場所」と語る代表での活動に向け、オランダで研さんを積んでいる。
※3月26日、同月29日の「SAISON CARD CUP 2021」で販売される公式プログラムにて板倉滉選手のインタビュー(本インタビューとは別バージョン)を掲載します。
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