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【Match Report】なでしこジャパン、ブラジルとの国際親善試合第1戦で惜敗
2023年12月01日
なでしこジャパン(日本女子代表)は11月30日(木)、ブラジル・サンパウロのNeo Quimica ArenaでFIFAランキング9位のブラジル女子代表との国際親善試合を行い、3-4で敗れました。
10月から11月にかけて行われた女子オリンピック サッカートーナメント パリ 2024 アジア2次予選に続き、池田太監督は1-4-3-3のフォーメーションを採用。GKに平尾知佳選手、最終ラインは南萌華選手と初選出の古賀塔子選手がセンターバックを組み、左サイドバックに遠藤純選手、右に清水梨紗選手が入って4バックを形成。アンカーに熊谷紗希選手、インサイドハーフには長谷川唯選手と長野風花選手が並びます。前線は左に宮澤ひなた選手、右に藤野あおば選手、センターフォワードには植木理子選手が入りました。
気温30度を超える好天の下、スタンドにはブラジルのユニフォームを着たサポーターが多く詰め掛け、現地時間の午後3時過ぎにキックオフの笛が鳴りました。
セットプレーや個人技で変化をつけるブラジルに対し、日本はコンパクトな陣形で守り、テンポよくパスを回して縦に速い攻撃を目指します。一進一退の攻防が続く中、均衡を破ったのは日本でした。38分、左サイドのスペースで遠藤選手のパスを受けた宮澤選手がダイレクトでクロスボールを入れると、中央で植木選手と藤野選手が相手を引きつけてスルー。フリーになった長谷川選手の折り返しを藤野選手が右足で蹴り込んで先制に成功します。しかしその3分後、日本はペナルティーエリア手前で与えたFKをBeatriz Zaneratto選手に直接決められ、試合は振り出しに。
1-1で迎えた後半、日本は交代で石川璃音選手と清家貴子選手を投入し、右サイドを活性化します。49分には清家選手のクロスボールに抜け出した植木選手がゴールに迫り、55分には長野選手がミドルシュートを放ちました。
しかし、その後は暑さと30時間を超える移動の疲れもあってか日本のミスが目立つようになり、61分、バックパスを奪われてGabrielle Jordao選手に勝ち越しゴールを許します。さらに、その2分後にも最終ラインの連係ミスから失点。押せ押せムードのブラジルは、65分にFIFA女子ワールドカップ歴代最多得点のレジェンド、マルタ選手がピッチに登場すると、スタジアムが大きな歓声に包まれました。
日本は68分に田中美南選手と初選出の谷川萌々子選手、79分には中嶋淑乃選手をピッチに送り出して反撃を試みます。すると84分、田中美南選手とのワンツーパスで抜け出した谷川選手がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得。これを遠藤選手が決めて1点差に迫ると、88分には清水選手のクロスボールに田中美南選手が左足のアウトサイドで合わせる技ありゴールで同点に追いつきます。
しかし、アディショナルタイムにルーズボールを奪ったブラジルは、Priscila Flor選手が鮮やかなゴールを決めて勝ち越し。日本の反撃も及ばず、3-4で敗れました。
ブラジル女子代表との第2戦は、12月3日(日)にCicero Pompeu de Toledo Stadiumで行われます。
監督・選手コメント
池田太 監督
まずは勝利したブラジル女子代表におめでとうと伝えたいです。我々の選手も短い準備期間でのコンディションながら最後まで走りきり、一時はビハインドを追いつく戦いをしてくれました。結果は悔しいですが選手の戦いぶりについては称えたいと思っています。来年のオリンピック最終予選に向けて試せた部分もあったので、充実したゲームとなったことは事実です。先月のブラジル対カナダの試合を見ていて、ブラジルはアグレッシブにプレッシャーを掛けてきたり、攻撃の選手は自分たちでお互いにスペースを作りそこを使うプレーをしてくる、またボール奪取後にゴールに進む力強さがあると感じていました。我々としてはコンパクトにしながら相手の攻撃を制限して、ピッチの中央でボールを奪うプランニングでゲームをコントロールしていこうという考えてこのゲームに入りました。最初は中盤のブロックを作っていましたが、スコアが1-3になり、給水タイムくらいからはウイングも含めた前線の3人で相手の4バックにしっかりプレスを掛けにいこうと話しました。後ろのリスクもありましたが攻撃的に切り替えて、そこから2点を返せたので、そういった変更に選手がしっかり反応してくれたこと、プランに対する実行力は今日の試合で得たものの一つです。
FP #2 清水梨紗 選手(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)
お互いにタフに90分間を通して動いた中で、自分たちに詰めの甘さがあったことはチームとしての課題です。2点差から3-3に追いついて流れが良くなったところで最後に失点した場面でも、個人的にはもう少し寄せられた思います。試合がすぐにあるので、課題に対して自分たちのチャレンジができますし、もう一度コンディションを良くして次の試合に臨みたいです。もともとブラジルの選手はパワーがありますが、そのうえでも今まで感じたことのない脚の伸び方をしてくる、独特の間合いを自分自身も感じました。立て続けに失点してしまったところは、1-2になった時にいったん落ち着いてからキックオフをしても良かったかなと私の中の反省としてあります。DFの自分としては4失点は一番の反省点ですし、3日後にまた素晴らしいスタジアム、素晴らしい相手と試合ができるので、回復に努めながらチーム全員でコンディションを良くして戦いたいです。
FP #7 宮澤ひなた 選手(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
常にボールを支配できるとは最初から思っていませんでしたが、守備で相手にプレッシャーにいききれないところもありました。ただしっかりチームとして戦えていたという感覚はあって、失点後も誰も焦っていなかったですし、スペースを見つけて一手先を見ながらプレーできていたと思います。失点が続いてしまったのが大きかったと振り返って思いますが、2点差を追いつけたことはチームとして成長しているところだと思います。ただ今後もっと勝ち進むためにあそこから勝ちきらないといけないと思いますし、悔しいゲームでした。相手の4点目が決まった後、相手は全部を使い切ったというくらい倒れていました。自分たちが力を出し切らなかった訳ではないですが、本当に最後は執念だなと思います。失点してから立て直せず、一気に流れを持っていかれた感じが強かったので、相手の勢いを逆手に取るくらいに自分たちもゴールに迫っていかなければいけなかったと、前線の選手としてすごく責任を感じます。2敗して終えたくはないですし、次はしっかり勝ちきりたいです。個人的にもしっかり得点してチームの勝利に貢献したいです。
FP #12 古賀塔子 選手(JFAアカデミー福島)
試合の入りは少し緊張があって自分が硬いなと感じていて、ビルドアップも少し消極的にすぐバックパスしてしまう場面が何度かありました。ただ守備で一度ボールを相手から奪ってからは自分のプレーが出せたかなと思いますし、自分より身長が高くて脚も伸びてくる相手に対して、しっかり守るというところは通用したかなと思います。自分たちは後ろから繋いでビルドアップしていこうとしているので、今日のブラジルのように相手が前から来ても恐がってバックパスをしていてはいけませんし、そこで自分が一枚剥がすことで前の選手はよりフリーになるので、そういうプレーをもっと自分ができるようになりたいです。今日も相手の動きを見ながら途中からは自分の前に空いたスペースに持ち運んで縦へのパスは入れられたかなと思います。今日の試合を経てまた少し自信が付きましたし、守備ではより粘り強く、攻撃では味方がより楽になるパスを入れられるようにこれからも取り組んでいきたいです。
FP #15 藤野あおば 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
個人として得点できたことはすごくよかったですし、クロスに入っていくことはワールドカップ前から個人的に課題にしてきたことなので、良いポジションを取れていたことは前向きなことだと思います。ただ相手をちゃんと見てから判断すべき場面もありましたし、出場した45分間のなかでシュート1本というのは、個人的にミドルシュートも長所として持っていることを考えるともっと脚を振っても良かったかなと思います。4-3-3のフォーメーションはワールドカップの時よりサイドバックとの関係性が大事なポイントの一つで、サイドバックの上がりを生かせる場面が多くなるなと個人的に考えています。今日は(清水)梨紗さんとの距離感や上がるタイミング、自分にボールが供給されたときのサイドのスペースはいつもより把握する意識を高くしていました。フィジカルコンタクトがすごく強い相手だった中で、自分で剥がすというよりも周りとの距離感を良くしてワンタッチでプレーできるポジションを意識していましたが、よりダイレクトプレーもあっても良かったかなと思います。
国際親善試合
2023年11月30日(木) 15:15 キックオフ予定(日本時間 12月1日(金) 3:15)vs ブラジル女子代表
会場:Neo Quimica Arena(ブラジル/サンパウロ)
2023年12月3日(日) 11:00 キックオフ予定(日本時間 12月3日(日) 23:00)vs ブラジル女子代表
会場:Cicero Pompeu de Toledo Stadium(ブラジル/サンパウロ)
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