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ベレーザと浦和が決勝へ 第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会
2014年12月29日
第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会は12月28日(日)、東京・味の素フィールド西が丘で準決勝2試合を開催しました。
準決勝 第1試合
日テレ・ベレーザ(なでしこ/東京) 2-0(前半1-0、後半1-0) ベガルタ仙台レディース(なでしこ/宮城)
準決勝第1試合、先にペースを握ったのは仙台でした。序盤から前に出る意欲を見せ、ベレーザ陣内でプレーを進めます。7分にペナルティーエリア右に流れた浜田遥選手が鋭いクロスを送り、24分には上辻佑実選手のFKがベレーザゴールの左ポストを叩きます。
一方、劣勢を無失点でしのいだベレーザも徐々に流れをつかみ、30分、仙台のゴール前で細かくパスをつなぎ、最後は長谷川唯選手が右足シュートでゴールネットを揺らします。長谷川選手にとって今大会3戦連続となるゴールはチームに落ち着きをもたらしました。後半に入ると前線から素早く相手を囲い込み、仙台にボールを運ばせません。攻めては少ないタッチでのパスが小気味良くつながり、79分にはオウンゴールで点差を広げます。阪口夢穂選手が送ったロングボールを仙台DFがヘディングでバックパス。これがGKとの意思疎通を欠き、そのままゴールへと入りました。後半、仙台のシュートを2本に抑えたベレーザが、5大会ぶりの決勝進出を果たしました。
準決勝 第2試合
浦和レッズレディース(なでしこ/埼玉) 3-1(前半0-0、後半3-1) ジェフユナイテッド千葉レディース(なでしこ/千葉)
準決勝第2試合では、今季のなでしこリーグを制した浦和を相手に、千葉は序盤からビッグチャンスをつくります。5分、右クロスに菅澤優衣香選手がヘディングで合わせ、その1分後にも菅澤選手がドリブルでボックス内に切れ込み、DFをかわしてシュートを放ちますが、ともにわずかにゴール左へそれました。
浦和はサイドに速く展開して打開を試みますが、なかなかシュートにまで持ち込めません。そんな状況で輝いたのは後半開始から出場していた18歳のFW、清家貴子選手です。69分、敵陣右サイドでボールを受けると、ドリブルで長い距離を一気に持ち上がり、ペナルティーエリアへと突入。そのままシュートに持ち込み、ゴール左に決めました。さらにその4分後、GK池田咲紀子選手が大きく蹴り出したボールに反応すると、飛び出してきた千葉GKよりわずかに先に触れ、リードを3点に広げます。
劣勢に追い込まれた千葉も右サイドの安齋結花選手のドリブルなどでゴールを狙い、試合終了間際にはCKから最後は深澤里沙選手が押し込みますが、反撃もここまで。3-1で勝利した浦和が決勝へと勝ちすすみました。
日本一を争う決勝は2015年1月1日(木・祝)、14時15分に東京・味の素スタジアムでキックオフ。浦和とベレーザの顔合わせは第31回大会(2009年)決勝の再現となります。
監督・選手コメント
寺谷真弓 監督(日テレ・ベレーザ)
相手が高さとスピードを生かして前線にボールを入れて圧力をかけてくる中で、主導権を先に握れなかったことは課題だと思います。ただし、自分たちでボールを持てずリズムをつくれない時間に、よく耐えてしのぎました。後半はうまくボールを動かして、良いタイミングでゴールを奪えました。苦しい中で勝ち切ったことは評価したいです。長谷川(唯)は世界大会に行っている時期を除き、ほぼリーグ全試合に出ていながら無得点だったので、リーグ終盤に「これだけ出ていて点が取れないのはどういうことなのか」とさんざん言いました。その悔しさを皇后杯にぶつけて、3試合連続で点を取っているのかもしれません。
千葉泰伸 監督(ベガルタ仙台レディース)
ベレーザは技術レベルが高く、しっかり攻撃を組み立ててくるので自分たちはコンパクトに陣形を組んで、バイタルエリアのスペースをうまく消しながらサイドに追い込んで守備をしようとしました。前半はうまくできましたが、後半には足が止まり、ミスが多くなりました。仙台には寒波が来ており、今週は2回しかグラウンドで練習ができませんでした。コンディション調整が難しく、ボールを動かされたことで疲労が蓄積したのだと思います。選手たちが全力を尽くした中での敗戦に悔しさもあるかと思いますが、精一杯戦った結果ですので、それほど悲観することはないと考えています。
清家貴子 選手(浦和レッズレディース)
後半開始から出場するとは思っておらず、(起用されると知ったときは)少し驚きましたが、自分の長所である裏への飛び出しを意識しようと思っていました。自分が入るとみんなが相手の最終ラインの裏にボールを出してくれるので、それに応えるプレーをしたいと思いました。1点目は、先制した後で相手が前掛かりになっていたので、裏のスペースが空き、うまくドリブルできました。2点目は、ハーフタイムに(GK池田)咲紀子さんから「私がパスを出せるようだったら蹴るから走って」と言われた通りの形になり、それがゴールにつながりました。元日に公式戦を戦うのは初めてなので、楽しみたいと思います。
櫻本尚子 選手(ジェフユナイテッド千葉レディース)
私たちらしく積極的にプレスをかけて戦おうと思っていました。前半は高い位置でボールを奪い、シュートに持ち込むことができましたが、決め切る力が足りませんでした。後半、相手がスピードのある清家選手を投入したことによって裏を取られる場面が増えました。プレスに行っても長いボールで頭上を越され、苦しい戦いになりました。リードを奪われた後、リスクを冒してゴールを狙った結果、何とか1点を取り返すことができましたが、相手のリードが最後まで重くのしかかりました。それでも、前からのプレスなど、今年1年を通じて手応えを得た部分はあるので、来年以降につなげていきたいです。
第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会
2014年11月29日(土)~2015年1月1日(木・祝)
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