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第9回JFAレフェリーキャラバンを福岡県で開催
2016年01月08日
第9回目となる「JFAレフェリーキャラバン」を、九州のトップを切って福岡県のフットボールセンターで開催しました。現状の課題に応じ、テーマは「技術と審判との協調」、「3級審判インストラクターとU-22・U-20審判員のパフォーマンスの向上」としました。柏原インストラクター、木村プロフェッショナルレフェリーも参加し、福岡県の2級審判インストラクターが3級審判インストラクターに指導する場を設定し、コーチング理論の実践も行いました。
今回は泉審判委員長の協力のもと、井手福岡県技術委員長、安信J-18リーグ実行委員長、井上国体スタッフ、手嶋ギラヴァンツ北九州コーチの4名が参加し、「技術と審判の協調」プログラムとして、審判員の映像によるレフェリング指導をともに行い、ディスカッションを行いました。技術系のインストラクターのゲームやレフェリングのとらえ方、見方は参加者にとって大いに参考になるものです。今後も定期的に技術との交流の機会を持つという「きっかけ作り」のひとつとなりました。また山岸フィジカルトレーナーは、「攻撃側の12番目の選手になる」ということを予期・予測し、選手の動きに同調させながらレフェリングすることを意識して取り組むよう強調していました。
インストラクターコメント
小幡真一郎 JFA審判委員会副委員長
福岡県は元来サッカーどころであり、多くの優秀な1級審判員を輩出しているだけに、参加された審判指導者は非常に理解が早く、行動も積極的で、豊かな学ぶ力や磨く力などを発揮していただきました。U-22やU-20の審判員はフィジカルの強さやポジティブな姿勢など飛躍の可能性を十分秘めていると感じました。我々指導者は、審判員がさらに自立、自律できるように、コーチングの考え方、「インタラクティブ 双方向」「テーラーメイド 個別対応」「オンゴーイング 行動・確認・修正」などを実践し、審判員に話させて、自ら気づかせ、自ら改善策を見つけさせていきたいです。つい良かれと思い、指導者が先に答えや結論を示して、審判員の自発性の芽を摘んでしまいがちです。言いたいことを少し我慢し、審判員から引き出す質問力(オープンクエッション)を高めていきたいものです。
今回のキャラバンで、聞くだけ、見るだけでなく、やらせてみる、話させることがさらなる理解に繋がることになることを体感していただいたと思います。まずは行動を始めてみて、その結果と方向性を確認しながら、次の行動に移していくということを習慣化することが大切です。福岡県は継続的に、力を合わせて取り組むことができるサッカー協会だと確信しています。
受講者コメント
泉弘紀 福岡県サッカー協会審判委員長
11月21日(土)と22日(日)の二日間にわたってJFAレフェリーキャラバンを福岡で開催することができました。福岡では昨年度、県技術委員長の井手春芳氏が3級審判インストラクターの資格を取得するなど、「技術と審判の協調」が組織的に広く、深く進行しつつあります。これを受け、初日には「技術と審判の両面から見る若手審判への指導」を軸に、また二日目には「若手審判員へのフィジカル面の強化」を目的に、プラクティカルトレーニングもフィジカル面の強化をテーマとして山岸氏にご指導いただきました。柏原氏、木村氏には、若手審判員へ直接審判活動の魅力等を伝えていただき、多くの刺激を与えていただきました。
本会を「ここからがスタート!」という言葉で締めたように、まさにこのキャラバンをスタートに県審判委員会としても、JFA審判委員会の指導方針を踏まえながらさらなる進展を深めていかなければいけません。もう一度、この二日間をふり返りつつ、福岡県として、まだまだ多くの課題を抱えていることも含め、皆様の協力のもと向上展開をはかっていかなければと考えています。参加いただいた福岡県技術委員会の方々、審判員、指導者の方々、福岡県サッカー協会事務局の皆様、その他多くの方々の協力のもと本会が成功できました。感謝しています。
手嶋俊介 3級審判インストラクター/JFA公認B級コーチ
審判の目線での感じ方を知ることができたこと、その考え方に共感することができ、大きな経験となりました。実際に選手としてプレーしていたときは、審判の気持ちを考えたことなどなく、自分勝手な要求ばかりし、選手の観点からしか考えていませんでした。しかし、指導者となって審判をする機会が多くなり、審判の方々の大変さを知りました。今回参加してみてわかったのは、審判員が僕たち指導者と志が全く一緒だということです。全ては選手のために、と審判員の方々は日々、努力をされています。試合のための準備、試合中、そして試合後の反省会などでもです。僕たち指導者も日々、試合のための準備や選手の将来を見据えてトレーニングをしています。
手と手を取り合って、もっと日常の中で「同志」として気軽にサッカーのことを話せる関係性を築いていきたいと思います。互いがリスペクトし、聞く耳を持ち、要求し合うことが、試合の質の向上につながり、選手のためになると思いました。この活動で感じたことを周りの指導者の方々に伝播していくのがこれからの僕の使命だと思っています。また機会があれば参加したいですし、他の指導者にも参加してもらいたいです。
前田理行 2級審判員
キャラバンでの内容は、どれも新鮮なものばかりで多くのことを吸収することができました。1日目はレフェリング分析で見た映像を「技術の資格を持つ審判インストラクター」、「審判員」、そして「インストラクター」で、ディスカッションをしました。ファウルの判定ひとつをとっても、審判員と技術の方々とでは、見方、感じ方、考え方が異なっていることが分かりました。これらのギャップを少しでもなくすために、試合後にチームのスタッフと話し合う機会を設け、互いに協調していくことが大切だと感じました。2日目はプロフェッショナルレフェリーの木村さんから「審判の魅力」についてお話いただき、サッカーの魅力を引き出すためには、選手とコミュニケーションを取る際に、自分の考えだけを押し付けるのではなく、選手がどんな答えを求めているのかを常に考えることが大切だということを教わりました。
その後行われたフィジカル・プラクティカルトレーニングの理論・実践では、攻守が切り替わった後、次の争点に行く動きを早くするためには、レフェリーが12番目の攻撃選手となり、常にゲームの流れを深く読むことが重要であることを、身をもって知ることができました。学んだことを今後の試合で実践し、試行錯誤を繰り返していくことで、レフェリングの技術を向上させていきたいと思います。最後になりましたが、今回のJFAレフェリーキャラバンを開催していただいたJFA関係者、並びに福岡県サッカー協会の皆様、また貴重な経験をさせていただいたことに感謝しています。
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