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浦和レッズ、初の3度目のアジア制覇へ ~AFCチャンピオンズリーグ2019~
2019年11月21日
史上初となる3度目のアジア制覇にあと一歩に迫っている浦和レッズは、11月24日(日)のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2019決勝第2戦でサウジアラビアの強豪アルヒラルをホームに迎えて、第1戦0-1からの逆転勝利で2007年、2017年に続く優勝を目指します。大一番を前に、浦和の今大会の歩みを振り返ります。
今大会では出場した日本勢4チームのうち、グループステージを突破したのは前回大会優勝の鹿島アントラーズ、サンフレッチェ広島、そして浦和の3チーム。その中で、浦和はシーズン途中での突然の監督交代や、韓国の全北現代モータースと中国の広州恒大という2度のACL優勝経験を持つ強豪などとの対戦を乗り越えて、決勝へ進んできました。
昨年の天皇杯覇者として今大会の出場権を獲得した浦和がグループステージで対戦したのは、近年力をつけていてハードワークが光るブリーラム・ユナイテッド、昨季の中国FAカップに優勝して4年ぶりに出場の北京国安、全北現代でした。
3月6日にホームで迎えた開幕戦でブリーラムと対戦。DF槙野智章選手、MF橋岡大樹選手の2ゴールで3-0と快勝して好スタートを切ると、一週間後の13日にはアウェイでの北京国安戦を0-0で引き分けて、ホームで勝ってアウェイで勝点1を得るという望ましい展開を見せます。
しかし、3戦目、4戦目にグループステージ最大の難敵と見ていた全北現代に苦戦。ホームでの3戦目を、交代出場のFWアドリアーノ選手に77分に決められて0-1で落してしまいます。
アウェイでの4戦目ではMFリカルド・ロペス選手に12分に、韓国代表FWキム・シンウク選手(現・上海申花)に後半早々に得点を許して2点を追う展開になります。FW興梠慎三選手が58分に今大会初ゴールで1点を返したものの、追加点を奪えずに1-2で敗れて2連敗。順位も3位に後退し、2位に浮上した北京に勝点3差を付けられてしまいました。
グループステージ突破に勝点3が必要な浦和は5月7日の第5節、暑さもあるタイに乗り込んでブリーラムと対戦し、興梠選手が開始3分で先制します。10分後に1-1にされますが、23分にMF武藤雄樹選手が今季初ゴールで均衡を破ると、浦和は攻守に積極的な姿勢を崩さず2-1で勝利を収め、順位も再び2位に浮上しました。
第5節で全北が首位でグループステージ突破を決めたため、5月21日の最終節は勝点で並んだ北京と残り1枠をかけた戦いになりました。
この対戦をホームで迎えた浦和は、前半13分で負傷したMF柏木陽介選手に代わってピッチに立ったMF長澤和輝選手が34分に先制します。優勝した2017年大会でも活躍した長澤選手は攻守に存在感を発揮。41分には武藤選手がACL 2戦連続ゴールとなる追加点を決めて前半で2-0にします。そして終盤には興梠選手が大会3戦連続得点をマークして、浦和が3-0で快勝。2位で2年ぶりのノックアウトステージ進出を決めました。
突然の監督交代
ところがその一週間後の5月28日、浦和はJリーグでの成績不振でオズワルド・オリヴェリラ監督を解任し、前ヘッドコーチの大槻毅氏を後任とする人事を発表。ノックアウトステージ1回戦のラウンド16まで約3週間というタイミングでした。
大槻監督は、2018シーズン途中にも成績不振で解任された堀孝史監督に代わって暫定監督として指揮を執り、リーグ戦3勝1分無敗でオリベイラ監督につないだ実績を買われての抜擢で、チームは新指揮官の下でリーグ戦の立て直しを図りながら、グループHを首位突破した韓国の蔚山現代とのラウンド16での対戦を迎えました。
ホームで行われた6月19日の第1戦で、浦和は約3ヵ月ぶりに公式戦で先発したFW杉本健勇選手が37分に先制しましたが、リードは長く続かず、42分にパスを奪われるミスからFWチュ・ミンギュ選手に同点にされ、81分にFWファン・イルス選手に決勝点を決められて、相手に先勝を許してしまいました。
しかし、浦和は6月26日、アウェイに乗り込んでの激しい雨の中での第2戦で、エースの興梠選手が躍動。41分と80分の2得点を挙げ、MFエヴェルトン選手も87分に追加点を奪って3-0で勝ち、2戦合計を4-2として8強に進出しました。
その後約2ヵ月のブレークを挟んで再開された大会の準々決勝で、浦和は中国強豪の上海上港と対戦。2017年の準決勝以来の顔合わせでした。
アウェイで迎えた8月27日の第1戦で、浦和は開始3分に槙野選手が先制を奪い、30分には興梠選手が追加点を上げて2-0とし、攻守に試合を支配して前半を終えます。しかし後半、上海がシステムを変更して猛攻を仕掛けて49分、71分に浦和のハンドを誘い、2本のPKを元ブラジル代表FWフッキ選手が決めて2-2に追いつかれました。
9月17日にホームで行われた第2戦、浦和は39分に興梠選手のACL 3戦連続4得点目となるゴールで先制。後半、フッキ選手を出場停止で欠きながらも反撃を仕掛ける上海に60分に同点ゴールを許して1-1で終え、2戦合計を3-3とされますが、浦和がアウェイゴールで上回り、4強に駒を進めました。
興梠選手の日本人最多得点とチームの堅守
準決勝では、鹿島を破って2015年大会以来の4強進出を決めた広州恒大は元イタリア代表のファビオ・カンナバーロ監督が指揮。2度のアジア制覇を経験したチーム同士の顔合わせとなりました。
2013年、2016年にもグループステージで対戦し、対戦成績では2勝1分1敗でリードしている浦和は、10月2日のホームでの第1戦で速いテンポの攻撃と激しい守備の試合を展開。MFファブリシオ選手が19分に、MF関根貴大選手が75分にゴールを決めて、2-0で先勝します。
優位に10月23日のアウェイに乗り込んだ浦和でしたが、第1戦の3バックから4バックにシステムを戻した広州が立ち上がりから猛攻を仕掛け、FWアンデルソン・タリスカ選手を中心に浦和のゴールを狙います。
しかし浦和はGK西川周作選手の好セーブと守備陣を中心とした冷静で粘り強い守備で対応。50分には興梠選手が橋岡選手のクロスにヘディングで合わせて、ACL日本人最多の26点目となる決勝ゴールを奪います。このリードを堅い守りで最後までキープして1-0で勝利。2戦合計3-0で決勝に進出しました。
2年ぶり3度目の決勝の舞台では、西地区のトップに立ったサウジアラビアの強豪アルヒラルとの対戦となり、優勝した2017年大会決勝と同カードとなりました。
ACL前身のアジアクラブ選手権では2度の優勝を経験しましたが、ACLでは2014年、2017年の準優勝が最高成績で、今回初のアジア制覇を目指しています。
11月9日にアウェイで行われた第1戦では、ペルー代表MFアンドレ・カリージョ選手と元フランス代表FWベフェティンピ・ゴミス選手に、元イタリア代表FWセバスチャン・ジョヴィンコ選手が変幻自在に絡む攻撃で試合の主導権を握り、浦和は防戦を強いられる苦しい展開に。60分にカリージョ選手に得点を許して、0-1で第1戦を終えました。
ホームで迎える11月24日の第2戦では、浦和は相手にアウェイゴールを許さずに、2点差以上の勝利が必要になります。難しい戦いを迫られていますが、勝てば史上初3度目の優勝で、同一国のクラブによる3連覇達成です。熱く激しい戦いに注目です。
大会期間:
プレーオフ:2019年2月5日(火)~19日(火)
グループステージ:2019年3月4日(月)~5月22日(水)
ラウンド16:2019年6月18日(火)~8月13日(火)
準々決勝:2019年8月27日(火)~9月18日(水)
準決勝:2019年10月1日(火)~10月23日(水)
決勝:第1戦/2019年11月9日(土)、第2戦/2019年11月24日(日)
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