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【最後の青春ドラマ】世界一を経験しても届かない優勝~JFA 第24回全日本U-18 女子サッカー選手権大会 JOC ジュニアオリンピックカップ・長野風花(ちふれASエルフェン埼玉)中編
2020年12月29日
JFA 第24回全日本U-18 女子サッカー選手権大会 JOC ジュニアオリンピックカップが2021年1月3日(日)に開幕します。高校年代の大舞台に立った選手はどのような青春時代を過ごしてきたのか。年代別のFIFA女子ワールドカップで世界一を経験し、現在はちふれASエルフェン埼玉に所属する長野風花選手のストーリーをお届けします。
インタビュー前編 ~中学時代から女子トップレベルの環境に身を投じる~ 長野風花選手(ちふれASエルフェン埼玉)
中学進学時に浦和レッズレディースジュニアユースに加入し、中学3年時に早くもユースへの昇格を果たした長野風花。この頃には年代別の日本代表にも定期的に招集されるようになり、中学から高校へと進学するタイミングでは、コスタリカで開催されたFIFA U-17女子ワールドカップ2014に出場した。
チーム最年少の15歳だったが、長野は6試合中5試合でフル出場し、U-17日本女子代表の優勝に大きく貢献する。彼女にとっては初めての世界大会。「すごくうまいと感じる選手も大勢いましたし、その中で自分にできることもあった。世界の選手と戦うことができて本当に楽しかった」と同大会を振り返っている。
男子と一緒にプレーしていた小学生時代も、中学3年でユースやトップチームの練習に参加していた時も、そしてU-17女子ワールドカップも、長野は「楽しかった」と語る。「サッカーは楽しい」。その思いが長野にとっての原動力になっている。
世界一の称号とともに帰国した直後の2014年5月、長野は15歳にしてレッズレディースのトップチーム昇格を果たした。この頃は江戸川区の実家から都内の高校に通い、放課後は電車に乗ってグラウンドに移動し、トップチームの練習に参加する日々を送っていた。週末は土曜日にトップチーム、日曜日にユースチームの試合に出場することもあり、同日同会場で両方の試合が開催される時にはユースチームの試合に出場し、トップチームの試合でベンチ入りすることもあったという。
トップチームでも徐々に存在感を示す一方、JFA 全日本U-18 女子サッカー選手権大会にも毎年欠かさずに出場した。チーム自体は2009年度の第13回大会を制しているが、優勝はその1度だけ。長野も「絶対に優勝したいという気持ちを持って」この大会に臨んでいたという。
高校1年時に出場した第18回大会は、準決勝ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18戦の試合中に負傷して決勝に出られず、その決勝で日テレ・メニーナ(現日テレ・東京ヴェルディメニーナ)に2-5で敗れるという二重の悔しさを味わった。
「準決勝でひざをけがしてしまいました。試合中はアドレナリンが出ていたのでフル出場できましたが、次の日にトレーナーから『決勝は無理』という判断をされたので、決勝はスタンドから応援しました」
自身が欠場した決勝で、ライバルの一角であるメニーナに大敗。「また今年もダメだったか、という気持ちでした。メニーナに何もやらせてもらえなかったな、という印象。もちろん悔しかったですし、試合に出たかったという気持ちが一番でした」。長野はこの試合をそう振り返った。
続く高校2年時の第19回大会に、長野はキャプテンマークを巻いて出場した。3年生もいる中での抜擢は周囲の期待の表れでもあったが、当時はすでにトップチームの所属。「自分がキャプテンの立場で何ができるかを考えたんですが、普段の練習もトップチームのほうに参加していましたし、キャプテンでありながらあまり何もできなかった記憶があります」と戸惑いもあったという。
そしてこの大会で、長野は再び決勝の舞台を逃した。準決勝でセレッソ大阪堺ガールズに1-2で敗退。「キャプテンの役割を重荷に感じることはなかったですし、3年生の先輩が支えてくれたんですけど、チームを勝たせられなかったという部分では責任を感じました」。けがで決勝への出場を逃した前年度の大会とは違う悔しさを味わった。
迎えた高校3年生。トップチームでのキャリアも3年目を迎える中、長野は第20回大会に10番を背負い、再びキャプテンとして出場する。ユース年代の選手としては最後となる大会。長野は強い決意を抱いていた。
「U-18の全国大会で一度も優勝できていなかったので、何としても結果を出すという気持ちで臨みました」
インタビュー後編 ~楽しいサッカーで直面した壁。3度の準優勝で気づいたことは~ 長野風花選手(ちふれASエルフェン埼玉)
大会期間:2021年1月3日(日)~2021年1月7日(木)
大会会場:大阪府/J-GREEN堺
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