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WEリーグ、本日開幕!「新たなページが始まる」~岡島喜久子チェアコメント~
2021年09月12日
本日、いよいよWEリーグが開幕し、日本の女子サッカーの新しいページが始まります。サッカーはもともと男性のスポーツとされ、日本でも女子の登録ができない時代がありました。今回初めて女子サッカーのプロリーグが創設され、「女子プロサッカー選手」という職業が確立されます。これまで紡がれてきた女子サッカーの歴史が、新しい時代に突入します。
現在、新型コロナウイルスの影響により、多くの試合開催地が緊急事態宣言下にあります。現状ではスタジアムの収容人数の50パーセント以下、または5000人以下でファン・サポーターの皆さまをお迎えする準備を進めています。スタジアムに来てくださるお客さま、そしてそれぞれのデバイスで試合中継をご観戦される皆さまには、選手の第一歩を大きな拍手で見守っていただきたいです。
選手たちには、得点を奪うことを第一に考えた積極的な試合を期待しています。先ごろ行われた東京オリンピックの女子サッカー競技3位決定戦ではアメリカが4-3でオーストラリアを下しましたが、非常にインテンシティが高く、両チームとも積極的に攻め合って、最後までハラハラドキドキする内容でした。WEリーグでもそのような白熱した展開を期待しています。たとえ得点が生まれなくても、シュートが枠に飛び、GKが懸命にそれを防ぐ展開が見られればお客さまの感情を揺さぶることができるでしょうし、新しいスタートにふさわしい積極性を見せていただきたいと思っています。
長い目で見ると、2023年のFIFA女子ワールドカップ、そして2024年パリオリンピックにおいてなでしこジャパン(日本女子代表)が躍進してくれること、それをWEリーグの選手たちが支えてくれることを望んでいます。リーグ全体の興行的な成功ももちろん大切ですが、なでしこジャパンがもう一度、世界一になることもWEリーグの目標の一つです。そのために重要視しているのが外国籍選手の存在です。今回、フィリピン、オーストラリア、ドイツ、アメリカ、ナイジェリアと、さまざまな国のいろいろなタイプの選手がWEリーグに参戦してくれました。
2011年の女子ワールドカップでなでしこジャパンが優勝しましたが、他国のリーグでプロ化が進んだこともあり、追い越されてしまった感があります。もう一度、日本のサッカーを大切にしながら世界と互角に戦うためには、やはり外国籍選手と戦う能力が必要だと思います。日常的に外国籍選手と一緒にプレーし、対戦し、生活する環境をつくっていくこともWEリーグの役割だと思っています。
また、地元の方やファミリー層など、新しいお客さまを開拓するためにも、スタジアムでのコンテンツも充実させていきたいと考えています。特に今はコロナ禍により、県をまたいでの移動は難しい状況にあります。だからこそ、近場にも楽しいことがある、それがWEリーグの試合だと認識していただけるよう、いろいろな仕掛けをしていくつもりです。スタジアムグルメを充実させるのもいいでしょうし、アウェイチームの名産品を楽しめるというようなこともやっていきたいです。
WEリーグは9月12日に開幕しますが、1つの試合を“開幕戦”として大きく取り上げるのではなく、各クラブのホームゲームを開幕戦と捉え、各会場で開幕セレモニーをする形を採っています。各地域の方々には、それぞれの開幕ゲームを楽しんでいただきたいです。
最後になりますが、これまで女子プロサッカーリーグの創設にご協力いただきました全ての皆さまにこの場を借りて心より御礼申し上げます。女子サッカーの発展を願う皆さまの想いが結集して誕生したこのWEリーグを、これから大きく育てていきたいと思います。