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セレッソ大阪、後半の反撃実らずACL16強で敗退
2021年09月16日
セレッソ大阪は9月15日(水)、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2021のノックアウトステージ1回戦のラウンド16で浦項スティーラーズ(韓国)とホームで対戦。0-1で敗れて、10年ぶりのベスト8進出はなりませんでした。
この結果、日本からは唯一、名古屋グランパスが10月17日(日)に行われる東地区の準々決勝に進出しました。勝てば2009年大会以来の4強入りとなり、同20日(水)に行われる準決勝に進みます。なお、準々決勝の対戦相手は9月17日(金)にクアラルンプールで行われる組み合わせ抽選会で決まります。
グループJを首位で突破して2014年大会以来のノックアウトステージへ駒を進めたセレッソは、グループGを2位で抜けた浦項とホームで対戦。日本代表経験のあるMF清武弘嗣選手やMF坂元達裕選手らを負傷で欠く中、今夏スペインから復帰加入したMF乾貴士選手、オーストラリア代表FWアダム・タガート選手、ブラジル人DFチアゴ選手を先発に揃えて臨みましたが、スロースタートが響いて1点が遠い試合になりました。
7年ぶりのノックアウトステージ進出で2009年以来の優勝を目指す浦項は、序盤から攻守に積極的なプレーを展開し、縦へ力強い攻撃を披露します。中盤でボールを奪ってサイドへ展開し、左ではDFカン・サンウ選手がDFキム・リュンソン選手とのコンビネーションで仕掛け、右ではコロンビア出身のFWパラシオス選手が足を活かしたカウンター攻撃を見せて、チャンスを作ります。
セレッソは前半、相手の鋭い出足に気圧されたのか、一発勝負の戦いに慎重になったのか、受け身に回ってしまい、自陣に押し込まれる展開が続きます。ゴールに迫る相手をGKキム・ジンヒョン選手の好セーブなどで凌いでいましたが、前半25分にゴールを割られます。パラシオス選手の右サイドでの仕掛けで得た右CKからFWイ・スンモ選手が決めて、浦項が先制しました。
セレッソは失点直後に、乾選手が左サイドから中央に持ち込み、DF松田陸選手へパス。ゴール前に顔を出した松田選手がシュートを放ちましたが、相手GKに阻止されます。その直後には松田選手のクロスに相手DFの裏を取ったタガート選手が頭で合わせますが、これはわずかに枠を外れます。
リードを奪った浦項は攻め手を緩めず、34分には中盤でMFシン・ジノ選手がセレッソのパスをインターセプト。そのままドリブルで攻め上がり、ゴール前でクロアチア出身のMFクベシッチ選手へパスを出して決定的な場面を作りますが、セレッソはDFがゴールをカバーし、なんとかピンチを脱しました。
後半、セレッソは一転して反撃に出ます。ハーフタイムに「立ち位置の確認と前進の共有」(小菊昭雄監督)を伝えて全体に積極的な動きが生まれたチームは、ボールを保持してテンポのよい攻撃を組み立て、乾選手やタガート選手、ゴール前に顔を出したMF原川力選手やMF藤田直之選手らがシュートで相手ゴールに迫る場面を作ります。
65分にはMF西川潤選手とFW加藤陸次樹選手、その10分後にはFW大久保嘉人選手を投入。さらに終盤にもMF中島元彦選手をベンチから送り出し、攻撃を畳みかけます。
特に終盤は西川選手、DF鳥海晃司選手、中島選手らがつぎつぎとシュートを放ち、相手ゴールを脅かしましたが、最後までゴールを割ることはできず、0-1で終了。2011年大会以来の8強進出には届きませんでした。
他会場で行われた東地区の16強対決では、2度の大会優勝経験のある全北現代モータース(韓国)がBGパチュム・ユナイテッド(タイ)と対戦し、延長1-1の末にPK戦を4-2で制して8強入りを決めました。
また、西地区では、2018年大会と2020年大会で準優勝したペルセポリス(イラン)がアウェイでACL初出場のFCイスティクロル(タジキスタン)に1-0で勝ち、アルナスル(サウジアラビア)はホームでトラクトールFC(イラン)に1-0の勝利。アルワフダ(UAE)は同国のシャルジャを延長1-1の末にPK戦で5-4と競り勝ち、2019年大会優勝のアルヒラル(サウジアラビア)はエステグラルFC(イラン)を2-0で下して準々決勝進出を決めました。
西地区の準々決勝と準決勝はサウジアラビアにて10月16日(土)から19日(火)に行われます。決勝も同国で11月23日(火)に開催の予定です。
監督・選手コメント
小菊昭雄 監督(セレッソ大阪)
ゲームコントロールがキーになると思っていましたが、立ち上がりからビルドアップがなかなかスムーズにいかず、前半は相手の圧力で厳しい時間が続きました。その中で失点して、その後は自分たちがゲームコントロールする時間帯も増えて、後半は自分たちでしっかりとボールを保持しながら前進してチャンスを作ることもできました。しかし残念ながらゴールを割ることができませんでした。
球際や1対1のバトルは国際試合の厳しさやタフさを実感しました。若い選手たちにはそういう基準を肌で感じることができて、非常に大きな一戦になったと思いますが、それをいかに活かして未来につなげていけるかが大事です。今日負けた悔しさ、3週間バブルの中をタイで戦ったグループステージ、その全てがこれからの財産になると思います。今日の敗戦をしっかりと胸に刻んで、また成長できるように頑張りたい。アジアのレベルは本当に上がっているという印象を受けましたし、ACLは改めて素晴らしい大会だと実感しました。もう一度この大会に全員で必ず戻って来たいと思います。
GK キム・ジンヒョン 選手(セレッソ大阪)
(CKでの失点は)セットプレーだけはやられたくなかったので、すごく悔しいです。前半は相手も戦術的にしっかり守っていましたが、自分たちがもっといい立ち位置をとって、パス回しをしなければいけなかったと思います。(韓国Kリーグクラブが相手で)いつもより気持ちは入っていたかと思いますが、自分もいろいろな経験をしてきているので、同じ気持ちで毎試合一緒だと思って戦っていました。
キム・ギドン 監督(浦項スティーラーズ)
今日の試合は1-0という結果でゴールの数こそ多くはなかったですが、我々もセレッソもすばらしい試合をしたと思いますし、そのことを嬉しく思います。ゴールチャンスも両チームで数多く作れていました。相手のホームで難しい試合になると予想していたので、試合前に選手たちには「相手のファンのことは自分たちのファンだと思え」と話していました。選手たちは良くやってくれたと思います。相手のハイプレスに序盤は苦しみましたが、それにも次第に慣れて、非常にすばらしい試合ができました。ここからまた1つずつ積み上げていきたいと思っています。
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