JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > 最新ニュース一覧 > 【経験者が語るFIFAワールドカップ】稲本潤一選手(南葛SC)今野泰幸選手(南葛SC)対談・後編

ニュース

【経験者が語るFIFAワールドカップ】稲本潤一選手(南葛SC)今野泰幸選手(南葛SC)対談・後編

2022年11月09日

【経験者が語るFIFAワールドカップ】稲本潤一選手(南葛SC)今野泰幸選手(南葛SC)対談・後編

SAMURAI BLUE(日本代表)の一員としてFIFAワールドカップを戦った選手たちに話を伺う「経験者が語るFIFAワールドカップ」。第1回は、2002年日韓大会、06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会と3度の出場経験を持つ稲本潤一選手と、10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会に出場した今野泰幸選手に伺いました。

※このインタビューは2022年9月28日にオンラインで実施しました。

前編はこちら

勝つチャンスもある。日本代表の可能性を信じている

――ドイツ大会から4年後の2010年。南アフリカ大会はお二人そろって出場しました。

稲本 僕の場合、年齢的に最後のワールドカップになると思っていました。メンバーに入りたい気持ちはありましたが、それ以前にチームのことを考えるようになっていました。当時は30歳。代表の中ではベテランといわれる年齢です。それもあって、試合に出る、出ないにかかわらず、チームに一体感をもたらすために良い雰囲気をつくろうという意識がありました。

今野 大会前の話をすると、僕は何が何でも23人のメンバーに入りたい一心でやっていました。個人としては、初めてのワールドカップでしたから。岡田武史監督だったこともあり、特別な感情を持っていました。プロ1年目にコンサドーレ札幌(現、北海道コンサドーレ札幌)で指導を受けて、「プロとしての心得」を教わりました。「岡田監督のためにも頑張りたい」という思いがありました。

――10年当時、お二人はどのような関係だったのですか。

稲本 特別に何かを話した印象はないですね。同じ控え組でベンチに座りながら、みんなで一緒に盛り上がっていました。

今野 稲本さんは、チームで食事をしているときも常に会話の中心にいるタイプでした。僕はその話を聞いて笑っている側。時々、話を振られたときに、ちょっと頑張るくらいです。稲本さんとも話をしていたんですけど……。きっと僕が面白いことを言えなかったので、印象にないんでしょうね(笑)

稲本 そうだったかな(笑)

今野 僕は人見知りなので、稲本さんに直接話を聞きに行くようなことはしなかったです。ただ、練習はもちろん、空き時間の過ごし方などは注視していました。シドニーオリンピックの頃から憧れて、尊敬してきた人ですから。

――10年の南アフリカ大会はグループステージを突破し、準々決勝進出にあと一歩のところまで行きました。

稲本 初戦(カメルーン戦、1-0)で勝てたことは大きかったと思います。本大会直前の強化試合では思うような結果が出せずに苦しんでいましたから。チームスタッフを含めて全員の自信になりました。

今野 前半に先制点を取ったときは、ベンチでも盛り上がりました。集中力も高まり、誰一人として守備をさぼらなかった。「これで、俺たちは行けるんじゃないか」という気持ちになりました。

稲本 それだけにノックアウトステージ初戦で、パラグアイにPK戦で負けたときは「もうこのチームで戦えないのか」という寂しさを感じました。一方で「ベスト8の壁」の高さも痛感したのも事実。少しの差でしたが、そこを越えるためには、まだ積み重ねが必要なんだ、と。

今野 僕はベンチで見ていて、パラグアイ戦が一番勝てる試合だと思っていました。90分以内に決着をつけたかったです。準々決勝の相手はスペインでしたし、当時の日本代表のサッカーがどこまで通用したのか、見てみたかったです。

――南アフリカで味わった悔しさは、次の14年のブラジル大会で生きましたか。今野選手は2大会連続で出場しています。

今野 完全に別ものでした。代表での立場が違いましたから。アジア予選突破にも貢献できたという自負がありましたし、本大会でも主力として戦うつもりで臨んでいました。

稲本 南アフリカ大会とはスタイルも違いましたね。アジア予選から自分たちで主導権を握るサッカーを見せて、結果も残していました。それでも、外から見ていると、本大会では初戦で敗れて歯車が狂ったのかなと。(本田)圭佑たちは「優勝を狙う」と公言していたけど、初戦で負けた後はどうだったの。

今野 本田を中心に攻撃の選手たちはかなり自信を持っていたので、「勝たないといけないんだから前からプレスをかけて、攻撃的に行こう」と言っていました。アルベルト・ザッケローニ監督は攻撃志向が強くても守備のリスク管理を考えて、後ろは必ず一人余らせるようにしていたのですが、2戦目からは「同数でも行けるでしょ」というマインドになりました。これまでと異なる守り方で戦うことになり、後ろの僕らがうまく対応できれば良かったのですが、現実は難しかったです。3戦目のコロンビア戦は、本当に恐ろしかったですね。カバーはいないし、スペースもありましたから。大変な90分でした。

――最後に、FIFAワールドカップカタール2022で戦う選手たちにメッセージをお願いします。

稲本 7大会連続出場している中でも、最も厳しいグループに入ったと思いますが、選手としてはやりがいがあるはずです。周囲からいろいろな声が聞こえてきても、チームメート、チームスタッフ、応援してくれるファン・サポーターを信じていれば、良い結果はついてくると思います。最後まで頑張ってください。

今野 今大会は野心を持っている選手が多い気がします。「アピールしてビッグクラブに移籍してやるぞ」と内に秘めた思いがにじみ出ていますから。だからこそ、僕は楽しみにしています。ドイツやスペインに勝つチャンスもあると思いますし、日本代表の可能性を信じています。

FIFAワールドカップカタール2022

大会期間:2022年11月20日(日)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間]  vs スペイン代表

大会情報はこちら

OFFICIAL PARTNER
KIRIN
OFFICIAL SUPPLIER
adidas
SUPPORTING COMPANIES
  • 朝日新聞
  • SAISON CARD
  • 大東建託
  • Family Mart
  • JAPAN AIRLINES
  • au
  • Mizuho
  • MS&AD
  • Toyo Tire Corporation
アーカイブ
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー