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SAMURAI BLUE森保監督、カナダ戦で「戦術の共有と幅を広げ、個の経験値を上げたい」
2023年10月13日
SAMURAI BLUE(日本代表)の森保一監督は10月12日(木)、MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2023のカナダ代表戦を翌日に控えて試合会場のデンカビッグスワンスタジアムで公式会見に臨み、チームの戦術の共有と幅を広げ、個の経験値アップを図る意向を示しました。
森保監督の念頭にあるのは来月から始まり、2025年6月まで続く2026年FIFAワールドカップ北中米大会のアジア予選です。さらに、年明け1月には日本がアジアタイトル奪還を目指すAFCアジアカップ・カタール2023が開幕します。今回のカナダ戦と17日(火)に神戸で行われるキリンチャレンジカップ2023でのチュニジア代表との対戦は、重要な公式戦の連戦を前に、改めてチームの土台を固める貴重な機会です。
指揮官は、「チームとして戦術的な共有を図り、カナダ戦ともう一試合で戦術の幅を広げ、個の経験値を上げたい」と述べています。
日本とカナダの通算対戦成績は日本の2勝1敗ですが、昨年11月にFIFAワールドカップカタール2022直前のドバイでの強化試合で対戦した前回は、36年ぶりのワールドカップ出場を手にしたカナダに日本が1-2で敗れました。
その後、カナダは3連敗でグループステージ敗退に終わったカタール大会を経て、今年の夏に監督が交代し、今回がマウロ・ビエロ監督体制で初試合。CONMEBOLコパアメリカUSA2024の出場権がかかる来月のCONCACAFネーションズリーグ準々決勝へ向けて調整中です。最新のFIFAランキングでは日本の19位に対してカナダは44位。
来日メンバーには俊足のMFアルフォンソ・デービス選手(バイエルン・ミュンヘン)や、古橋亨梧選手らとセルティックで同僚のDFアリスター・ジョンストン選手など欧州でプレーする選手も多く含まれています。
日本は三笘薫選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)や鎌田大地選手(SSラツィオ)、堂安律選手(SCフライブルク)らが体調不良などで不在。GK前川黛也選手(ヴィッセル神戸)も負傷で離脱し、GK小島亨介選手(アルビレックス新潟)が追加招集されており、26人の顔ぶれに変化が生じています。
この状況に森保監督は、今後の公式戦でも出場停止や負傷などで選手が入れ替わる状況を想定して、「チーム全体の経験値を上げるために良い機会。誰と組んでも勝てるようにしたい」と話しており、これまで出場機会の少ない選手にとってはアピールで代表定着を狙う機会になりそうです。
チームはこの日夕方から試合会場で大半を非公開にして調整。報道陣に公開された冒頭15分では、フィールドプレーヤーはランニングやストレッチ、体幹トレーニング、ボール回しなどで体を動かし、GK陣は距離や角度の違うシュートのセービングなどに取り組んでいました。
9月の欧州遠征のトルコ代表戦で2ゴールを決めて勝利に貢献した中村敬斗選手(スタッド・ランス)は、「チームとしても個人としてもやることは変わらないので、いつも通りチャンスがあればいいプレーをしていきたい」と話しています。
代表合流前に所属チームの試合で得点も決めて好調を維持している守田英正選手(スポルティングCP)は、「どんな試合でも、個性やその選手の特長を出せないとつまらない。ボランチとして周りの選手を生かしてあげられれば」と話していました。
カナダ戦は13日(金)、新潟のデンカビッグスワンスタジアムにて19:35キックオフの予定です。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
力のあるカナダとの対戦をうれしく思います。11月から始まる2026年ワールドカップ北中米大会のアジア予選へつながるものにしなければいけないですし、応援して下さる方々に勝って喜んでもらえるような戦いをしたい。チームとして戦術的な共有を図り、今回のカナダ戦ともう一試合で戦術の幅を広げて個の経験値を上げたいと思っています。
残念ながら活動中に負傷してしまった選手もいて、チームとして早期回復を願っています。ただ、怪我や出場停止、コンディション不良などが起きることも考えておかないといけません。日本には良い選手がまだまだいます。チーム全体の経験値を上げるために、良い機会と捉えて、アジア予選が始まってからも特定の選手に依存せず、誰と組んでも勝てるように、普段から共有している部分をよりチームとして自信を持ってできるようにしたいと考えています。カナダは監督交代後の初戦になります。システムは基本的には4-1-4-1を考えていますが、3バックも含めて状況に応じて進められればと思っています。
海外組も国内組も連戦で長距離移動や時差などの過酷な条件の中、日本のために覚悟を持って招集に応じて戦ってくれています。アジア予選ではチーム合流後にリカバリーの時間もないなかで戦わなければならない場合もあり、選手たちの頑張りには私自身、リスペクトの気持ちでいっぱいです。そういう選手の頑張りを応援していただけたらと思います。私自身、アルビレックス新潟でコーチをしていたこともあり、今回はうれしい機会です。日頃から新潟を含め、Jクラブから代表活動につなげてもらっているので、代表活動がクラブや地域に還元できるようにと考えています。
GK #1 小島亨介 選手(アルビレックス新潟)
代表招集は昨夜聞いて、正直驚きましたが、喜びもあっていろんな感情がありました。連絡があった時に寝る準備をしようとしていたので、目が覚めたっていう感じでした。今日の前日練習では明日の試合に向けて、自分の役割をしっかり考えながら取り組みました。まずしっかりゴールを守るところは、どこに行っても変わらないことです。その中で守備範囲や攻撃のとこでしっかり関わっていくところは自分の強みでもあるので、そこはしっかり出していって、うまくプラスワンを作りながら効率的に攻撃で打開できればと思ってます。しっかり自分が積み上げてきたところが評価されたかと思いますし、やってきたことが間違ってなかったとも思います。ただ、まだまだ成長しないといけないところはあるので、ここに来ても向上心を忘れずに、高みを目指してやっていきたいです。
GK #23 鈴木彩艶 選手(シントトロイデンVV/ベルギー)
自分は1年ぶりの代表ですし、前回のE-1選手権のときは海外の選手がいなかったので、今回初めてフルの代表という形です。レベルももちろん高いので、自分としても楽しみながらできています。移籍後試合数を少しずつ重ねていって、試合に出ることで自分の通用する部分がはっきりしました。失点数が多いのは事実で、自分の力をゲームで発揮しなければ結果に繋がってこないと感じています。自分の特徴でもあるキックでチャンスを作る部分や、スローからチャンスを作る部分、クロスで当たり負けしない部分も通用してると思います。一方で予測を持って対応する部分や1対1での対応にはまだ課題が残ると思っています。自分が今回試合に出るチャンスをいただけたら、そこでしっかりと自分自身をアピールしていくところはもちろん、親善試合でも結果を求めてやっていくってことが今後の自分にとっても重要になってくると思っています。
DF #2 菅原由勢 選手(AZアルクマール/オランダ)
ワールドカップ予選の前の大事な試合です。チームとしていろいろな形をトライして、いろんなことを想定して試合ができる最後の機会なので、チームとしてトライしたいですし、個人としてもいろんな選手とプレーすることもあるので、どの選手とプレーしてもそこが武器になるようにやりたいと思っています。カナダのデービス選手はめちゃくちゃ足が速いのが特長で、そこをしっかり個人としても分析して対応しないといけないですし、チームとしても対応する必要があります。彼が攻撃的に出てくる分、そこのスペースも空くので、攻撃的だからこそ裏をとって利用できることもあると思います。彼が何をしてくるかをチームとして考えながらプレーしたいです。久保選手は今、乗っている選手で、中でも外でもボールを持てば攻撃の選手として一番怖さがあります。どれだけ彼にペナルティーボックス付近でボールを持たせられるかが鍵だと思います。昔から一緒にやっている仲でもあるので、連係面は問題ないと思っています。
DF #16 冨安健洋 選手(アーセナル/イングランド)
所属チームでCL(チャンピオンズリーグ)もあって、9月と10月の間に7試合やっていますが、全部に出ているわけではないので、体調は大丈夫です。僕は9月からの参加なので前回に引き続いて積み上げはしたいと思っていますし、今回は日本での試合なので、より期待感を持ってもらえるような試合をしたいと思っています。勝つことはもちろんですし、内容を含めて求めていきたいと思います。誰と組んでもやれているので、いろんな選手とやるのは僕だけじゃなくて他の選手も含めて、できると思っていますし、そこは問題ないと思います。名波コーチからは「勝って代表に合流しろ」と言われていたので、今回勝って合流できていい形で入れました。(マンチェスター)シティーに勝ったのは8年ぶりらしいので、チームにとっても大きな勝利ですし、ゴールに関与することができて良かったです。正しいスペースを埋めていたからあそこにいたという感じです。代表の活動では、お互いにスタンダードを突き詰めながら練習からやれています。それを試合でしっかりと表現することが、サポーターの皆さんに期待感を持ってもらえると思うので、そこをピッチで出せるか、明日の試合で求めたいです。
MF/FW #5 守田英正 選手(スポルティングCP/ポルトガル)
カナダとは前回ワールドカップ前に対戦して負けていますし、9月に欧州でいい戦いができているので、それを日本でどういう風に見せられるか、緊張感を持ってやりたいと考えています。ドイツ戦など試合中に相手のやり方が変わっても自分たちも相手に対して変えられるところは、探り探りながらうまくいってきている実感もありますが、まだ段階的なものなので、継続してやっていければと思います。その選択肢は持っておかないといけないということは、この間のワールドカップで分かったことです。先月のドイツ戦ではワールドカップのときとは違って、相手とのかみ合わせの中で(自分たちの対応を)選べたと思うので、活動を通して少しずつではありますが、チームとして成長できている部分はあると思います。
MF/FW #6 遠藤航 選手(リバプールFC/イングランド)
みんないい準備はできているんで。勝てるようにしっかり戦っていきたいと思います。攻撃陣に三笘選手や鎌田選手というメンバーを欠いているのはチームとして痛いですが、いまはすごくいい選手たちが揃っているので、今回のメンバーを見ても彼らがいないことを感じさせないくらい、選手層が厚くなってきたなという感覚があります。他の選手にとってはチャンスだと思いますし、チームとしては前の選手の攻撃の良さなどを、僕を含めて生かしてあげられるようにしていきたいです。戦術的な部分でもシステム的なところでも、いろんなオプションを増やせる機会にできればいい。今日も攻撃と守備と戦術的なところを確認しました。自分がどう動かすというより、チームとしてのやり方をチーム全体としてやっていくだけだと思います。僕がやることは、それが特に守備の部分ではまらなかったときに、中でシステムを変えるのか、はめ方を変えるのかなどが多分、いまの自分に求められている役割だと思っています。
MF/FW #7 川辺駿 選手(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
試合に何分出るか、どういう状況で出るかはその時にならないとわかりませんが、その時にあったプレー選択をしないとならないですし、自分の良さは前に出ていくところなので、出た先のクオリティを出せればと思っています。ドイツに勝つチームに、またこうやってくることができたのはうれしいですし、クオリティのある選手が多くて、ボランチのポジションもレベルが高いので、そういう人から見て学ぶものと自分にしかない部分というのは整理しながらプレーしたいです。サイドにスピードのある選手がいるので、そういう選手を生かすパスを合わせないとならないですが、自分の良さを試合で発揮したい。移籍して所属チームのレベルが変わりましたし、ベルギーのなかでも上位争いができる戦力と資金力があるクラブにきたと感じています。勝てないとプレッシャーやストレスを感じますし、周りの期待も感じているので、なんとかうまく勝てるようになってよかった。優勝争いするようなチームにきたので、優勝争いしたいと思っています。
MF/FW #13 中村敬斗 選手(スタッド・ランス/フランス)
トルコ戦で2点取ってからチームに帰って、いい流れで、アシストや得点もリーグ・アンでできたので、調子が少しずつ上がってきてるなっていう感じています。カナダ戦もこの調子でいきたいです。ランスに行って変えたことは特にはないのですが、伊東純也選手がいるので右サイドの突破が間違いなくあります。そのクロスに飛び込んでいくことは前より強くなったかと思います。クロスやセカンドボールは絶対にあるので一番得点を取れるチャンスだと思っています。カナダはワールドカップにも出ていて、前線にいい選手がいますし、左サイドバックのデービス選手など他にもいい選手がいるのは間違いないですが、どんな相手でもやることは一緒なので頑張りたい。出場時間がそんなに長いわけではないですが、チャンスもらえていることに感謝して、まずはしっかりチームとしての自分の役割を果たしていきたいです。
マウロ・ビエロ カナダ代表監督
日本戦は我々にとって非常に重要な試合です。我々は9月の代表活動がなかった上、来年のコパアメリカ出場権のかかるネーションズリーグ準々決勝を11月に控えています。そこへ向けて、選手選考やチームバランスをチェックする重要な機会でもあります。日本は先月も良い試合をしていて、難しい相手との対戦で良いパフォーマンスを発揮しなければなりませんが、いいチャレンジになると捉えています。前の監督の時からコアになるメンバーは同じなので、基本的には戦術的な団結を含めて継続性を維持して、チーム構成や組み合わせを試しつつ、自分たちの弱点なども見極められればと思っています。
2023年10月13日(金) 19:35 キックオフ(予定) vs カナダ代表
会場:新潟/デンカビッグスワンスタジアム
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