高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023EASTは12月3日(日)、シーズン最終節となる第22節の6試合を行いました。等々力陸上競技場では、川崎フロンターレU-18（神奈川）と尚志高校（福島）が対戦しました。

ピックアップマッチ

川崎フロンターレU-18 1-2（前半0-1、後半1-1）尚志高校

第21節を終えた時点で2位の川崎F、3位の尚志ともに勝ち点46で、首位の青森山田高校（青森）との勝ち点差は「2」。最終節の結果次第では逆転優勝の可能性がある状態で、今回の一戦のキックオフを迎えました。

「緊張からか、最初のほうは動きが硬かった」と川崎Fの長橋康弘監督が振り返ったように立ち上がりはやや静かなスタートでしたが、徐々に川崎Fがボールを握り、攻め込む展開になります。フィールドプレーヤー全員が相手陣内に入り、個人技の高さとパスワークを武器に攻撃を仕掛けていきますが、尚志は「相手がうますぎるがゆえに読みやすい部分もあった」という仲村浩二監督の言葉通り、ゴール前にブロックを敷き、集中を切らさずに対応します。そして14分、左からのCKをFW網代陽勇選手（#9）、MF若林来希選手（#10）とつなぎ、FW笹生悠太選手（#12）が頭で押し込んで先制に成功します。

その後も川崎Fが押し込む展開は続きます。FW岡崎寅太郎選手（#9）が22分、39分とシュートを放ち、前半アディショナルタイムには強引な突破を図りますが、いずれも得点に結びつけることはできず、尚志の1点リードで前半を折り返します。

後半開始早々の49分、川崎FはDF江原叡志選手（#2）がフィードを送ると、岡崎選手がオフサイドラインをかいくぐって抜け出し、GKの頭上を抜くループシュートで同点に追いつきます。

ここから一進一退の攻防となりますが、82分に均衡を破ったのは尚志でした。若林選手が右サイドからクロスボールを送り、MF藤川壮史選手（#14）が左足でボレーシュート。相手がクリアし切れずにこぼれたボールを網代選手が収めて右足を振り抜き、ゴールネットに突き刺しました。

川崎Fはセットプレー時にはGK濱﨑知康選手（#1）も攻め上がるなど最後まで諦めずに戦い、試合終了間際には岡崎選手が尚志のGK角田隆太朗選手（#16）と1対1の決定機を迎えますが、間合いを詰めながら相手の動きを冷静に見極めた角田選手が岡崎選手のシュートをブロック。そのままタイムアップを迎えます。

勝利した尚志は勝ち点を49に伸ばしましたが、別会場で青森山田が勝利したため、惜しくも優勝には手が届きませんでした。なお、川崎Fの岡崎選手は通算18ゴールで得点王のタイトルを手にしました。

監督・選手コメント

長橋康弘 監督（川崎フロンターレU-18）
ここまで一生懸命トレーニングしてきた選手たち、メンバーに入れなかった選手たちの気持ちを考えつつ、たくさんのファン・サポーターに勝利を届けようと伝えて試合に入りました。最後まで一生懸命頑張ってくれましたが、尚志の方が強かったです。緊張からなのか、試合序盤は動きが硬かったと思います。前年度王者として追われる立場を初めて経験する中で成長が見られましたし、全体的に良い戦いができました。

GK #1 濱﨑知康 選手（川崎フロンターレU-18）
前半も後半も立ち上がりが悪いという話はしていて、そこで自分たちの立ち上がりは紅白戦などから見直していました。個人的には今回の一戦は問題なかったという印象です。昨シーズンは前半戦を無敗で折り返したのですが、今シーズンはそこまでうまくいかず、決め切る部分や最後に体を張る部分が少し足りなかったのが反省点です。後半戦も失点数は減りましたが、セットプレーでの失点が多く、最後まで改善できなかったのは課題だと思います。

仲村浩二 監督（尚志高校）
今節の勝利はうれしかったです。前半、セットプレーで得点できたのはラッキーでしたが、2列目からどんどん出てくる川崎Fのパスワークを止められず、それでも失点せずによく耐えてくれました。守備の部分はトレーニングしてきましたが、逆に言うと相手がうますぎるから読みやすかった部分もありました。後半は、我々も走る部分では意地がありますし、スタミナでは負けてはいけないと思っていたので、それが最後にうまくいきました。

DF #20 渡邉優空 選手（尚志高校）
前半は先制点を奪ってから一方的に押し込まれて苦しいゲームでしたが、前線の選手が頑張って守備をしてくれて、何とか勝ち切ることができました。この試合までの1週間、ペナルティエリア手前での守備を練習してきて、その練習通りに全員が体を張り、相手が下がったらラインを上げるなどの動きも徹底した結果、守り切ることができたと思います。ただし、失点の場面では判断を間違えてオフサイドを取れなかったので、修正を加えていきます。

その他の試合結果

大宮アルディージャU18 2-1（前半2-0、後半0-1）昌平高校
柏レイソルU-18 7-1（前半2-0、後半5-1）旭川実業高校
流通経済大学付属柏高校 0-0（前半0-0、後半0-0）市立船橋高校
横浜F・マリノスユース 2-3（前半0-1、後半2-2）前橋育英高校

シーズン後半戦、残留争いを続けた大宮アルディージャU18（埼玉）は昌平高校（埼玉）との接戦を制して勝ち点3を獲得。9位でシーズンを終えました。前節、無得点で川崎Fに敗れていた柏レイソルU-18（千葉）は、旭川実業高校（北海道）との一戦で攻撃陣が奮起します。FW近野伸大選手（#9）がハットトリックを達成する活躍もあり、大量7得点を奪って勝利しました。千葉県勢対決となった流通経済大学付属柏高校と市立船橋高校の一戦は互いに決め手を欠き、両チームにとって今季2度目のスコアレスドローに終わっています。横浜F・マリノスユース（神奈川）は前橋育英高校（群馬）に3点のリードを許す展開に。終盤、FW横山俊介選手（#29）の2得点で追い上げますが、一歩及びませんでした。

高円宮杯 プレミアリーグ 大会公式X

大会期間：2023年4月1日(土)～2023年12月3日(日)

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