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ACLラウンド16アウェイでの第1戦、川崎が先勝、横浜FMドローも甲府は黒星
2024年02月16日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023-2024は東地区ノックアウトステージが始まりました。2月13日-15日に各地で行われたラウンド16第1戦でいずれもアウェイ戦となった日本勢は、川崎フロンターレは山東泰山(中国)に3-2で勝利。横浜F・マリノスはバンコク・ユナイテッド(タイ)に試合終了間際に追いつかれて2-2で引き分け、ヴァンフォーレ甲府は蔚山現代(韓国)に0-3の黒星となりました。8強入りをかけた第2戦は2月20日(火)-21日(水)にそれぞれのホームで開催されます。
川崎、山東泰山に競り勝つ
日本勢の先陣を切って登場した川崎は13日(火)に山東泰山(中国)と対戦。終盤追い上げられる苦しい展開ながら粘り強く戦い、79分の家長昭博選手の勝ち越しゴールを守って3-2で勝利しました。
川崎は12月に終了したグループステージを5勝1分けでグループIを1位で突破したチームから、新シーズンを迎えて移籍で両サイドバックや前線の選手が入れ替わり、新しい組み合わせでの公式戦初戦です。
完全アウェイの雰囲気の中、川崎は試合開始から山東の勢いのある攻めをGKチョン・ソンリョン選手の好セーブでしのぐと、前半24分、川崎のCKで相手のハンドがあったことがVARで確認されてPKを獲得。これを前半28分に新加入のブラジル出身FWエリソン選手が決めて先制します。
さらに33分には右サイドでパスをつないで崩し、MF脇坂泰斗選手のピンポイントのクロスにFWマルシーニョ選手がゴール前に飛び込んで頭で合わせ、2-0のリードを奪います。
山東は全北現代モータース(韓国)で2度のACL優勝経験のあるチェ・ガンヒ監督の下、横浜FMと同じグループGを4勝2敗の2位で突破。後半途中からFWフェルナンジーニョ選手やFWマテウス・パト選手を投入。FWクリサン選手らブラジル出身の攻撃陣を中心に反撃を仕掛け、67分にフェルナンジーニョ選手の得点で1点を返すと、その後も75分にクリサン選手がペナルティエリア右から狙ってポストを直撃するなど、攻勢を強めます。
川崎は79分にGKチョン選手のロングフィードを途中出場のFW山田新選手が相手DFの裏へ頭で落とすと、これを受けた家長選手が相手DFをかわして抜け出し左足を振ってゴールネットを揺らし、3-1とリードを広げました。
しかし、粘る山東の猛攻は続き、85分にDFガオ・ジュンイー選手の右クロスにDFジャジソン選手が頭で合わせて再び1点差とします。
その後も山東の攻撃が続く中、後半途中から高さのある選手を投入して最終ラインを4バックから5バックに変えて対応した川崎は、最後まで1点リードを守り、アウェイで勝利を手にしました。
先制点を決めたエリソン選手は、「川崎での初ゴールは喜ばしいが一番大事なのはチームの勝利。それを自分のゴールでできたのがうれしい。この勝利をアウェイまで来てくれたサポーターに捧げたい。みんなの応援のおかげで勝つことができた」と話していました。
川崎は2月20日(火)にホームで第2戦を迎えます。
横浜FM、終了間際に追いつかれてドロー
グループGを首位で突破した横浜FMは、全北現代などと同組のグループFを1位で勝ち抜いたバンコク・ユナイテッドと対戦。オーストラリア代表FWとして活躍したハリー・キューウェル新監督の下、前半半ば過ぎまでに2-0のリードを奪いましたが、相手の反撃に後半アディショナルタイムに追いつかれる展開となりました。
高温多湿のタイの気候の中、初の8強進出を目指す横浜FMは前半18分、左CKのチャンスにFWエウベル選手がゴール前でうまく合わせて先制に成功すると、24分には新加入のDF加藤蓮選手が上げた左クロスがファーサイドに流れたところをMF渡辺皓太選手が捉えて2-0としました。
しかし、タイリーグで現在首位に立つバンコクは勢いのある攻撃を展開。前半35分、右サイドでの競り合いからペナルティエリアに流れたボールを、フォローしたDFニティポン・セラノン選手がコントロールして切り込み、右足を振るとボールはGKの両足の間を抜けてゴール。バンコクが1点を返します。
横浜FMは後半早々にもFWアンデルソン・ロペス選手、MFナム・テヒ選手、加藤選手が立て続けに相手ゴールを脅かす場面を作りますが、相手GKの好守などに阻まれます。後半半ばからはFW水沼宏太選手や3シーズンぶりに復帰したMF天野純選手、さらにFW宮市亮選手らを投入して、決定機も作りますが追加点を決めることはできません。
バンコクも選手交代で得点機を探っていましたが、後半アディショナルタイムにカウンターからニティポン選手の右クロスに途中出場のFWマフムート・イード選手が頭で合わせて同点。横浜FMは逃げ切れず、第1戦をドローで終えました。
渡辺選手は、「この試合で終わりじゃない。1週間で修正して、ホームでは全く別モノの試合を見せられると思う。必ず勝ち点3を取って次に進められるように頑張りたい」と次戦へ切り替えていました。
第2戦は2月21日(水)にマリノスのホームで行われます。
甲府は蔚山に3失点
初出場でベスト8入りを目指すJ2の甲府は、アウェイで韓国Kリーグ2連覇中の蔚山現代と対戦。グループHを1位で突破して臨んだノックアウトステージですが、昨季のチームから主力の選手数名がJ1へ移籍するなど異なる陣容で臨んだ公式戦初戦は、守勢に回る時間が多い、苦しい戦いとなりました。
蔚山は、前半37分に左から右に展開してFWオム・ウォンサン選手が上げたクロスボールを甲府GK河田晃兵選手が弾いたところにFWチョ・ミンギュ選手が反応。頭で押し込んで先制します。さらに前半終了間際には甲府DFがペナルティエリアに切り込んだ相手を倒してPKを献上。これをチェ選手が決めて蔚山が2-0とリードしました。
蔚山は後半、浦和などでプレーしたMF江坂任選手を投入して攻撃を活性化。一方の甲府もFWピーター・ウタカ選手、FW飯島陸選手を送り出して反撃の糸口を探りますが、蔚山は61分、カウンター攻撃からDFソル・ヨンウ選手が得点し、3-0とリードを広げます。
苦しい展開が続く甲府はFW宮崎純真選手やMF佐藤和弘選手を投入し、80分に飯島選手のパスを受けたウタカ選手がペナルティエリア深くに切り込んで右足を振りますが、これはポストに阻まれます。87分には右クロスを頭で捉えたウタカ選手がゴールネットを揺らしましたが、これはオフサイドでゴールにはなりませんでした。
「相手が強かった」と振り返ったFW三平和司選手は、「自分たちのチャンスに決めることができなかった。アウェイで不甲斐ない試合をしてしまったが、ホームでは改善して全身全霊で戦いたい」と話していました。
第2戦は2月21日(水)に甲府がACLでホームとしている東京の国立競技場で行われます。
このほか、韓国勢同士の顔合わせとなった全北現代と浦項スティーラーズの対戦は、ホームの全北現代が2-0で勝利しました。
また、西地区のラウンド16も2月14日(水)-15日(木)に開催され、FCナサフ(ウズベキスタン)がアルアイン(UAE)と0-0で引き分け、アルナスル(サウジアラビア)がアウェイでアルフェイハ(サウジアラビア)に1-0で勝利、ナフバホール(ウズベキスタン)はアルイテハド(サウジアラビア)と0-0のドロー、アルヒラル(サウジアラビア)がセパファン(イラン)に3-1で勝利しています。
西地区の第2戦は2月21日(水)、22日(木)に行われます。