サウジアラビアはイランと並び西アジアの雄として、同地域のサッカーをリードする存在だ。最近では、世界のスター選手が集結する国内リーグが話題をさらい、2034年のFIFAワールドカップほか、国際大会の誘致にも意欲的。もちろん“緑の鷹”の愛称を持つ代表チームの活躍にも期待が高まっている。

ワールドカップの本大会では、何度か印象的な戦いを披露している。初出場は1994年のアメリカ大会。グループステージ第3戦のベルギー戦では、サイード・オワイランが約60メートルをドリブルで独走し、相手選手を次々とかわして決勝点。この勝利を含めグループステージを2勝1敗、2位で突破し、いきなりのラウンド16進出を果たした。2022年のカタール大会はグループステージ敗退に終わったが、初戦でアルゼンチンに先制を許しながらも後半に逆転。世界王者となる強豪から2-1の勝利をもぎ取る快挙で、世界を驚かせた。

昨年8月にはイタリア人のロベルト・マンチーニ監督の就任が発表された。同国代表FWとして活躍し、監督としてはインテル・ミラノ（イタリア）、マンチェスター・シティ（イングランド）などビッグクラブを指揮。イタリア代表監督を務めていた2021年には、チームをUEFA EURO（欧州選手権）で優勝に導く手腕を見せた。

しかし、鳴り物入りでその任に就いた名将の下で、サウジアラビアは持てる力を存分に発揮しているとは言い難い。カタール大会後はFIFAワールドカップ26アジア2次予選突破も、ホームでヨルダンに逆転負けを喫するなど得失点差で2位通過。今年1～2月のAFCアジアカップは、ラウンド16で韓国にPK戦で敗れて敗退した。9月に始まったアジア最終予選（3次予選）でも、初戦のホームゲームでインドネシアと1-1で引き分けてしまった。だが、続く中国戦では19分に退場者を出しながらも2-1の逆転勝ち。マンチーニ監督は「いつも全て（の状況に対応するため）の練習をしているから」と勝因の一端を明かした。

日本とは2018年のロシア大会、続くカタール大会の最終予選でも顔を合わせ、いずれもホームゲームで勝ち、アウェイで敗れている。ボールポゼッションと堅守をベースに戦うチームで攻撃の期待を担うのはサレム・アルドサリ。カタール大会では前述のアルゼンチン戦で得点を挙げた。中盤ではアブドゥレラ・アルマルキが長短のパスでゲームをつくる。センターバックのハッサン・カデシュは先の中国戦でCKからヘディングシュートで2点を決めており、重要な得点源となりそうだ。

直近5試合（H：ホーム、A：アウェイ）

日本との対戦成績

5勝1分10敗（得点13、失点25）

FIFAワールドカップ成績

出場：6回
※FIFA加盟は1956年
1958　不参加
1962　不参加
1966　不参加
1970　不参加
1974　不参加
1978　予選敗退
1982　予選敗退
1986　予選敗退
1990　予選敗退
1994　ラウンド16
1998　グループステージ
2002　グループステージ
2006　グループステージ
2010　予選敗退
2014　予選敗退
2018　グループステージ
2022　グループステージ

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