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[特集]サッカーへのリスペクト ~大切に思うこと~ サッカーのない人生など考えられない 片野坂知宏監督(大分トリニータ)

2020年09月15日

[特集]サッカーへのリスペクト ~大切に思うこと~ サッカーのない人生など考えられない 片野坂知宏監督(大分トリニータ)

日本サッカー協会は9月5日(土)から14日(月)まで「JFA リスペクト フェアプレー デイズ2020」を設置し、5日(土)にオンラインでリスペクトシンポジウムを開催しました。(詳しくはこちら
この期間に先駆け行ったJFAnews7月号 片野坂知宏 監督(大分トリニータ)インタビューをお届けします。

※本記事はJFAnews2020年7月に掲載されたものです

サッカーが生きがいと再確認

今回、新型コロナウイルス感染拡大防止のためJリーグが中断し、サッカーが見られない、できない状況が続きました。
私自身、幼少期にサッカーを始め、サッカーのおかげで進学や就職をし、その後、プロサッカー選手になることができました。私にはサッカーが全てであり、常にサッカーを第一に考え、生活の一部として過ごしてきました。サッカーのない人生なんて考えられないぐらい大きな部分を占めています。
これほど長い間、サッカーから離れるのは初めてで、不安もありました。このまま収束せず、さらに感染が拡大して、経済活動やイベント、スポーツもストップして、ずっと自宅待機しなければいけなくなるのではないか、サッカーがなくなったらどうやって生きていけばいいのか――。サッカーがあることで生きがいを感じ、仕事ができていることをあらためて感じました。

尊敬する指導者との出会い

私はコーチ時代に西野朗監督、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督、森保一監督、長谷川健太監督という4人の素晴らしい指導者の下で学ばせていただきました。
この4監督に共通するのは選手とのコミュニケーションのうまさです。常に選手や周囲の状況を観察し、今このタイミングで話すべきなのか、それとも時間をおいてから話すべきなのかを判断し、伝え方や話す内容などにも細心の注意を払ってコミュニケーションを取っていました。
監督となった今、サッカーに対して集中しなければいけないときは選手に厳しい要求をしますが、オフ・ザ・ピッチの場面では砕けた話をしたり、お互いのプライベートの話をしたりとメリハリをつけ、サッカーに真摯に向き合ってもらえるよう心掛けています。

自制することはリスペクトにつながる

高校卒業後に入ったマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)では、今西和男総監督が、激しくもフェアに戦うこと、相手やレフェリーをリスペクトし、文句を言わずプレーに集中することを説いていました。その広島は今も毎年のようにJリーグでフェアプレー賞を受賞しています。今西さんの教えが脈々と受け継がれているのだと思います。
広島時代の森保監督は、試合でも練習でも不要なファウルをせず、集中してプレーすることを選手に求めていました。選手もクリーンでありながら球際では激しく、素晴らしいプレーをしていました。私自身も大分トリニータの監督になってから、フェアプレーを心掛けながらいい成績を残すことを選手に求めています。レフェリーや対戦相手をリスペクトし、プレーに集中することが素晴らしいサッカーにつながると考え、指導しています。
大分トリニータのU-15コーチを務めていた時、主に中学1年生を指導していたのですが、彼らは「うまくなりたい」「試合で負けたくない」という思いが非常に強いため、うまくいかないときや、ゲームで負けたときにイライラする様子が垣間見えました。その感情は、うまくなりたい、勝ちたいという強い気持ちの裏返しでもありますから、そのようなときは、それを第三者にぶつけるのはいいことではない、ということを説きながら、なぜうまくいかなかったのかに目を向けさせ、自分のプレーに集中するよう指導していました。
プロ選手も、特に若い世代の選手の中には、うまくいかないと気持ちを抑制できず、物や人に八つ当たりしたり、プレーをやめてしまう選手もいます。自分をコントロールすることは年齢や、プロ・アマをを問わず非常に大事だと思いますし、その習慣を身につけることがサッカーへのリスペクトにつながると思っています。

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