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アカデミー熊本宇城 JFAアカデミーの五訓 ~JFAアカデミー熊本宇城 スタッフ通信Vol.8
2019年10月15日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー熊本宇城のレポートを担当するのは墨屋孝コーチです。
アカデミー活動を支えるもの「五訓」
JFAアカデミー熊本宇城でGKコーチをしている墨屋孝です。今年で就任して8年目になります。今回は、JFAアカデミーの五訓についてご紹介します。これはJFAアカデミーのフィロソフィーに加えて、より明確な言葉で表された「夢」「誇り」「創造」「責任」「自由」の5つです。夢に向かって挑戦する選手たちに良い環境を与え、本人の努力を伴わせながらアカデミー活動の中で五訓と向き合い、三年後、アカデミーを卒校する時に選手自らがその意味や答えを導きだすことを目標にしています。
日々の活動から、自分と向き合う中で五訓の意味を見つけていく
アカデミーでの日常の様子を観察すると、選手たちは自分自身と向き合う中で五訓とは何かを模索しながら生活していることに気づきます。
例えば、早朝からトレーニングルームで身体作りをしていたり、試合映像を観てプレーを分析したり、勉強部屋で机に向かう姿もあります。学校へ登校した後の勉強部屋や寝室を見てみると、整理整頓された勉強机や本棚、ベッドには四つ角が揃った布団にこだわりを感じます。
放課後は、学校からアカデミーまで走って帰り、練習前に自主練習をする選手も見かけます。
トレーニング後には、毎晩学習時間が約1時間ありますが、選手によっては消灯後も時間を伸ばして勉強しています。やるべき事は多く、あっという間に就寝となりますが、消灯前の限られた自由時間を自分のためではなくアカデミー全体のために行動する選手もいます。その他にも、アカデミーの自治を担う運営委員は、アカデミーでの生活のルール、誕生会などのイベントの企画について、試行錯誤しながら話し合い、夜遅い時間まで皆のために力を注いでくれています。
このように、日常の行動から手を抜かず、毎日を振り返り、絶対に自分は手を抜かなかったと自信を持てるまで努力することがアカデミー生としての責任でもあり、誇りにも繋がります。
選手自らが、何をすべきかを考え、そのための時間を自ら作り出し、責任を持って行動し、自ら選択していく。そこには、継続することの難しさ、思い通りにいかないもどかしさもあります。
私が考える五訓の意味
私がアカデミーで過ごしてきた経験から、選手たちを通して私が考える五訓についてお伝えします。
「夢」
きらびやかで、華やかで、かっこよくて、楽しい側面もありますが、そこにたどり着くためには、きつくて、辛くて、苦しいことがあることに選手は気づいていきます。そんな時に自分と向き合い、仲間と助け合い、家族に支えられながら困難を乗り越えていくための原動力になるのが夢ではないでしょうか。
「誇り」
アカデミーでの三年間を通して自分自身に誇れるもの、自信が持てるものを探しだすことが重要です。それは、挨拶や整理整頓、仲間を大切にすることでも良いのです。誇りとは、自分の存在価値そのものだと感じます。
「創造」
生活の中で自ら時間を作り出し、自分の身体と向き合い、勉強に励み、リーダーとしての役割を担ってきた選手の姿から、創造とは今まで自分に無かったものを全くゼロから生み出すことだと感じます。だからこそ、真のエリートを目指す選手たちは、常に自分の道は自分で決め、自分で切り開いていけるのだと思います。
「責任」
自分の行動には責任を持つ必要があります。例えば、考えてから答えを出すことや、時間や期限を守ること、計画的に行動すること、最後までやり抜くこと、自分の行動を振り返ることなど、どんなことにも責任感を持って頑張れるかが大事だと思います。
「自由」
選手たちはルールを無視して好き勝手に行動してしまうと多くの壁にぶつかってしまいます。その際、自由とは何かを考えると、自分自身の問題であることに気付きます。つまり、自由とは責任ある行動のもと、自分が選択できることだと理解できるようになります。そのような変化が起こると、選手たちは自己実現に向けて踏み出せていました。
五訓を私なりの言葉でお伝えしましたが、それぞれが密接に繋がっており、JFAアカデミーのフィロソフィーを体現するためには欠くことのできないものなのです。
終わりに
JFAアカデミーでは、サッカーのみならず、広くスポーツ界、社会全体に発信できる、総合的なリーダーシップを備えた人材の育成を目指しています。ロジング(寮生活)のメリットを活かし、寝食をともにしながら、選手がフィロソフィーを体現できるための土台作りとなる充実した3年間にしたいと考えます。そのためには、まず選手自身が自分の未来を信じることが重要であり、そして私達スタッフも選手たちの未来を信じてサポートしていきます。
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