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次のステージでより輝ける選手に 〜JFAアカデミー堺 スタッフ通信Vol.13
2020年08月12日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー堺のレポートを担当するのは武末彩子コーチです。
一学期の様子
2020年2月より、JFAアカデミー堺でコーチをしています、武末彩子です。
JFAアカデミー堺は、平日は寮生活でトレーニングを行い、週末や長期休暇には所属チームに帰省して活動する週末帰省型のアカデミーです。堺市が所有するJ-GREEN堺内に寮を構えており、学校から帰ると、寮の目の前の人工芝ピッチでトレーニングを行います。トレーニング後は、すぐに入浴や栄養補給ができる環境が整っています。
今年度は、日本政府から発令された緊急事態宣言による活動自粛期間もあり、例年とは異なる年度始めを迎えました。宣言解除後も、不安の中での再開となり、気を張った生活が続きましたが、無事に1学期を終えることができました。選手たちは、日を追うごとに新しい寮生活のスタンダードに順応し、感染症予防のために、自ら様々なことに気を配れるようになったと感じています。トレーニングは、6週間をかけて段階的に負荷を上げ、コンディションを取り戻した後、7月からはU-13(中1)とU-15(中2,3)に分かれて行っています。1年生にとってはあっという間の1学期となりましたが、アカデミーでの生活にも少しずつ慣れ、それぞれが自覚を育みながら活動に臨んでいます。
ピンチとチャンスを感じとり、戦える力を身に着ける
JFAアカデミー堺では、「次のステージでより輝ける選手に」というスローガンを掲げ、日々のトレーニングに励んでいます。時間とスペースの限られた現代サッカーにおいて力を発揮するために、より確かな判断力やテクニックの習得はもちろんですが、そのベースとなる動きづくり、スタミナづくり、そして、U-14の後半からはパワーづくりにも、着手していきます。
トレーニングのスタートは、障害予防を目的としたムーブメントプレパレーションや、そのほか様々な要素(体幹をベースに、下肢、スピード、アジリティなど)強化のためのメニューを取り入れています。これらを正しい姿勢で行い、実際のパフォーマンスの中で使いこなせるように、トレーニングの構成を考えています。また、選手自身が提示された内容をただこなすのではなく、その意味を考え、どういった場面で発揮するのかを、自ら考えていけるように伝えています。
また、年度初めの選手対象ミーティングでは、「ピンチとチャンスを感じ取り、そこへ向かうスプリントを繰り返し発揮できるように」という部分がチーフコーチから強調して伝えられました。常にハードワークするというベースの上に、サッカーというスポーツの特性を理解しゴール前で最大限のエネルギーを注げる選手になることを目指しています。そのために、日頃から観たり考えたりすることで判断材料を増やし、失敗を恐れず実行に移すことが大切です。
各々が目的地を定め、到達への道すじを描く
オフザピッチでの時間の使い方については、上級生が良い見本となっています。トレーニングの前後に用具を使用してのストレッチをしたり、個人強化メニューに取り組んだり、交代浴をしたりと、各々が工夫をしています。チームでの活動ではない分、一人ひとりの「どうなりたいのか」、「何を目指すのか」という思いが、日々の行動の動機づけになります。目指す場所を明確にして、日頃から小さなことや些細にみえることを大切にする選手になっていってほしいと思っています。
最後に
一般社団法人大阪府サッカー協会、堺市教育委員会をはじめ、たくさんの方々のご理解やご協力によってアカデミー堺の活動が成り立っています。9年目を迎えましたが、選手にとってさらに実り多き活動になるよう、スタッフも精一杯指導とサポートに励んでいきます。
例年とは異なった短期間の夏休みにはなりますが、選手たちには、日頃のアカデミーでの生活で積み上げたことを各所属チームで存分に発揮してきてもらいたいです。