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[特集]部活動の実情とこれから 福島隆志 JFA学校部活動検討委員インタビュー 後編 「サッカーファミリーをキーワードに中学年代の課題に向き合う」
2020年08月05日
2018年にスポーツ庁から策定された「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を受けて中学年代の部活動で大きな変化が起きた。福島隆志JFA学校部活動検討委員(日本中学校体育連盟サッカー競技部長)に中学年代の部活動における実情や課題について聞いた。
電話インタビュー日:2020年3月19日
※本記事はJFAnews2020年4月号に掲載されたものです
効率的なトレーニングは中学年代全体の流れに
――話は変わりますが、中学校ではサッカー未経験の指導者はどのくらいいるのでしょうか。
福島 調査をしたことはありませんが、10校あればサッカーを専門とされている指導者がいるのはだいたい6校くらいあると思います。それ以外は専門外の方が見ています。ただ、地域によって差があると思います。
――サッカー未経験で指導者や審判員ライセンスを持っていない先生方への接し方はいかがでしょうか。
福島 サッカーの場合は、指導者が未経験者であれば「審判の割当を押し付けることはしないようにしよう」と申し合わせています。それはサッカーの現場が楽しいと思ってもらえるようにするためです。まずは勉強して、審判であればまず4級を取ることをお勧めして、練習試合を組んだときに一緒にやってみる。そういうコミュニケーションは取れていますし、どの都道府県でもすごく大事にしていることです。それはやはりJFAの「サッカーファミリー」というキーワードが大きいと思っています。
――これからの課題はどのようなことが挙げられますか。
福島 先ほども言いましたが、まずは全中改革です。中学年代では最高峰の戦いとして高円宮杯J FA全日本U-15サッカー選手権大会があって、クラブだけのクラブユース選手権(U-15)大会と中体連の全中が軸になっています。近年、中体連のチームで高円宮杯に行けるチームは限られてきましたが、クラブユース選手権に負けない魅力的な全中をつくることは大事です。そう簡単にはいきませんが、目標にできる夢舞台はしっかり整えたいと思います。
あとは毎日の活動の中で、子どもたちが魅力ある指導者のもとで主体的にサッカーができる環境ですね。暴力暴言は今でも中体連の中でも報告が上がってきています。まずはそれらをゼロにしていくこと。サッカーは楽しいと子どもたちが思える雰囲気をつくりたいと思います。
――合同部活動は数が増えていると聞きました。
福島 数は増えていますが課題もあります。合同チームの場合は、中体連の規定がサッカーだけでなく、全種目を通しての一律の規定になります。基本、中体連としての基準は、サッカーであれば11人に満たない学校同士が合同するというのが原則なんです。それだと救済できないチームや選手が出てきます。そこで人数が足りているチームに足りないチームを吸収させるとか、人数が足りないチームに足りているチームから選手を派遣するなど、都道府県の状況によってローカルルールを認めています。サッカーは大丈夫だと思うのですが、競技によっては強化に使うようなことが起こりうるかもしれません。中体連としてはなかなかそこの規定を緩和できないので、合同チームがうまく進んでないのが現状です。
――JFAと中体連の合同チームのルールが異なるのはそういう事情があるんですね。
福島 そういうことです。ここはなるべくJFAのルールに変えてもらえないかと意見を出しています。ただ、いろいろな種目の取り組みを考えたときに、中体連はある意味、学校対抗という枠組みがあるので、そこを簡単に崩せない。崩した場合に今の持続可能な部活動と相反する強化をするような行動など大きな支障がでてくる可能性があるので、慎重にならざるを得ないという状況です。
「中学校部活動サッカー指導の手引き」の案内
JFAが部活動をサポートするため、2018年7月に作成したハンドブック。「JFAのサッカー部活動に対する考え」「指導上の留意点」など18項目にわたって書かれている。また練習計画を立てる上で活用できる「活動予定表」も掲載。下記からダウンロードができる。
http://www.jfa.jp/coach/physical_training_club_activity/guidance.html
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