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真のエリートを目指して ~JFAアカデミー福島男子EAST スタッフ通信Vol.5
2022年03月14日
JFAアカデミーでは「常に(どんな時でも、日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間を育成する」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回、JFAアカデミー福島EASTのレポートを担当するのは総務の大門勇登さんです。
自分のことは自分で決める
JFAアカデミー福島EAST総務の大門勇登です。アカデミーが福島県で活動を再開してから1年が経とうとしています。福島の関係者をはじめ、多くの方々の尽力があって福島県で活動が再開できたことにこの場を借りて感謝申し上げます。
1日のうちサッカーのトレーニング時間を2時間としたならば、残りの22時間は「オフ・ザ・ピッチ」になります。寮生活のため大枠のスケジュールは決まっていますが、多くの時間の過ごし方を選手は自分で決める必要があります。この時間をいかに有効に使えるかが、自分の理想とする世界に行けるか否かを決めると言っても過言ではありません。
スタッフ通信vol.1で池内豊監督が「観て→分析して→判断して→実行する」のサイクルの習慣化を働きかけていると述べましたが、与えられた時間をどのようにマネジメントするのかという点において、「オフ・ザ・ピッチ」でも求めることは同様です。
今年1年間で選手たち全員が「サッカーと私生活は密接に繋がっている」ことの重要性を学び、ことあるごとに「オフ・ザ・ピッチ」の重要性を述べています。時間を有効に使うためには自分で自分をマネジメントしなければなりませんが、そのためには自立することが求められ、同時に工夫する力も必要です。それらは真のエリートとなるための土台でもあります。
学習時間での取り組みと工夫
毎日1時間学習の時間を設けていますが、ここでの決め事は学習をするということのみです。数学をしなさい、学校の宿題をしなさいというような決め事は特に設けておらず、自分自身で取り組む内容を決めなければなりません。最初はただ学校の宿題をこなすだけの選手がほとんどでしたが、次第に目的意識を持って宿題に取り組む様子、苦手分野を補強する様子、追加の課題を設定して学習に取り組む様子が見られるようになりました。
直近のニュースに興味を持ち、知らないことを調べてまとめる選手、海外で活躍するために英語を使えるようになることを目的に英語のプレゼンテーションを字幕付きで見る選手も出てきました。彼らが自ら判断し行動に移したこれらの工夫を、今後様々な場面で活かしていってほしいです。
自由時間の取り組みと工夫
自由時間の過ごし方について、「こういうことをした方がいいよ」「空いている時間を有効に使おう」「だらしないぞ」という声掛けは時折しますし、行動の判断基準は与えますが、スタッフが過剰に干渉することはありません。自分で自分の行動をマネジメントできるようにするためです。
人に言われて自主練をすることと、自分の意志で自主練をすることに大きな違いがあるのは明らかです。回復のため昼寝をする、補強トレーニングをする、練習動画を見る、追加の勉強をするなど、一般的にやった方が良いと言われることを主体的に、目的を持って取り組める選手が出てきたことは良い兆しです。
周りに良い影響を与えられる存在へ
自分の行動をマネジメントできるようになると、次第に周りのことを俯瞰して観て行動できるようになります。福島拠点は現在中学1年生しか在籍していません。そのため、彼らのほとんどは自分のことをマネジメントできるよう、自身と一生懸命戦っている段階です。周りに良い影響を与えられるようになるためには、やるべきタスクがまだたくさんあります。
サッカー中のみならず、社会に出ると様々な問題に直面します。その問題のほとんどは決まった解答がありません。一人で解決できない問題もたくさんあります。それらの課題を迅速に解決するためには、自分の意見を整理し、周りに伝える必要があります。スタッフ通信vol.2で佐藤令治コーチが言語技術の重要性を述べましたが、常に物事を分析し、意見を発信し、人と議論できるようになることが彼らの今後の課題です。それができるようになった時、真のエリートへまた一歩近づけるのではないかと考えています。