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Fリーグ育成GK巡回指導を大分で実施
2023年06月27日
JFAフットサル委員会では、フットサルの発展と強化のために専門分野ごとにプロジェクトを立ち上げ、それらプロジェクトのもとに様々な活動に取り組んでいます。プロジェクトのひとつであるフットサルGKプロジェクトは今年度、Fリーグディビジョン1クラブと協働し、世界で活躍できるGKの育成を目標に、クラブに関わる育成年代のGKを指導する『Fリーグ育成GK巡回指導』を展開します。『Fリーグ育成GK巡回指導』では、現代フットサルGKに求められる理想像から逆算し、育成年代で身につけるべき基礎を伝達するとともに、フットサル日本代表チームで活躍が期待できるタレントの発掘や、Fリーグクラブとのこれまで以上に活発な情報交換も実現していきます。
6月11日(日)に名古屋で実施した第1回に続き、25日(日)に大分で第2回巡回指導を実施しました。
JFAフットサルGKプロジェクトの内山慶太郎リーダーの指導に集まったのはU-18年代の選手1人とU-21年代の選手2人の計3人。普段は部活でサッカーをしている選手、大学でフットサルに取り組む選手、クラブのトップチームでプレーする選手と、経験値や日常の環境などは三者三様です。
Fリーグの試合後にバサジィ大分の練習場で行われたトレーニングには狩野新監督やスタッフも参加。サポートするのみでなく、どういった狙いで何をするのか、ひとつも見逃すまいと目を向け、耳を傾けている様子でした。
メニューは第1回とほぼ同様に、2人組でのボールフィーリングや様々なテクニックの確認するウォーミングアップに始まり、コラプシング(手のセービング)やフットセーブ、クロスブロッキングといった技術の獲得にアプローチしたトレーニングが続きます。しかし名古屋でのトレーニングとの大きな違いとして、年齢やフットサルの経験値を考慮してゲームの状況をより強く意識させます。どういった場面でどんな技術を発揮してゴールを守るのか、攻撃の起点となるのか、すべてのトレーニングの前提としてゲーム状況下を想定して取り組みます。内山コーチはゲームで実際に起こりうるシチュエーションを設定して、選手たちは実際にゲームで求められるスピードと強度の中で正しく判断・決断し、止める・弾く・蹴り出す・運ぶ・つなぐといったプレーを連続的に複合的に選択、実行するなど、フロアを汗で濡らしながら懸命に食らいついていきます。結果を求められる環境でプレーしているU-21の選手たちが自分のプレーにストイックにこだわって取り組む一方で、U-18の選手はその姿を見ながら、サッカーで身につけてきた技術を用いながら新たに教わるフットサル特有の技術にも正面から向き合い、ときには互いに声を掛け合って高め合いながら約2時間のトレーニングを終えました。
この1回のトレーニングで技術力が飛躍的に向上するわけではありませんが、選手の意識に改善が生まれ、それが所属チームでの日々のトレーニングにいい形で反映されることで、選手の成長速度が上がることに期待がかかります。
次回は7月1日(土)にエスポラーダ北海道を訪問します。
スタッフコメント
内山慶太郎 プロジェクトリーダー(JFAフットサルGKプロジェクト)
2回目となるFリーグ育成GK巡回指導はバサジィ大分さんを訪問させていただきました。選手はU-21の選手2名とU-18の選手1名の計3名が参加し、試合のシチュエーションをイメージしながら基礎のブラッシュアップに努めました。世代ごとに設定を調整し、その中で個別にフィードバックを行いながらの進行となりましたが、全員が自分ごととして話を聞いており、少しでも上手くなりたいという意志が強く感じられるセッションとなりました。
トップチームの狩野監督をはじめ、スタッフの皆さんがFリーグの試合後であるにも関わらず参加してくださり、選手とだけでなく指導者同士のコミュニケーションも取れて、非常に有意義な時間にすることができました。本活動にご理解とご協力をいただいたバサジィ大分の皆さま、意欲的に取り組んでくれた選手の皆さんに感謝申し上げます。
狩野新 監督(バサジィ大分)
監督という立場でゴールキーパーのところにはなかなかフォーカスできていなかったので、今回の企画はすごく嬉しく思っています。選手たちにこの件を話したときも喜んでくれて、今日を楽しみにしていました。(戸田選手は)試合後でしたが、それでも参加したいと言ってくれて、私としてもすごくいい経験になると思ったので参加させました。
内山さんのトレーニングでは強度のところが一番求められていたと思うのですが、強度が高くなると自然に集中力も増すというか、集中していないとできないトレーニングなので、普段以上に集中力というところは選手の表情からもすごく伝わってきました。
今日参加した児玉選手は16歳の高校生ですが、フットサルがすごく好きだけど教わる環境がなかった中でもサッカーと両立していきたいと話してくれて、今回はすごくいい経験ができたと話してくれました。こういう活動に育成年代のいろいろな選手が参加することでフットサルやFリーグの魅力に近づいてもらえると思うので、私も多くの高校生や若い選手にこうした場を紹介していきたいです。
参加選手コメント
児玉准哉 選手(鶴崎工業高)
参加してみて、楽しかったという気持ちが一番大きいです。今までこうしたクオリティの高い練習をしてこなかったので、自分にとってとてもいい経験になりましたし、これからも生かせるかなと思います。中学1年生の頃のチームがフットサルのチームということもあって週2回か週3回くらいフットサルの練習はしていましたが、高校に入ってフットサルをする機会がなくなったので久しぶりにできたということもあってとても楽しかったです。基礎的な動きはサッカーと同じ部分があるので、そこは今後も生かせると思います。
片岡浩太 選手(大阪成蹊大)
いつもと違う強度の中で質が求められ、基礎的なことも含めて自分に足りないところが改めて分かったので、もう一度自分を見直していきたいと思いました。コラプシングのところやキャッチした後に返すボールというところはこれまでも言われてきた部分で、まずはそこの意識をもう少ししっかりとさせてからその次のステップに進んで、階段を少しずつ登っていけたらという風に思っています。今後は自分が目標としているFリーグの舞台で戦いたいという気持ちがありますし、今、大学に所属している以上は大学選手権で連覇できるように、こういう場で経験したことをチームに還元していけたらいいと思うので、そこはもっと頑張っていきたいです。今日は本当に楽しかったです。最高でした。
戸田貴英 選手(バサジィ大分)
基礎技術の無さがとても出たなという感じです。試合中でもどこに弾くのかとか、エラーという点は狩野監督にも言われていて、自分の課題として出てはいましたが、今日のトレーニングでも明らかにキャッチの技術の無さなどが出たかなと思いました。内山コーチとは代表チームで一緒に活動したことがありますが、大分で指導を受けるのは新鮮でした。内山コーチのトレーニングを想像はしていましたが、いつも通りできつかったです。大分では毎日2部練習をしていてフットサルに集中できる環境で、それに慣れていた分、きついトレーニングにもついていけるというか、自分に余裕が出てきたこともあって少しはついていけるようにはなってきたかなと思います。アンダーカテゴリーの活動に参加した時とは求められる技術が少し違っていて、今日内山コーチに教わったものは日本代表のモデルだと思います。日本代表は近いところで10月にAFCフットサルアジアカップ2024予選があるので、そこに食い込んでいけるように頑張っていきます。