ニュース
女子GKキャンプ、2023年度1回目の活動を高円宮記念JFA夢フィールドで実施
2023年07月06日
6月30日(金)から7月2日(日)、千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドで、今年度初めての女子GKキャンプを実施しました。U-15・14年代から10名、U-13年代10名、計20名の選手が北海道から九州までの全国から集まり、3日間のプログラムに取り組みました。
初日はウォーミングアップから始まり、フィジカル測定、各カテゴリーに分かれてのトレーニングを行いました。また、夜はそれぞれのカテゴリーでミーティングを実施。GKの役割、プレーの分析、基本技術の徹底、味方とのコミュニケーションについて学びました。
2日目午前のトレーニングは大雨、最終日は晴天と、気候の変動がある中ではありましたが、選手たちは集中してトレーニングを行いました。
今回、なでしこジャパン(日本女子代表)がMS&ADカップ2023、およびFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023を前に、同施設でトレーニングキャンプを実施していました。なでしこジャパン(日本女子代表)のトレーニングを見学し、代表選手のプレーを目の前で見ることができ、プレーの質、集中力、圧倒的なパワーに魅了されていました。
その日の夜のミーティングでは、なでしこジャパンの山下杏也加選手、平尾知佳選手、田中桃子選手とトレーニングパートナーとして共に活動している大場朱羽選手、西入俊浩GKコーチ、そして池田太監督がサプライズで登場してくれました。選手たちは4名の選手たちに「GKからFPへはどのようなコーチングをしたらよいか?」、「普段のトレーニングで心がけていることは?」、「仲間からの信頼を勝ち取るためには?」等、積極的に手を挙げ質問をし、一生懸命メモをとって聞いていました。最後に記念撮影と握手を交わし、20名の選手にとって、とてもよい経験となりました。
全国から集まったライバル達と、オンザピッチ、オフザピッチ両方で様々な刺激を受け、今回の経験を所属チームに持ち帰り、選手たちはそれぞれの活躍と、また再会することを誓い合い帰路につきました。
GKコーチコメント
井嶋正樹 GKチーフコーチ
今回の女子GKキャンプは、U-13年代から10名、U-14~15年代から10名の計20名の選手を全国から招集し、活動を実施しました。
オープニングのミーティングで、この女子GKキャンプにおける活動の中で意識してもらいたい「なでしこらしさ=ひたむき、芯が強い、明るい、礼儀正しい」についての理解を深め、ピッチの上と日常の生活の中で選手たちが、どの様な形でなでしこらしさを意識して取り組めるかという確認を行いました。また、GKのトレーニングテーマについても選手たちと理解を深めることができました。
トレーニングにおいては、各カテゴリーで年代に応じたオーガナイズで実施しました。4回のトレーニングの中で各テーマに対して意識すべきことを理解し、選手たちが1つ1つのプレーを積極的にチャレンジする場面が多く見られました。また、積極的なチャレンジの中で起こるエラーに対して、選手たちは前向きに切り替えて、次のプレーに高い集中力でチャレンジしてくれました。限られたトレーニング回数でありましたが、選手たちの前向きな取り組みで多くの気づきと成功体験を得ることができたと思います。
また、今回の女子GKキャンプの活動内で2回のミーティングを実施しました。初日に「プレー分析」についてGKのプレーの3局面に対して理解を深め、自分たちの実際のプレーを映像で振り返りながら分析を行い、プレー前の準備の重要性を整理することができました。今回の活動の中で、なでしこジャパンのトレーニング見学もプログラムしており、選手たちは身近でなでしこジャパンの選手たちのプレーを学ぶことができました。選手たちが憧れの眼差しやプレー強度の高さに驚く様子は印象的でした。2日目のミーティングとして、なでしこジャパンで活動中のGKの4名の選手と西入GKコーチと交流ミーティングを実施しました。参加した選手たちは、それぞれに質問をGK4名に投げかけ、それに対して、自身の経験を踏まえて「女子GKキャンプ」経験者の先輩として1つ1つ丁寧に参加選手たちに答えてくれていました。参加選手たちにとって、忘れることのない有意義な時間となったと思います。最後には池田太監督より選手たちに対してGKというポジションの重要性についてメッセージをもらうことができました。
今回の女子GKキャンプを通じて得ることのできた経験や知識をこれからの成長に繋げてくれることを期待しています。
最後になりますが、今回の女子GKキャンプを実施することに対し、ご理解とご協力をいただきました、所属チームの関係者、学校関係者、ご家族の皆さま、選手たちが活動に対して集中して取り組める環境をサポートしていただいた施設関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
選手コメント
小野美空 選手(VOCK大崎レディースフットボールクラブ)
私はGKキャンプで、たくさんの事を学びました。特に私は、サッカーというスポーツについて、改めて詳しく知れたと思います。U-13の練習では、GKの練習はもちろんですがFPの練習もしました。そしてミーティングでは、サッカーの本質、試合の構造、テーマ等、GKというポジションに囚われず、サッカー全体の事を知る事ができてとても良かったと思います。そして今回のGKキャンプ2日目では、なでしこジャパンの選手の練習を見学する事ができ、その夜のミーティングでも、なでしこジャパン代表のGKの方々に質問する事ができて、とても良い経験になりました。自分が不安に思っていたことや疑問に思っていたこと等、コーチに質問したり、同じ練習している仲間のプレーを見て理解したり聞いたりすることができました。今回のGKキャンプで学んだことを持ち帰り、継続することで日本代表へ一歩ずつ近づけると思うので、これからも食事や睡眠・運動を大事にし健康で良い体作り等をしていきたいです。
岡澤百華 選手(FC Liventガールズ)
今回のGKキャンプを通して、沢山の方々と出会えたことに感謝します。小学生の頃からキーパーを始めて、今までにないとても良い経験をさせていただきました。めったに会えない他県のライバルやJFAコーチ、スタッフのみなさん。コーチに教わりながら互いに高め合える良きライバルと一緒に最高の3日間を過ごせて本当に良かったです。
3日間の練習の中で、皆ができていることを自分できなかったことが一番悔しかったです。でもミーティング後に、自分の改善すべき所を積極的にコーチに聞けたので良かったです。私の夢は、プロサッカー選手です。世の中に名前を覚えられる選手になるために、私はこのチャンスを逃さずに必ず日本代表メンバーにのし上がります。
池田桃花 選手(ノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ)
今回のキャンプを振り返って、まずこのような素晴しい環境でプレーすることができ、今まで指導してくださったコーチの方々やキャンプに携わっていただいた方に、感謝の気持ちでいっぱいです。私は3日間という短い期間の中で、自分の通じるプレーや、逆に自分の課題が明確になりました。プレー以外では食事や睡眠の大切さや礼儀正しさなどを学びました。全国から集まってきたレベルの高い選手の良いプレーや、実際になでしこ選手の練習を見て分析したこと、なでしこのGK選手がミーティングで話していただいた、「気持ちを切り替える時に意識していること」や「信頼を得るためのプレー」を、自分の課題に当てはめ、もっとレベルを上げることができるように、自チームで今回得たことを意識しながらプレーしていきたいてす。また、レベルアップして将来プロサッカー選手になれるようにこれからの練習に励みます。
宮内莉愛 選手(いわきFC Girls)
まず日本代表と同じような環境でプレーできたことに、携わっていただいた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。私は初めてキャンプに参加したので、緊張して自分の持ってる力を全部発揮することができなかったことがすごく悔しく思います。ですがなるべく記憶に残してもらえるように、いつもより積極的に前に出てプレーすることを意識しました。ミーティングでは知らなかった“3つの局面”や“リスクマネジメント”など、いろいろな用語・知識を身に付けることができ、もっと知りたいと思いました。
周りの人達とも1日目より仲良くなることができて、ゲーム中も名前を呼び合い、修正してほしい所を言い合える関係にまでなれて嬉しかったです。今回なでしこジャパンで活動中のGKの4名に来ていただき最初は驚きましたが、質問などに答えていただく時、コツコツ努力を積み重ねてきての今なんだなぁと実感ができたので、今回コーチ達から学んだことを自チームに持ち帰り、継続していきたいと思います。今回はキャンプに招集してくださりありがとうございました。とても楽しかったです!
女子GKキャンプとは
将来のなでしこジャパンのゴールキーパー(GK)を発掘・育成するプロジェクト。
日本女子サッカーの強化・育成の鍵であるU-15(中学生)年代前後の選手を「強化」「育成」「普及」の観点から選出し、継続したトレーニングを行う。