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2023年度最後のJFAナショナルGKキャンプが終了
2023年10月11日
2023年度3回目となるJFAナショナルGKキャンプを10月6日(金)~8日(日)の3日間、福島県のJヴィレッジで行いました。
このキャンプはU-14/U-13年代におけるポジション別指導・育成というテーマのもと、日本サッカー協会(JFA)が「JFA2005年宣言」で掲げた「2050年までのFIFAワールドカップ優勝」に向けて、将来の日本代表GK、そして世界一のGKの育成を目的に活動しています。トレーニングはテクニックの習熟度にあわせて選手3~4名の小グループに対してGKコーチが1名つく形でGKに求められるテクニックの習得とその質的向上を目的として実施しました。今年度は、第1回がU-14対象、第2回はU-13を対象に各20名で行い、第3回となる今回はU-14、U-13 各10名で実施しました。
トレーニングは昨年度および第1回、第2回に引き続き、常にゲームシチュエーションを想定しながら、この年代で身につけておかなければならないゴールプレーヤー(GP)※ のテクニックの習得を目的に実施しました。各選手の課題が異なる中、それぞれの選手の個別性に考慮してトレーニングを行うことで選手に最大限の刺激を与えることも目的としています。トレーニングセッションごとにJFA GKプロジェクト テクニカルアドバイザーであるフランス・フック氏(前オランダ代表 GKコーチ)も含めてコーチングスタッフ間で都度ディスカッションを行いながら、フランス・フック氏の知見を最大限生かしてキャンプ中にも常にアップデートし目の前の選手に即したトレーニングを計画し実施しました。
さらに、フランス・フック氏から選手に向けたレクチャーでは、選手たちの夢でもある、世界一のGPになるために、必要な要素とはなにか、ワールドクラスのGPになるために何が必要なのか、この年代で必要な要素とは何なのかについて、具体的かつ明確に提示がありました。
レクチャーの中では、SAMURAI BLUEでも活躍が期待される、鈴木彩艶選手のプレー映像を活用しながら、細部にわたるテクニックの部分までレクチャーが行われました。ナショナルGKキャンプに参加歴もある鈴木彩艶選手という、まさに憧れのロールモデルの具体的な例で説明がされることで、選手もより具体的な目標として共有できたのではないでしょうか。
実際に選手も熱心にノートを取り、質問も行うなど貪欲に吸収をしようと取り組んでいました。
どのカテゴリーにおいても、基本はテクニックであり、そこを突き詰めるためには、この年代での習得が必要です。だからこのナショナルGKキャンプがあるということ、また常に自分自身に高い要求をする。求め続ける・より良くなるように探求し続けることの重要性が熱く語られました。
2日目には、フィジカルフィットネスプロジェクトリーダーの菅野淳氏が、フィジカル測定、ムーブメントプレパレーションの指導なども実施し、フィジカル面、コンディショニングについても自チームに戻っても取り組めるメニューが提示され、選手は早速取り組み、大きな刺激を得ていました。
また、アジア大会杭州決勝を観戦し、日の丸を背負って戦う選手たちを応援しながら、将来自分たちもあの場所に立つんだという決意を改めて強く持ってくれたと思います。
2日目夜には選手と担当コーチでの1対1での個別ミーティングを行いました。選手自身が自分のトレーニング映像を見ながら課題やストロングポイントを再確認し、コーチからさらにフィードバックを受けたり、質問をすることで、各自のできていることと課題を明確にし、正しいテクニックを習得するためにはどうしたら良いのか、日常に戻った後にも意識をして取り組んでいけるようにコーチと一緒に再確認しました。
最終日のトレーニング終了後にも、各選手ごとにコーチングスタッフから今回のキャンプ全体を通してのフィードバックが行われました。こうして非常に多くの宿題を持ち帰り、自チームの日常の活動で取り組むべき自分の課題の改善や長所を伸ばすための宿題をより明確に意識することができたのではないでしょうか。
クロージングでは、フランス・フック氏から再び選手たちに向けて激励の言葉が送られました。選手たちがそれぞれの夢を実現するために、今回得た学びを生かし、また継続的に取り組むことで将来に向けて確実にステップを踏み成長してくれることが期待されます。
事業終了後も、コーチングスタッフ、テクニカルスタッフが協力して、選手個別のフィードバックやトレーニング映像を各所属先に送付するなど継続的なコミュニケーションをしていく予定です。今回のキャンプが日常での活動に生かされ、SAMURAI BLUEで活躍し、世界No.1のGPになる夢に繋げるべく、活動は続きます。
※ゴールキーパー(GK)の役割はゴールを守るだけでなくゲームの4局面での関わりが増え、攻撃でもチームのビルドアップに多く関わり、更に重要なポジションに変わってきていることから、GKプロジェクトでは、ゴールプレーヤー(GP)という名称の使用を提案しています。
スタッフコメント
井出大志 コーチ(日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ(U-16/U-15日本代表 GKコーチ))
2023年3回目のJFAナショナルGPキャンプは、日本国内から選抜された13歳と14歳のGP20名を対象として、福島県Jヴィレッジで3日間に渡り開催されました。GPの基本テクニックの習得をメインテーマとした今キャンプでは、1日目はシュートストップのプレーにおける基本の姿勢やポジショニング、ハンドリングテクニック、ダイビングテクニックにフォーカスしてトレーニングを行いました。2日目の午前トレーニングは、JFAフィジカルプロジェクトによるウォーミングアップと、GPに特化したスピードやジャンプカを測定するフィジカルテストを行い、その後のトレーニングでスルーパスや1対1の状況下で発揮されるテクニックのトレーニングを行いました。2日目の午後のトレーニングでは、クロスの状況下で発揮される基本テクニックであるジャンピングキャッチのフォームづくりや、クロスのインターセプトを実行するためのトレーニングを中心に行いました。3日目の午前に行った今キャンプ最後のトレーニングセッションでは、GPの攻撃に関するテクニックをテーマとして、パスとコントロールやスローイング、そして左右の足を使った各種キックにチャレンジしました。選手たちは苦手な足でのプレーにも積極的にトライし、集中してトレーニングに取り組みました。
1日目の夕食後の夜のミーティングセッションでは、JFAGPプロジェクトのアドバイザーであるフランス・フック氏から、「How to reach the top Level」のレクチャーが行われました。選手たちは世界のトップレベルを知るフランス・フック氏の言葉に懸命に耳を傾け、世界のトップレベルに到達するために何が必要なのかを知る貴重な機会となりました。2日目の夜のミーティングセッションでは、映像分析スタッフによって編集された自身のトレーニング映像を用いた個人ビデオフィードバックのミーティングも行われ、選手たちはピッチ内外でGPとして成長するための濃密な時間を過ごしました。
今キャンプで行われたトレーニングやミーティングを通して、学んだ知識や経験を今後の活動に生かして、更なる成長に繋げてくれることを期待しています。
また、同期間に開催されたリフレッシュ研修会に参加されたコーチの皆様とこの世代の指導方法やGPアクション分析の観点を共有することも出来ました。
この機会に選手を送り出していただいたチーム関係者の皆様、選手のご家族の皆様、選手やスタッフを受け入れていただきましたJヴィレッジの関係者の皆様に感謝申し上げます。
選手コメント
田岡尚未 選手(徳島ヴォルティスジュニアユース)
僕はキャンプでGPテクニックが成長できたと思います。トレーニング前にミーティングでプロのプレーを見て自分の中で動き等をイメージすることができ、フィールドで意識して体を動かすことができました。トレーニングでは、コーチに重心移動等を細分化して教えてもらい、意識することができました。僕は特に構えを意識してプレーできました。全体ミーティングでは、鈴木彩艶選手のプレーを参考にテクニックについてのレクチャーを行っていただきました。鈴木選手のプレーについて、フランス・フックコーチが分かりやすく教えてくれたことで自身にフィールドバックすることもできました。個人ミーティングでは、自分の映像を見て、コーチに良いところや改善点について教えてもらい、自分の課題を見つけることができました。
僕はこのキャンプに来て、変わった意識があります。
それは僕が日本代表になり、ワールドカップで優勝することです。そして世界No.1のGPになることです。
更に、GPと言う呼び名は11人のプレイヤーであるフィールドプレイヤーと同じであることを教わりました。
最後に、このようなキャンプに参加させていただきありがとうございました。
良い環境でプレーをさせてくれたJヴィレッジの方々、そして色々なことを学ばしていただいたコーチの方々、自チームや家族に感謝します。
本当にありがとうございました。
大下幸誠 選手(鹿島アントラーズつくばジュニアユース)
まず、ナショナルGKキャンプのメンバーに選んでもらえてとても嬉しいです。ありがとうございます。
僕はこの3日間で同年代のトップレベルのゴールプレーヤーと練習ができて良い刺激をもらえました。
今回のナショナルGKキャンプでは、GKの基本的な技術を中心に練習をし、前回のナショナルGKキャンプの時よりも良い動きができました。その中で出た課題をチームに戻り、日々のトレーニングで克服し、来年から始まるU-15日本代表に選ばれるよう頑張ります。
そのために、ピッチ内でもピッチ外でも今よりも高い意識を持って行動していきたいと思います。
関わっていただいたコーチ・スタッフの皆様ありがとうございました。
青木将一郎 選手(アビスパ福岡U-15)
全国のGPと指導者とのトレーニング、とても楽しかったです。こうした機会を設けていただき、ありがとうございました。
このキャンプでは、音を立てないキャッチング、ピックアップとフロントダイビングの使い分け、シュートのタイミングの合わせ方、両足・両手でパスを出せるようになることなど、チームの日常のトレーニングで身に付けてきたことをもっともっと細部までこだわることが大切だと感じました。
また、GKとしてゴールを守るだけでなく、FPと同じようにプレーできる技術を持っているGPを目指さないといけないという言葉が印象に残りました。
このキャンプで出た課題や設定した目標にこだわり、徹底的に自分の技術を磨き、チームの勝利に貢献できるよう日常からチャレンジし続け、常にこうした機会に選んでもらえるGPを目指します。
ナショナルGKキャンプは、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています。