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女子GKキャンプ、2023年度最後の活動を高円宮記念JFA夢フィールドで実施
2023年11月14日
11月10日(金)から11月12日(日)の3日間、千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドで、今年度2回目となる女子GKキャンプを実施しました。U-15・14年代から10名、U-13年代から10名、計20名の選手が北海道から九州まで、日本各地から集まりました。
初日のオープニングのミーティングでは、井嶋正樹GKチーフコーチより、キャンプのスケジュールや目的を参加選手全員と共有しました。また、サプライズでなでしこジャパン(日本女子代表)の池田太監督がミーティングに参加。今年、FIFA女子ワールドカップや女子オリンピック サッカートーナメント パリ 2024 アジア2次予選を戦い、「世界大会は、本当にワクワクする。監督やコーチがワクワクするのだから、選手はもっとワクワクしているのだと思う。自分たちが好きなサッカーで世界に挑戦するという夢を持ってほしい。」と選手に語りかけました。
また、初日の夜には、なでしこジャパンの西入俊浩GKコーチがミーティングを実施。先日行われたオリンピック予選に選出された、山下杏也加選手、平尾知佳選手、田中桃子選手の3人もこの女子GKキャンプを経験し、各世代代表を経て、なでしこジャパンに選出されています。ミーティングでは、FIFA女子ワールドカップでの話題を中心に、なでしこジャパンGKのコンセプトを共有し、GK陣の絆の強さを実感しました。
ピッチ上だけではなく、ミーティングやオフザピッチの部分からも大きな刺激を受けた選手たちは、同じGKという仲間でもありライバルでもある選手たちとともに、切磋琢磨しながら3日間のプログラムに取り組みました。
スタッフコメント
監物政希 GKコーチ
今年度2回目となる女子GKキャンプをU15・14カテゴリー10名、U13カテゴリー10名、計20名の選手を招集してJFA夢フィールドにて実施しました。3日間の活動をスタートするオープニングではチーフの井嶋コーチから、この女子GKキャンプが全国から集まった選手たちの夢である「なでしこジャパン」につながっている場所であること、そこに辿り着くために我々が価値としている「なでしこらしさ」の再確認がありました。そして、なでしこジャパンの池田太監督に登壇いただき、日本を代表して世界と闘うことの誇らしさと、参加選手たちへのエールを伝えていただきました。
実際のトレーニングはU13カテゴリー、U15・14カテゴリーに分かれて担当コーチが目の前の選手に合わせたトレーニングテーマ・メニューをプランニングして実施しました。選手たちはGKの攻守のテクニックを細部にわたってトレーニングしました。オフザピッチでは、フィジカル面・コンディショニング面のレクチャーで知識を学び、このキャンプ内でも早速実践する様子が見られました。また、初日夜の井嶋チーフによるサッカーの4局面・GKプレーの3局面のレクチャーでプレー分析の仕方を学びました。そしてなでしこジャパンの西入GKコーチから、FIFA女子ワールドカップ2023に向けてのなでしこジャパンGKグループの準備のトレーニングを映像で見せていただき、その映像からもプレー分析の観点を学びました。その結果、選手たちは2日目夜の個人フィードバックで実際の自分のプレー映像を見て、担当コーチと一緒に自分のプレーをさらに良くするための課題を発見できました。
今活動では2日目に指導者ライセンスリフレッシュ研修会が実施され、受講生の方々に実際のトレーニングを視察していただきました。午後のトレーニング後に行われた質疑応答では、参加者の方からトレーニングを観て疑問に感じられたことの質問や、実際の指導現場での課題などを挙げていただき、ディスカッションすることができました。
今回の活動を通し、選手たちの夢である「なでしこジャパン」が日々のトレーニングの先につながっていることを選手たちが実感し、そのための取り組みを実践していく動機づけになることを願っています。最後になりましたが、このキャンプを実施するにあたり選手を送り出していただいた学校・所属クラブ・チーム指導者の方々、各地域トレセン指導者の皆様、そして何より選手の成長を望んでおられる保護者の皆様にお礼と感謝を申し上げます。またサポートいただいたすべての関係者の皆様にも併せて感謝申し上げます。今後とも女子GK育成にご理解、ご協力をいただき、選手たちが世界の舞台で活躍する日が来ることを希望しております。ありがとうございました。
選手コメント
野中有 選手(浦和レッドダイヤモンズレディースジュニアユース)
私は、今回のGKキャンプを通して、改めてサッカーができることへの喜び、それに加え、たくさんの方々に支えていただいて今の私があるということを感じることができました。そこには、保護者、監督、コーチ、関係者を含めたくさんの方々がいます。今は、その方々への感謝の気持ちでいっぱいです。私はいままでGKキャンプを始めとする活動に参加した経験がありませんでした。キャンプが始まる前、私はずっと憧れてきたJFAのエンブレムをつけられることに胸が高鳴っていました。実際、3日間行われたキャンプでは、エンブレムの重みを感じながらも、少しずつ自分を表現して、仲間とコミュニケーションを取り、プレーできたと感じています。また、このキャンプでは、アスリートとしての食事や礼儀、礼節、体作りなどプレー以外のこともたくさん学ぶことができました。たくさんのレクチャーの中で学んだこと、感じたこと、気づけたことをチームへ持ち帰り、練習して、ゲームで実践し、そしてまた練習して、それをクリアして、もっともっとうまくなり、今度は日の丸を背負って世界でプレーできるように頑張りたいと思います。
草野咲綺 選手(フライアFCウェネス/JFAアカデミー今治)
私にとって3回目となるキーパーキャンプに参加させていただきました。不安も緊張もたくさんありましたが、チャンスと捉え、3日間全力で楽しくサッカーをしようと決めていました。サッカー面では、シュートストップはもちろん、姿勢やステップ、立ち位置なども学ぶことができました。夜のレクチャーでは、食事やコンディション、栄養の正しい摂り方などを教えてもらいました。個別ミーティングでは、自分の長所と課題を見つけることができたので、これからのサッカーに繋げていきたいと思います。全国のGKの人たちととても良い環境でサッカーができたことに感謝し、これからも夢に向かって、努力し続けます。
蜷川梅乃 選手(RESC GIRLS U-15/JFAアカデミー堺)
今回のキャンプでは、生活面、食事、時間管理、備品管理、片付け、あいさつなど一つひとつの行動にしっかり責任を持つということを改めて学びました。トレーニングでは基礎を定着させ、プレーの細かな改善点を教えていただき、自分の課題と向き合える時間にもなりました。一つひとつのことを丁寧に教えてくださったので、より理解を深めることができました。チームに帰っても学んだことを継続できるようにしたいと思います。夜のミーティングでは、なでしこジャパンの西入GKコーチから直接学びました。プレー分析をテーマになでしこについて教えていただき、世界と戦っていくためにどういうことが大切なのか、選手一人ひとりはどういうことを意識してトレーニングをしているかを教えていただきました。メディカル面でも、日頃から気をつけていることと照らし合わすことができました。他には、自分のプレー分析をコーチと一緒にやりました。普段のプレー中では、自分でわかっていないことを映像で見られたため、自分の改善点を見つけられました。私にとってこの3日間は良い刺激になりました。最後に両親をはじめ、私に関わってくださっているすべての方に感謝します。「人生、楽もありゃ苦もあるさ・・・」大事なサッカー人生を歩んでいこうと思います。
山田果歩 選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-15)
今回のキャンプで特に意識して取り組んだことは「コミュニケーション」です。オンザピッチでは、キーパーをやっているときに味方のディフェンスに対して正確に、そしてわかりやすいようにはっきりした声で、自分の準備(ポジショニング)にも気をつけながら、常に味方と連係することを意識しました。また、オフザピッチでは、初めて会う人ばかりだったのですが、年齢・学年問わず色んな人と話し、仲良くなることができました。また、今回の合宿では、コーチが一人ひとりしっかり見てくださり、自分の長所である声掛けの質を高めることができました。GKしかいないからこそ初めて見るプレースタイルの人や、それぞれみんな良いところがあり、たくさん吸収することができた3日間でした。
女子GKキャンプとは
将来のなでしこジャパンのゴールキーパー(GK)を発掘・育成するプロジェクト。
日本女子サッカーの強化・育成の鍵であるU-15(中学生)年代前後の選手を「強化」「育成」「普及」の観点から選出し、継続したトレーニングを行う。