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JFA100周年セレブレーションを実施
2021年09月13日
日本サッカー協会(JFA)は2021年9月10日(金)、創立100周年を迎えました。これを記念して同日、舞浜アンフィシアターでJFA100周年セレブレーションを行いました。
セレブレーションにはJFA名誉総裁である高円宮妃久子殿下にもご臨席を仰ぎ、「100周年の記念日は、新たな100年に向かう出発点。未来を見据えた取り組みに高い志をもってまい進していただくことを切に願い、協会のますますの発展を心より祈念いたします」と、祝福と今後の発展を祈念するおことばをいただきました。
続いて室伏広治スポーツ庁長官が登壇し、「JFA創設100年という輝かしい節目を契機とし、今後も関係の皆さま方が一致協力の下、我が国におけるサッカー振興の中心的な役割を果たしていただけるよう、またサッカーを通じ健康増進、共生社会の実現や、経済、地域の活性化、活力ある社会づくりに貢献されますことを心から期待しています」とあいさつの言葉を述べました。
ここからは「日本サッカー歴史絵巻」と題し、日本サッカーの黎明期から現在に至るまでのさまざまな出来事を、貴重な映像や当事者の証言をもとに振り返っていきます。映像は3幕構成で、第1幕のサブタイトルは「なにも知らなかった時代」。日本にサッカーが紹介された頃から大日本蹴球協會の設立、日本代表の歩みなどを紹介していきます。“日本サッカーの父”と呼ばれたデットマール・クラマー氏の尽力や、彼の指導を受けて力をつけた選手たちが1968年メキシコオリンピックで銅メダルを獲得した様子がスクリーンに映し出された後、同大会で得点王に輝いた釜本邦茂氏が登場し、当時の思い出や現在の代表チームへの提言をしました。
ハーフタイム(休憩)を挟んだ後、歴史絵巻は第2幕「世界との差を意識した時代」、第3幕「世界に食らいついた時代」へと続いていきます。ストーリーを彩ったのは、新しい道を切り拓いた功労者たち。育成年代の発展に貢献した大澤英雄氏や古沼貞雄氏、セルジオ越後氏、漫画『キャプテン翼』を生み出してサッカーブームの火付け役となった高橋陽一先生、そして、日本人で初めて欧州のトップレベルでプロとして活躍した奥寺康彦氏。いずれも日本サッカーの歴史を語る上では欠かせない人たちです。
そして1993年にJリーグが開幕。2002年にワールドカップが日韓共催で行われることも決まります。Jリーグ初代チェアマンを務めた川淵三郎相談役と、当時から現在に至るまで現役でプレーし続ける三浦知良選手が登場し、川淵相談役はJリーグ開幕時の苦労を、三浦選手は“今なおカズであり続ける理由”を語りました。また、選手として開幕当初のJリーグを支え、後に日本代表監督として2006年ドイツワールドカップ出場へと導いたジーコ氏も紹介され、「1991年に来日した際は、その後15年も日本で過ごすとは想像していませんでした。日本にサッカーの素晴らしい遺産を遺すことができればいいと思っています」と語りました。
日本代表が“ドーハの悲劇”を味わい、その経験を乗り越えて“ジョホールバルの歓喜”につなげ、初のワールドカップ出場を手繰り寄せた映像が流された後には、1998年フランス大会、2010年南アフリカ大会で指揮を執った岡田武史氏が登場。試合前に選手に伝えた言葉などを振り返った後、「今の選手たちは確実に成長しています。これからは多様性が必要」と現在の日本代表に向けてエールを送りました。
2011年には、東日本大震災を乗り越えてなでしこジャパン(日本女子代表)がFIFA女子ワールドカップ制覇の快挙を達成しました。感動的な映像が流れた後は、当時、チームを率いていた佐々木則夫氏、そしてキャプテンだった澤穂希氏が壇上に。澤氏は優勝できた要因として「チームの団結」を挙げ、「佐々木さんじゃなければ優勝できなかった」と恩師を称えました。
歴史絵巻はいよいよ現在へと近づきます。2018年にはロシアワールドカップやJヴィレッジの再開があり、2020年には高円宮記念JFA夢フィールドが開設されました。同施設にはフットサル日本代表が使用するアリーナも併設され、今年7月にはビーチサッカー日本代表のためにピッチ・カリオカもオープン。ここではブラジルから帰化し、サッカー日本代表としての活躍に加えてビーチサッカー日本代表監督としても大きく貢献したラモス瑠偉氏が登場。日の丸を背負って戦うことへの誇りや日本への感謝を熱く語ります。また、自身が脳梗塞を患った際に田嶋幸三会長や岡田氏からかけられた言葉を思い出し、涙ぐむ場面もありました。
さまざまな歴史を積み重ね、JFAは100周年を迎えることができました。ここから新しい100年へと歩みを進めていきます。JFA2005年宣言で掲げられた「夢があるから強くなる」というメッセージとともに、歴史絵巻は閉じられました。
その後、田嶋会長が登場し、名誉総裁として多大なる功績を残された高円宮憲仁親王を、敬意をもって特別に日本サッカー殿堂に掲額させていただくことを発表しました。
田嶋会長は続けて「未来への決意」と題したプレゼンテーションを行い、「未来への布石を打ってくださった皆さまに感謝しなければなりませんし、私たちもこれからの100年に向けて布石を打ち続けていかなければならない」と語るとともに、「次の新しい一歩を、もっと大きな歩幅で、皆さんと一緒に進んでいきたいと思います」と改めて宣言しました。
最後は特別ゲストとして「いきものががり」が登場し、『ブルーバード』を熱唱。続く『風が吹いている』を披露した際には、これまでの歴史と次の100年に向けての応援ムービーがスクリーンに映し出され、セレブレーションは100周年への祝福と次の100年に向けての希望に満ちた空気の中で終了しました。
登壇者コメント
高円宮妃久子殿下
100周年という節目を迎えられましたことをお喜び申し上げます。協会の皆さま、今まで関わってくださった多くの皆さまとともにこの記念すべき日を祝えますことをとてもうれしく思います。1987年に日本サッカー協会の名誉総裁にご就任になった殿下(高円宮憲仁親王)はサッカーをプレーされるのも観戦されるのも大好きでいらっしゃいました。常々、若手の育成が日本サッカーの発展につながると仰せで、水の枯れない井戸のごとく、優れた才能が輩出される体制づくり、そして普及によりすそ野を広げることがより高い頂につながるという考えをお持ちでした。日本サッカー100年の歴史において脈々と受け継がれてきた信義であると考えます。日本サッカー協会には、未来を見据えた取り組みに高い志をもってまい進していただくことを切に願い、協会のますますの発展を心より祈念いたしまして、わたくしの式典に寄せる言葉といたします。
室伏広治 スポーツ庁長官
100周年セレブレーションが盛大に開催されますことを心よりお喜び申し上げます。日本サッカー協会は1921年に大日本蹴球協会として設立されて以来、さまざまな国際・国内大会開催などを通じて、サッカーにおける競技力向上だけにとどまらず、日本国民がいつでもスポーツに親しむことのできる環境の整備や、パラスポーツとの連携など、スポーツの普及・振興に大いに尽力されてこられました。スポーツ庁としましても、サッカー競技のますますの普及・振興、競技力の向上に対して引き続き全力で支援させていただきます。SAMURAI BLUE、なでしこジャパンの活躍が日本中を笑顔に、そして日本を一つにしてくれると信じております。
田嶋幸三 JFA会長
本日、登壇してくださった多くの方々が日本サッカーを支えてくださいました。多くの方に支えられて今の日本サッカーがあるということを、私たちは忘れてはなりません。次の新しい一歩を、また次の100年に向けて、もっと大きな歩幅で、皆さんと一緒に進んでいきたいと思います。「DREAM 夢があるから強くなる」。このことを絶対に忘れることなく、私たちは日本サッカー協会を発展させていきます。そして30年後、50年後、100年後に「あの時のJFAは新型コロナウイルスを克服して頑張った」といわれるように、この困難を乗り越えていきたいと思います。皆さん一緒に頑張っていきましょう。
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