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ずっとEnjoy♫ みんなPlay! だれでもJoin♪ 高校の施設を活用して 地域に欠かせないコミュニティーに(JFAnews2017年4月情報号より転載)
2017年04月30日
日本サッカー協会機関誌『JFAnews』では、「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー」の活動紹介を行なっています。その第8回目として2017年4月情報号(No.396)に「引退なし(ずっとEonjoy♫)」「補欠ゼロ(みんなPlay!)」「障がい者サッカー(だれでもJoin♪)」賛同パートナーであるNPO法人 幕総クラブ(千葉県千葉市)の活動を紹介しました。
■JFAnews2017年4月情報号(No.396)より転載 ■情報提供:サカイク:木之下潤
千葉県千葉市の幕総クラブは、サッカー、ダンス、水球、クライミングのスポーツを通して地域の人々とスポーツコミュニティーを育んでいる総合スポーツクラブだ。サッカー部門はクラブチーム「FC.MAKUHARI」を結成し、トップの社会人チームからU-18、U-15のユースチームが活動している。
活動拠点は、県内にある公立高校の幕張総合高校。文部科学省が推進する学校体育施設開放事業(学校の体育施設を学校 教育に支障のない範囲で地域住民のスポーツ活動を提供する こと)を活用している。クラブを立ち上げた幕張総合高校サッカー部の島田洋監督は、「公立校はグラウンドやさまざまな設備がそろい、いろいろな生徒たちが集まる場所。日本のスポーツの普及と発展に大きく寄与しているのは間違いなく、『それを利用しない手はない』と思った」と経緯を語る。
もとは同校サッカー部のOBがサッカーを楽しめる場として、島田監督とOBらが中心となって立ち上げた。しかし1996年、3 つの高校が幕張総合高校に統合され、生徒数は2,000人に増加。 「サッカー部の入部希望者が増え、高体連の大会やリーグ戦に全く出場できない選手が出てきた」(島田監督)。この事態を受け、選手の出場機会を創出しようと立ち上げたのがU-18年代を対象としたクラブチームだった。
現在、幕張総合高校サッカー部とFC.MAKUHARIのU-18は独自の方法で共存している。1年生はまず全員が幕張総合高校のサッカー部に入部する。2年生に進級する際にサッカー部かクラブチームを選択するのだが希望があればチームの行き来が可能。選手の中には、3年生になるときにクラブチームから高校サッカー部に移る者もいる。選手自らがプレーするステージを選択するこの仕組みが、選手のレベルアップを助長していると島田 監督は言う。「公式戦を経験すれば絶対にうまくなる。これは分かっていたことだが、幕総クラブを立ち上げて、あらためてそのことを再認識した。U-18チームをつくった当初は『みんなが満足できればいい』と思っていたが、選手たちは自らのレベルに合った場所で公式戦を経験して、うまくなっている。それは卒業生たち証 明してくれている」と島田監督は手応えを感じている。 U-18チームは高校サッカー部のセカンドチームとしてではなく、島田監督が「地域貢献活動を目的に立ち上げたクラブなので、他高校の選手も在籍しているし、U-15にはさまざまな地域から選手が集まっている」と言うように、地域に根付いたクラブチームとしての活動を続けている。
サッカー以外のスポーツ活動も幕張総合高校を拠点に行っており、ダンスは同校ダンス部OBが、サッカーや水球、クライミングは地域の経験者が指導にあたる。一つの場所でさまざまなスポーツや人が行き交うことで、幕総クラブは地域に欠かせないコミュニティーとなっている。