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【私の好きな本】平尾知佳選手(アルビレックス新潟レディース)~知識をサッカーに生かすことが喜び~
2020年05月13日
新型ウイルスの感染拡大を受け、多くの方が外出自粛をされています。自宅での過ごし方は人それぞれですが、サッカー選手はどのような本を読んでいるのか、またどのように自宅で過ごしているのでしょうか。今回は平尾知佳選手(アルビレックス新潟レディース)に話を聞きました。
※このインタビューは4月23日(木)にウェブ会議システムを利用して行いました。
自分なりに環境を楽しむために
みなさんこんにちは。平尾知佳です。私はサッカーと同様に読書も好きなので、おすすめの本を紹介したいと思います。
『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』という本なのですが、著者のピョートル・フェリークス・グジバチさんは、グーグルの人事担当を経て独立し起業された方です。
本の中には、思い通りに仕事ができないとか、新しい環境で自分の意見を伝えられないとか、上司の意見を聞くだけになってしまうなど、仕事に悩んでいる人が出てきます。社会に出て数年経つと、仕事の楽しさって何だろうと誰しも模索すると思いますが、そのヒントが本書にあったように思います。
私はこの本に出会うまで、サッカー選手としての使命感を必要以上に背負っていたというか「〇〇するために〇〇しなければいけない」という考え方になっていたように思います。でも、この本からは著者のように楽しんで仕事をすることの大切さを学びました。自分を変えてくれるきっかけになった本とも言えます。
現在、勤務形態がリモートワークになった方は多いと思いますし、私たちも活動を制限しながら過ごしています。そんな新しい環境下でも、自分なりに楽しくできることは何なんだろうと考えさせられる一冊でもあるので、ぜひこの本を手に取ってみてほしいと思います。
読書でコミュニケーション能力が向上
私はもともと読書が苦手でしたが、高校3年の時に女子特別指定選手になり、JFAアカデミー福島(静岡)と浦和レッズレディース(埼玉)を往復することが増えたので、その移動時間を有効活用するために読書を始ました。今では遠征先に3~4冊の本を持って行くほどです。
読書での知識をサッカーに生かすことができた時には大きな喜びがあるので、それも私が読書を続ける理由です。読書は言葉のレパートリーを増やしてくれるので、自分の感情を細かく表現できるようになりますし、それによってコミュニケーションが円滑になると感じています。
ゴールはGK一人ではなく味方と一緒に守るものなので、どのように守ってほしいかを周囲に的確に伝えるのは簡単ではありません。怒るような指示ばかりでなく、ポジティブな指示になるよう、言葉選びや伝え方が重要だと思いますが、それにも日々の読書は大いに役立っていると感じますね。
今はウイルスを感染拡大させないことに気を配りながらワークアウトのアプリを使うなどして個人トレーニングに励んでいます。時には料理をしたり、英語の勉強をしたりしているので、むしろ時間が足りないくらいです。
それでも、当たり前のようにサッカーができていた日々を思って、やっぱりサッカーは自分の中で大切なものだと再確認する毎日です。個人トレーニングや読書を続けながら、また楽しくサッカーができるようになる日を待ち続けたいと思います。