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神戸が今季初勝利でACL白星発進、川崎も今大会初勝利
2022年04月20日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022東地区グループステージ第2節が4月18日(月)、19日(火)に各地で行われ、今節初戦を迎えたヴィッセル神戸が傑志(香港)を2-1で破って白星スタート。川崎フロンターレ、浦和レッズもそれぞれ8-0、5-0と快勝で勝点3を手にしましたが、横浜F・マリノスは全北現代モータース(韓国)に0-1で敗れて初黒星となりました。
グループJの神戸は当初初戦に予定されていた上海海港(中国)がコロナ禍による渡航制限を受けて出場辞退となったため、他チームより1節遅れての初戦で、16日(土)にチェンライ・ユナイテッド(タイ)を1-0で破った傑志と対戦。MFアンドレス・イニエスタ選手がコンディション不良で不在の中、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督就任2試合目で今季初勝利を挙げました。
序盤からボールを支配した神戸は、前半15分最終ラインから左サイドへ大きく展開し、FWボージャン・クルキッチ選手がゴール前へ鋭いクロスを送り、これにFW大迫勇也選手が飛び込みますが、わずかに合いません。しかし相手GKが弾いたボールにMF郷家友太選手が飛び込んで左足で合わせ、先制ゴールを押し込みました。
タイのブリーラムでの慣れない暑さの中での初戦で、神戸はその後もパスを回して相手守備ブロックの綻びを探し、30分にはMF中坂勇哉選手の右クロスに大迫選手がゴール前で合わせゴールネットを揺らしますが、オフサイドと判定されます。
後半も神戸優勢は変わらず、57分には郷家選手、その2分後には郷家選手、DF酒井高徳選手が絡んだ右サイドの崩しからゴール前のMF井上潮音選手が相手ゴールに迫る場面を作り、60分過ぎには大迫選手も相手ゴールに迫ります。
追加点は85分でした。交代出場したMF汰木康也選手が緩急をつけた動きで相手DFを翻弄。左サイドからペナルティエリアに切り込むと逆サイドに走り込んだ井上選手へ浮き球のパスを送り、井上選手が決めて2-0としました。
その後、神戸は試合終盤に相手の反撃を受け、後半アディショナルタイムに自陣でのボールロストからカウンター攻撃から途中出場のFWアレックス・アカンデ選手に決められて1点を返されますが、追加点は許さず2-1で試合を終了。Jリーグでは今季開幕から10戦で勝ち星のなかった神戸ですが、3月15日のACLプレーオフ以来となる勝利となりました。傑志は1勝1敗です。
ロティーナ監督は、「勝ったことで悪い流れを立ち切って、心理面でこれからの試合にすごく良いものになる」と話しています。
神戸は次戦22日(金)に、この日試合のなかった地元タイのチェンライ・ユナイテッドと対戦します。
横浜FM、全北現代に黒星
グループHの横浜FMはベトナムのホーチミン・シティで19日(火)に行われた第2戦で韓国強豪の全北現代と対戦し、前半にPKで失点を喫して0-1で敗れ、今大会初黒星となりました。
横浜FMは、ボールを支配して試合を進めながらも、守備的に自陣を固めながらカウンターを狙う相手に攻めあぐねます。前半31分、パスの乱れを突かれてDFキム・ジンス選手に左サイドを攻め込まれ、ペナルティエリアで倒してPKを与えてしまいます。これをFWスタニスラフ・イルチェンコ選手が決めて、過去2大会優勝の全北が先制しました。
反撃を試みる横浜FMは40分過ぎにDF岩田智輝選手とFWエウベル選手が続けざまのシュートで相手ゴールを脅かしますが、相手GKのセーブもあり、ゴールを割れません。後半は選手交代でDF小池裕太選手やFWマルコス・ジュニオール選手ら5人を次々と投入。後半半ばには小池選手がDF角田遼太朗選手のパスを受けて鋭いシュートを放つなど、相手ゴールに迫る場面も作りましたがゴールが遠く、0-1で敗れました。
この結果、初戦をシドニーFC(オーストラリア)に引き分けていた全北は初白星で勝点を4として、1勝1敗勝点3のマリノスを抜いてグループ首位に立ちました。
横浜FMのケビン・マスカット監督は、「全体的にはコントロールできたしチャンスも作れたが、失点場面を含めた切り替えの部分や、最後に決める質を上げなければならない」と振り返りました。
横浜FMは次に22日(金)にシドニーと対戦します。シドニーはこの日、ホアンアイン・ザライ(ベトナム)と1-1で引き分け、2戦連続引き分けで3位につけています。
川崎、広州に8得点の快勝で初白星
グループIの川崎は4月18日(月)、マレーシアのジョホールバルで広州FCと対戦。若手主体の中国チームを相手に、FW知念慶選手、DF車屋紳太郎選手、FW小林悠選手が2得点ずつ挙げるなど8-0の快勝で今大会初白星を手にしました。
川崎は、中2日で続く試合に前節からGKチョン・ソンリョン選手以外を入れ替えて臨み、序盤からFW宮城天選手の左サイドの攻撃を起点に攻撃を畳みかけて、ゴールを重ねました。
知念選手は前半7分のCKに合わせた先制点と12分の追加点でチームを優位に立たせると、16分に車屋選手が続いて3-0にします。21分には小林選手がPKのリバウンドを押し込み、39分にもポスト跳ね返りに反応して前半で5-0とします。後半にも宮城選手、タイ代表MFチャナティップ選手、車屋選手がゴールネットを揺らしました。
また、先発でDF松井蓮時之選手、交代でFW五十嵐太陽とDF高井幸大選手が出場し、プロデビュー戦でチームの勝利に貢献しました。
川崎の鬼木達監督は、「スタートからアグレッシブに戦ってくれたことで、望んでいた先制を獲ることができ、良い時間帯に得点を重ねられた」と選手のアグレッシブな姿勢を勝因に挙げ、「総力戦」が求められる戦いで期待に応えた選手たちを評価しました。
この勝利で勝点を4として2位をキープした川崎は、次は21日(木)地元のジョホール・ダルル・タクジム(JDT)との連戦を迎えます。JDTはこの日、蔚山現代(韓国)を2-1で破って2連勝で首位を維持しています。
浦和、新加入シャルク選手の2得点などで2連勝
浦和は18日(月)、タイのブリーラムで山東泰山(中国)と対戦し、5-0の勝利を収めて2連勝でグループF首位に浮上しました。
若手主体の山東に対して、浦和は3日前の初戦から先発9人を入れ替えて臨み、右サイドを起点に攻撃を展開します。前半26分、MF関根貴大選手がゴール前に持ち込み、ACL初出場のFW明本考浩選手が押し込んで先制。その5分後に明本選手が獲得したPKを2戦連続先発のDFアレクサンダー・ショルツ選手が決めて、一気に2-0とリードします。
ハーフタイム後も浦和の攻勢は衰えず、後半開始から交代出場した新加入のFWアレックス・シャルク選手が53分にCKの流れから途中出場のDF岩波拓也選手の折り返しに反応して初ゴールをマーク。さらに76分には「クオリティに自信がある」というFKを直接決めて4-0とし、終了間際にも今季プロデビューのMF安居海渡選手がダメ押しの5点目をミドルレンジから叩き込みました。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、「前半は右サイドでクリエイティブなプレーがいくつかできていて、我々がやっていきたいことが明確にできた。大事なのは勝点を積み重ねること。次もしっかり勝点3を獲りたい」と話しました。
浦和は次の21日(木)に大邱FC(韓国)と続けて対戦します。大邱はこの日、シンガポールリーグ優勝のライオン・シティ・セーラーズ(LCS)に0-3で敗れて首位から3位に転落。代わって、今大会初勝利で大邱に得失点差で上回るLCSが2位に浮上です。
なお、日本勢のいないグループGではメルボルン・シティ(オーストラリア)がユナイテッド・シティ(フィリピン)に3-0で勝利し、地元タイのBGパトゥム・ユナイテッドが韓国の全南ドラゴンズに2-0で勝利。メルボルンが1勝1分で同率のパトゥムを得失点差で上回って首位に浮上し、全南は首位から3位へ後退しました。
東地区グループステージは5月1日まで2回戦総当たりで行われ、各グループ首位と5グループの2位のなかで上位3チームが8月に開催予定のノックアウトステージへ進出します。
監督・選手コメント
ミゲル・アンヘル・ロティーナ 監督(ヴィッセル神戸)
前半は自分たちのサッカーができて、ボールを保持してゲーム支配ができていました。後半は相手がよくなってきたことや、暑さの中で我々には初戦だったことなどもあって、前半ほどではなかったですが、結果を手に入れました。勝利はとても重要で、悪い流れを断ち切って心理面でこれからの試合に良いものになります。攻守に改善すべき点はまだまだありますが、この試合を通して選手たちについて問題があぶり出されたので、それを改善していくことが向上につながります。結果はポジティブですし、良かったと思います。
MF 郷家友太 選手(ヴィッセル神戸)
初戦の難しさもあって相手の時間帯もありましたが、そのなかで選手同士がどう解決すべきか、ピッチの中で話ができていました。今回の試合で出た課題を次の試合で改善したいです。あと3試合あるので、試合を戦うたびに成長できるようにしたいと思います。個人的にはサイドの選手なのでゴールはもちろん、アシストも求めたいです。チーム勝利のために自分がなにをできるかが重要です。チームファーストでやっていきます。
MF 井上潮音 選手(ヴィッセル神戸)
1-0という緊迫した状況でしたが、汰木選手が自分のことをよく見てくれていました。あの前に1つ外していたので、落ち着いて決められてよかったです。内容はまだまだ修正するところがいっぱいありますが、勝ちながら修正していくのがチームには一番いいと思うので、勝てたことはチームにとって良かったと思います。