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横浜FMが角田選手の終盤の得点でシドニーに勝利でACL2勝目、浦和は初黒星
2022年04月23日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022東地区グループステージ第3節が4月21日(木)、22日(金)に行われ、横浜F・マリノスが交代出場したDF角田涼太朗選手の得点でシドニーFC(オーストラリア)に1-0で競り勝って2勝目を挙げ、ヴィッセル神戸もチェンライ・ユナイテッド(タイ)に6-0の快勝で2連勝としました。一方、川崎フロンターレはジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と0-0で引き分け、浦和は大邱FC(韓国)に0-1で敗れて初黒星を喫しました。次節は中2日で各チーム同じ相手と再び対戦します。
ベトナムのホーチミン・シティでグループHの横浜FMが22日(金)、苦しみながらも交代選手の活躍で2勝目を手にしました。
高温多湿の気候の難しいコンディションの中、横浜FMは前節から先発を9人変更して臨みましたが、ブロックを強いて守備を固めてカウンターを狙うシドニーに対して、本来のテンポの良いサッカーはできず、攻めあぐねます。
それでも試合序盤には右サイドでの仕掛けからFWレオ・セアラ選手のパスを受けたFWマルコス・ジュニオール選手がシュートを放ち、攻め上がったDF小池龍太選手が積極的にゴールを狙う場面を作ります。17分にはDF永戸勝也選手がミドルシュートを狙いますが、ゴールを割ることはできません。
膠着状態が続く中、横浜FMは60分過ぎにFW西村拓真選手とDF角田涼太朗選手、さらに8分後にはMF水沼宏太選手とDF岩田智輝選手をベンチから送り出し、得点機を探ります。
すると70分に決定機を迎えます。左からのクロスをペナルティエリア右で受けた水沼選手がゴール前に顔を出した角田選手へパス。しかし、右足で捉えた角田選手のシュートは枠をわずかに逸れてしまいました。
歓喜が訪れたのはその10分後でした。左CKの機会に西村選手とFWレオ・セアラ選手がシュートを畳みかけます。相手に阻止されますが、こぼれ球に「最初のチャンスを外していたので取り返さないと、と思っていた」という角田選手が反応。ゴール前で捉えてゴールネットを揺らしました。チームはこの1点を守って、勝利を掴みました。
「本当によくやってくれた。誇りに思う」と横浜FMのケビン・マスカット監督は選手のハードワークを労いました。
この結果、横浜FMは2勝1敗で勝点を6に伸ばし、ホアンアイン・ザライ(ベトナム)に1-0で勝って2勝1分で首位を維持する全北現代モータース(韓国)を1差で追っています。初黒星となったシドニーは勝点2で3位、ホアンアインは勝点1で4位です。
浦和、大邱に0-1で初黒星
グループFの浦和は21日(木)、ブリーラムで韓国の大邱FCと対戦。昨年16強入りした相手に後半得点を許して、今大会初黒星を喫しました。
浦和は多くの時間でボール保持していましたが、5バックで守備を固める相手をなかなか崩せずに苦戦。前半から相手にカウンター攻撃でゴールに迫られる場面を何度か作られながら、GK鈴木彩艶選手の好セーブなどに助けられて無失点でハーフタイムを迎えます。
しかし、後半開始8分に試合が動きます。大邱のDF鈴木圭太選手が上げた左クロスをヘディングで捉えたFWゼガ選手に得点を許します。
その直後に浦和は4選手を交代してMFダヴィド・モーベルグ選手、MF関根貴大選手、MF明本考浩選手、MF柴戸海選手を投入。攻撃が活性化してDF酒井宏樹選手、FW江坂任選手らが相手ゴールを脅かす場面を作ります。後半終了間際にはFWキャスパー・ユンカー選手のシュートリバウンドに反応したDFアレクサンダー・ショルツ選手がシュートを放ちましたがポストに阻まれ、浦和は最後までゴールを割れずに0-1で敗れました。
この結果、浦和は大邱と2勝1敗の勝点6で並んだものの、直接対決の結果で大邱に首位を譲り、2位に後退しました。グループステージ突破には各グループ首位または東地区5グループの2位の中で上位3チームに入る必要があります。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、「状況は自分たち次第」と述べて中2日の再戦での雪辱を期し、酒井選手は「チャンスに決め切るところが大きな反省。シンプルに戦うところや気持ちでは相手の方が強かった。国際試合はそういう部分が大きく影響してくる。あらゆる面で相手を上回らないと勝利は簡単には転がってこない」と語りました。
なお、ライオン・シティ・セーラーズは山東泰山(中国)と0-0で引き分けて1勝1分1敗の勝点4で3位、山東は3敗で4位は変わりません。
神戸は汰木選手が2得点1アシスト
神戸は22日(金)、雨のブリーラムで地元タイのチェンライと対戦。前半だけでMF汰木康也選手が2得点1アシストなど4得点を奪う猛攻を披露し、相手を圧倒しました。
16日に傑志(香港)に0-1と敗れて以来の試合となったチェンライに対して、神戸は19日の傑志戦から中2日の連戦でしたが、先発変更も4人に留めて臨み、連係が機能します。
試合開始6分に、FW大迫勇也選手が汰木選手のシュートの跳ね返りを押し込んで先制すると、25分には汰木選手が大迫選手のスルーパスに左足を振り、ポストに弾かれたところに自分で詰めて右足で仕留めます。32分には右サイドで酒井高徳選手のパスを受けたMF郷家友太選手が追加点を奪い、その6分後には汰木選手が井上潮音選手のパスを受けて再び得点します。
後半も神戸は攻勢を維持。交代出場したFWリンコン選手が58分にゴールネットを揺らし、74分にはDF大崎怜央選手が交代出場したMFボージャン・クルキッチ選手からのマイナスのパスを受けて豪快に右足を振り、チーム6点目を決めました。
汰木選手は自身のプレーには「満足のいくプレーではない。もっとインテンシティ高く仕掛けるプレーをしないと」と反省しきりでしたが、「中2日の短い時間で準備したことを、チームとしてしっかりピッチで表現できた」と振り返りました。
神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、「いい立ち上がりで非常に良い試合ができた。特に得点を獲る部分ではチームの自信につながる。勝ち続けることがとても大事なので、この調子でいきたい」と話しています。
これで3チーム編成のグループJは全チームが2試合ずつを終了し、神戸が2連勝で首位に立ち、傑志が1勝1敗で2位、チェンライは2連敗で3位です。
川崎はスコアレスドロー
グループIの川崎は21日(木)にマレーシアのジョホールバルで、地元の強豪ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)と対戦。多くの相手サポーターが大声援を送る完全アウェイの中、粘り強く戦い、貴重な勝点1を手にしました。
川崎は第2戦から再びメンバーを大きく入れ替えて臨み、試合序盤からFWマルシーニョ選手が左サイドで仕掛けて、13分にはFWレアンドロ・ダミアン選手、27分にはMF遠野大弥選手と絡んで相手ゴールに迫り、前半半ばにはMFシミッチ選手の相手DF陣の裏を狙うボールに攻め上がったDF佐々木旭選手がシュートを狙うなどチャンスを作ります。
川崎の攻勢を受けてJDTも途中からフォーメーションを変更して対抗。前半終盤にはDFラベル・コービンオング選手やFWベルクソン選手らが川崎のゴールに迫り、3勝目を果敢に狙います。
川崎は後半、DF車屋紳太郎選手、MF脇坂泰斗選手、MF宮城天選手、FW小林悠選手らを次々と投入して打開を図りますがゴールは奪えず、互いに譲らないまま引き分けました。
この結果、川崎は1勝2分の勝点5で2位は変わらず、2勝1分としたグループ首位のJDTを勝点2差で追っています。しかし、3位の蔚山現代(韓国)が広州FC(中国)に3-0で勝って今大会初勝利をマーク。1勝1分1敗で川崎に勝点1差で迫っています。4位の広州は3連敗となりました。
川崎の鬼木達監督は「勝点3を獲りたかったが、久しぶりの完全アウェイで、選手が経験したことないような状況での勝点1だった」と評価。「前半のチャンスに決めていれば違った展開になったと思う。後半も、もう少し自分たちからアクションを起こしてチャンスの数を増やさないと。次で勝点3を獲れるように修正したい」と述べていました。
なお、日本勢のいないグループGのメルボルン・シティ(オーストラリア)と全南ドラゴンズ(韓国)の対戦では、大会史上初の女性主審となった日本の山下良美審判員が試合を担当。坊薗真琴、手代木直美の両副審とともにピッチに立ち、ACL初の女性トリオによる審判団を務めました。試合はメルボルンが2-1で勝利しました。
グループGの首位に立ったのは、U-23日本代表やベガルタ仙台などで指揮を執った手倉森誠監督が率いるパトゥム・ユナイテッド(タイ)で、ユナイテッド・シティ(フィリピン)に5-0で勝利して、2勝1分でメルボルンと並び、得失点差で上回っています。
監督・選手コメント
ケビン・マスカット 監督(横浜F・マリノス)
この勝利を嬉しく思います。選手たちが本当によくやってくれました。フィジカル的にも厳しいコンディションの試合でしたが、エナジーのある試合をしてくれた選手たちを誇りに思います。短期間で試合が続く日程で、ローテーションなどでリフレッシュする準備はしてきましたが、相手も自分たちも簡単にはいかないことが見えたと思います。それでも、コンディションもゲーム内容も試合ごとに良くなっていると思います。交代については、日ごろから誰が出てもテンポやコンディションをいかに上げて、チームにいい影響を与えることを伝えています。角田選手は左サイドでプレーしてしっかり決勝点を決めてくれました。チーム全体が進む方向を1つに示してくれたと思います。
DF 角田涼太朗 選手(横浜F・マリノス)
得点場面はCKからのこぼれ球で、常に狙っている形です。自分の得点は昔からそういうのが多いのですが、今日は最初のチャンスを外していたので取り返さないと、と思っていました。左サイドバックは、ほぼぶっつけ本番でしたが、誰がどこで出てもチームのやり方は変わらないので、全員がそこを理解してやっている結果、自分が左サイドバックに入ってもスムーズにやれました。チームとしての戦い方が統一されているのが一番だと思います。
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