高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023WESTは22日(土)と23日(日)に第4節を開催し、いぶきの森球技場（人工芝）ではヴィッセル神戸U-18（兵庫）とサガン鳥栖U-18（佐賀）が対戦しました。

ピックアップマッチ

ヴィッセル神戸U-18 2-2（前半0-1、後半2-1）サガン鳥栖U-18

昨季、最終節まで優勝争いを繰り広げたチーム同士の一戦は開始、早々にスコアが動きました。2分に鳥栖が右CKを獲得すると、DF林奏太朗選手（#6）がゴール前に浮き球を入れます。MF先田颯成選手（#7）が競り合ったこぼれ球をMF鈴木大馳選手（#16）が右足で押し込みました。幸先の良いスタートを切った鳥栖でしたが、以降が続きません。

「自分たちは相手の背後に優位性があると思ったので、組み立てはそこまで意識せず、シンプルにやった方がゴールに近づけると思った」。MF坂本翔偉選手（#10）の言葉通り、奪ってから素早く鳥栖DFの背後を狙った神戸が試合の主導権を握りました。8分にDF山田海斗選手（#4）のロングフィードから、FW有末翔太選手（#9）が右サイドの高い位置を抜け出しましたが、シュートは並走した鳥栖のDFに阻まれました。15分にはMF濱﨑健斗選手（#43）のパスからDF島佑成選手（#34）がゴール前にパス。走り込んだファーサイドのFW大西湊太選手（#32）がゴールを狙いましたが、シュートは枠を逸れ、鳥栖の1点リードで前半を終えました。

後半の立ち上がりから見せ場をつくったのは鳥栖でした。49分に「昨年よりゴールへの思いは強い」と話す鳥栖のFW山﨑遥稀選手（#8）がルーズボールを拾って遠目からシュート。57分には相手ゴール前で間接FKを獲得しました。キッカーを務めたのは、1点目のCKを蹴った林選手。「直前まで右利きのキッカーに蹴らせて、直接狙わせようと思っていたのですが、パッと見たときに（先田）颯成が空いていたので、直前に変えた」と機転を利かせた判断でゴール前に浮き球を入れると、先田選手がフリーでヘディングシュートをたたき込みました。

相手に押される中でも2点のリードを奪った鳥栖でしたが、前半同様に得点後の流れをつかめません。田中智宗監督は「ボールを持つ時間が少ないのが、（今季）失点が多い一つの理由だと思う」と振り返る通り、ビルドアップがうまくいかず守備に回る時間が増えました。73分には交代で入った神戸のDF廣畑俊汰選手（#3）に右サイドを崩されると、ゴール前に入ったボールを有末選手がシュート。最後はFW渡辺隼斗選手（#48）に当たったボールが、ゴールネットに突き刺さり、1点差に詰め寄られました。

「1点入ってから、みんなの気持ちが切り替わった」（坂本選手）神戸は試合終盤に入ってもゴールを狙い続け、90+3分には鳥栖のエリアでFKを獲得。MF藤本陸玖選手（#46）のキックから放った坂本選手のヘディングシュートはGK小池朝陽選手（#1）に阻まれましたが、自らが押し込んで同点に追い付くと、そのまま2-2でタイムアップを迎えました。

監督・選手コメント

安部雄大 監督（ヴィッセル神戸U-18）
昨年、アウェイの鳥栖戦や広島戦で劇的ゴールによって追い付かれたので、今年も試合の入りと終盤が大事だと伝えているのですが、今日は良い面と悪い面の両面が出ました。1失点目と2得点目の時間は本当にサッカーではよくスコアが動く時間帯なので、勝ち点3にするのか、1にするのかのポイント。勝ち点1だとその日は（精神的な）ダメージがあるのですが、昨年を経験して、その勝ち点1がのちのちに効いてくると感じました。引き分けで良かったと思えるよう、これから巻き返していきたいです。

FW #9 有末翔太 選手（ヴィッセル神戸U-18）
負けより引き分けが良いのは分かっているのですが、今日の試合は正直引き分ける試合ではなかったと思っています。最初のセットプレーさえなかったらもっと楽な展開になっていましたし、自分が最初に抜け出したときも打ち切って決めておけば違った展開になっていました。今は1年生が多く試合に出ているので、3年生がもっとやらなければいけません。今はストライカーとしての仕事ができていると言えないので、絶対的ストライカーになって、チームを勝たせたいです。

田中智宗 監督（サガン鳥栖U-18）
結果だけを見ると勝ち切りたかったゲームに見えるかもしれませんが、内容を見れば、正直頑張っているだけで何もできなかったと感じます。勝ち点を拾ったのはうちなのかなという気持ちはあります。トレーニングからビルドアップをやってきたのですが、ボールを持つのを怖がっていました。前へのプレーを選べず、簡単に後ろを選ぶシーンもたくさんあった。自分たちの力の無さをしっかりと認識し、ここがスタートだと思って、佐賀に帰ってまたしっかりやっていきます。

DF #6 林奏太朗 選手（サガン鳥栖U-18）
練習ではビルドアップから何度か良い形がつくれていたのですが、今日はみんなが自信なさげにプレーしていたせいで、ファーストタッチがうまくいきませんでした。自信が持てなかったから、（前に大きく）蹴る場面が多くなったとも思います。自分たちの目標は連覇なので、このままではいけません。連敗していたので、最低限勝ち点1を取れて、連敗を防げたのは良かったのですが、勝ち切れるゲームを勝ち切っていかないと優勝できるチームになっていかないので、これからまた練習していきます。

その他の試合結果

神村学園高等部 4-2（前半1-1、後半3-1）米子北高校
履正社高校 4-3（前半1-2、後半3-1）ジュビロ磐田U-18
横浜FCユース 1-1（前半1-0、後半0-1）サンフレッチェ広島F.Cユース
静岡学園高校 1-0（前半0-0、後半1-0）東福岡高校
名古屋グランパスU-18 2-2（前半1-0、後半1-2）大津高校

米子北高校（鳥取）との一戦に挑んだ神村学園高等部（鹿児島）は、MF名和田我空選手（#14）の2ゴールなどにより4-2で勝利し、連勝を3に伸ばしました。ジュビロ磐田U-18（静岡）をホームに迎えた履正社高校（大阪）は追い掛ける展開を強いられながらも、後半の3ゴールで逆転勝ち。サンフレッチェ広島F.Cユース（広島）から先制点を奪った横浜FCユース（神奈川）でしたが、試合終盤に追い付かれ、引き分けに終わりました。静岡学園高校（静岡）と東福岡高校（福岡）のカードは拮抗した展開が続きましたが、90+2分にMF福地瑠伊選手（#5）がゴールネットを揺らし、静岡学園が3勝目をマーク。開幕4連勝を狙った名古屋グランパスU-18（愛知）は大津高校（熊本）から奪った2度のリードを生かせず、勝ち点1を分け合う結果となりました。

高円宮杯 プレミアリーグ 大会公式Twitter

大会期間：2023年4月1日(土)～2023年12月3日(日)

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