高円宮妃杯 JFA 第28回全日本U-15女子サッカー選手権大会が12月9日(土)に開幕し、各地で1回戦16試合が行われました。栃木グリーンスタジアムでは、前回優勝のJFAアカデミー福島（東海2／静岡）などが熱戦を繰り広げました。

ピックアップマッチ1

三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース 1-1（前半0-0、後半1-1、PK2-4） JFAアカデミー福島

連覇を狙うac福島と前回4強の三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース（関東1／埼玉）という強豪同士が、初戦から激突しました。試合開始からパスワークで攻め込んだのは浦和でしたが、その勢いに耐えたac福島はロングボールをうまく使って反撃に出ました。16分の福島望愛選手の左サイドからのドリブル突破からのシュートなど個人技も生かし、優勢に立って前半を終えました。

しかし、前半のうちに選手交代を施していた浦和が、後半に盛り返します。前線からしっかりとプレスをかけると積極的な守備が攻撃にもつながり、前半には打てなかったシュートに持ち込む場面が増えました。すると73分には、左サイドで受けた髙橋佑奈選手が中央へと切り込んでシュート。この一撃がファーサイドに決まり、浦和が先制に成功しました。

残り10分を切ってから生まれた試合の動きは、さらに激しくなりました。失点の1分後、ac福島の福島選手がペナルティーエリアへの進入に成功し、PKを奪取。自らこれを決めて、試合を振り出しに戻しました。

緊張感の続く戦いは、PK戦へと突入。全キッカーがネットを揺らしたac福島が、連覇へと一歩前進しました。

ピックアップマッチ2

FCみやぎ 1-6（前半1-3、後半0-3） 北陸大学フィオリーレ

FCみやぎ（東北2／宮城）と北陸大学フィオリーレ（北信越1／石川）の対戦は早々に動きました。開始7分、左サイドから早めに入れたクロスボールに、横田あおい選手が体を張ります。相手と競り合ったボールはこぼれて、GKが飛び出していた無人のゴールへ入り、北陸大学が先制に成功しました。

直後に1点を返されたものの、北陸大学がペースを握り続けました。14分には、今度は右サイドから入れたアーリークロスがオウンゴールを誘発。相手陣に押し込み続けると35分にはCKで1点を追加し、前半を3-1で終えました。

ハーフタイムを挟むと、みやぎは「全国大会用のシステムとメンバーで準備していたのですが、インフルエンザで来られない選手がいたので」（石垣博監督）と、普段のシステムに変更。しっかりボールホルダーに圧力をかけることができるようになり、一方的だった流れを変えることができました。ただし、数は制限したものの、パスで抜け出された4点目、ノーマークで決められたCKと、献上したチャンスを決められたことが響きました。

北陸大学は67分にもPKを決めて6得点。初の全国大会での記念すべき初戦を勝利で飾りました。

監督・選手コメント

百武江梨 監督（三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース）
苦しい時間帯も絶対に長くあると思っていたので、80分間で勝ち切れるように最後まであきらめないで頑張ろうという共通理解を持ってやりました。前半は相手のロングボールとセカンドボールへのプレッシャーでペースを持っていかれたので、後半はボールの出所をしっかり押さえるようにしました。選手たちが、やってきたことを一生懸命やってくれて嬉しかったです。卒業生には自分の可能性を広げるためにも、次のステージでも常にチャレンジしてほしいです。

福島望愛 選手（JFAアカデミー福島）
強い相手でしたが、最初から強い気持ちでやって流れを持ってこようと話して試合に入りました。均衡したゲームになることは分かっていたので、球際の強さや、最後まであきらめないことを意識して取り組みました。後半は攻めたい人と守りたい人の意識がずれましたが、3年生を中心に一つになって、もう一度自分たちのペースに持っていけました。見ている人を楽しませながら勝利して、連覇できるように頑張っていきます。

石垣博 監督（FCみやぎ）
インフルエンザにかかって来られなくなった選手がいたこともあり、ゲームの流れに乗れなかったのが一番大きかったですね。相手の圧力が強く、それに負けてミスで失点するなど、向こうに行ってしまった流れを取り戻せませんでした。去年は出場権を得られず、全国大会のレベルの高さを知ることができませんでした。今回それを知ることができたと思うので、来年の大会や、卒業後の高校サッカーに生かしてくれればいいと思います。

竹島彩詠 選手（北陸大学フィオリーレ）
初めて対戦する相手なので、攻められる展開も覚悟していたのですが、つなぎながらも背後を狙いながらゴールに向かっていく自分たちのサッカーを出せました。今回、チームワークと一人一人の技術が上がったことで、初めて全国大会に来られました。どれくらいまで力が通用するか楽しみでしたが、緊張するし、やはり1勝の重みが違いました。もっと自分たちの能力を上げて、さらに勝ち上がっていきたいです。

大会期間：2023年12月9日(土)～12月27日(水)
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