JFA.jp

JFA.jp

EN

NADESHIKO JAPAN

ホーム > なでしこジャパン > FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023 TOP > 最新ニュース一覧 > スペイン優勝で大会閉幕~大会を彩った風景 FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023

ニュース

スペイン優勝で大会閉幕~大会を彩った風景 FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023

2023年08月22日

スペイン優勝で大会閉幕~大会を彩った風景 FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023

FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023は、8月20日(日)にスペインの初優勝で幕を閉じた。

元なでしこジャパン(日本女子代表)の宮間あやさんが優勝トロフィーをピッチ上に運びキックオフを迎えた決勝戦のカードはスペイン対イングランド、国内の女子サッカーリーグが繁栄の時を迎えている2チームが、初めてその舞台に立った。ボール際の激しさやそれぞれが志向する戦術は、現代の女子サッカーを象徴するような90分で、スペインは日本に続き、U-17、U-20、フル代表の3世代の女子ワールドカップを制覇した国となった。中盤を支えたアイタナ・ボンマティ・コンカ選手は初の女子ワールドカップながら大会MVPに輝き、今後のスペインを女子サッカー上位国に定着させていく存在となりそうだ。

スペインの初優勝だけでなく、今大会は運営面でも初の試みが多くあり、新たなステージに進もうとする女子サッカーの未来がうかがえた。

今大会はオーストラリアとニュージーランドによる初の2カ国共催で、南半球の国で初めて女子ワールドカップが開催された。これまでは、主に試合開催都市で調整を続け、試合後に次の試合開催都市に移動するのが一般的だったが、今大会は各チームがグループステージまでベースキャンプを設置し、試合会場と往復する方式を女子ワールドカップで初めて採用された。

グループCのなでしこジャパンのベースキャンプ地はニュージーランド中部のクライストチャーチ。コスタリカのベースキャンプ地でもあった同都市は、ニュージーランドの人口約522万人(2023年6月時点)のうち、約40万人(2018年時点)が住む南島でも大きな都市。杉田妃和選手は「毎回、すべての荷物を持っていくための荷造りをしなくていいので気が楽」と、そのメリットを感じているようだった。街中のグラウンドには、サッカーゴールよりラグビーのゴールが多く、それがニュージーランドらしさを感じさせる。クライストチャーチは試合開催都市ではないため、女子ワールドカップの気配を感じるのはチームの練習場周辺のみだったが、開幕戦が行われたニュージーランド最大の都市オークランドや首都ウェリントンは街中に大会エンブレムがあふれていた。空港から街の中心部までニュージーランド女子代表選手を起用した大きな広告も多く、まだメジャースポーツとはいえない女子サッカーを、今大会を機に盛り上げていこうという気概を感じた。

今大会はニュージーランドで盛んなラグビーやクリケットの会場を使用しており、山下良美主審、坊薗真琴副審、手代木直美副審が女子ワールドカップ開幕戦を担当したイーデンパークもその一つ。ニュージーランドでの各試合の選手入場前には『WELCOME TO PITCH』として、その土地の先住民族の歌や伝統的なマオリの楽器で選手たちを歓迎した。試合会場や街中の案内板には公用語の英語とマオリ語が併記されており、伝統文化を大切にしていることも印象的だった。キックオフ前にニュージーランド国歌が流れると涙する選手もおり、ハンナ・ウィルキンソン選手が決勝点を決めた瞬間は、ほぼ満員となった会場が一気に沸き、スタンド最後列の記者席からは4万人以上が総立ちする光景が見られた。

4年前の決勝の再戦となったアメリカ対オランダでも日本人審判員トリオが担当し、60分にはアメリカのリンジー・ホラン選手とオランダのダニエレ・ファン・デ・ドンク選手が接触して闘志むき出しとなる一幕があった。しかし、即座に山下主審が両選手と対話し、難しい試合をうまくコントロール。試合後には両選手が抱擁して健闘を称え合うシーンにもつながった。

オーストラリアは大会前に調子が上がらなかったものの、全7試合をほぼ満員のスタジアムで戦って4位で終了。エースのサム・カー選手はけがから大会途中に復帰し、準決勝で渾身のゴールを決めた瞬間は今大会のハイライトの一つとなった。また、日本をベスト8に導き、得点王に輝いた宮澤ひなた選手のプレーも今大会を盛り上げた。「純粋にサッカーが好きで楽しくてサッカーをしていた小学5年生のとき、なでしこジャパンの優勝をテレビで見ていた」と、彼女も過去のなでしこジャパンに大きな影響を受けた選手だ。特に優勝したスペインから奪った宮澤選手の2得点は、速攻が武器となった今大会の日本を象徴するシーンで、未来のなでしこジャパンとなる選手たちの記憶に残ったはずだ。

選手や監督、審判員だけではなく、今大会はチームスタッフや大会運営、ボランティアにも多くの女性が関わり、その比率は大会ごとに高くなっている。各会場を担当する大会メディアオフィサーも女性が増え、中には日本人の姿も。試合の準備や運営、公式会見の進行も任されている彼女たちも今大会の主役といっていいだろう。

世界ランキング1位のアメリカや同2位のドイツが早期に敗退し、ヨーロッパ勢が躍進した今大会。ピッチ内外で女子サッカーの変革期を感じた9回目の女子ワールドカップだった。

FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023

大会期間:2023年7月20日(木)~2023年8月20日(日)
グループステージ
 第1戦 7月22日(土) ◯ 5-0 vs ザンビア女子代表
 第2戦 7月26日(水) ◯ 2-0 vs コスタリカ女子代表
 第3戦 7月31日(月) ◯ 4-0 vs スペイン女子代表
ノックアウトステージ
 ラウンド16 8月5日(土) ◯ 3-1 vs ノルウェー女子代表
 準々決勝 8月11日(金) ● 1-2 vs スウェーデン女子代表

大会情報はこちら

アーカイブ

過去の大会はこちら

JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー