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なでしこジャパン候補トレーニングキャンプ2日目、密度の濃い1日を過ごす
2022年04月06日
福島県のJヴィレッジでトレーニングキャンプ行うなでしこジャパンは4月5日(火)に活動の2日目を迎えました。
前日は移動とコンディショニングを中心とした練習メニューだったため、この日が本格始動となったチームですが、限られた時間の中で最大限の強化をするべく時間は余すこと無く使います。午前は数名の選手がオンラインでの取材に対応した後、全員でチームミーティングを実施。池田太監督体制で初招集となる選手が約半分を占める今回のメンバーですが、「女子アジアカップを戦った選手も思い出すことが必要」と池田監督が話すように、昨年10月のチーム発足からチームの約束事としている攻守両面の内容を、映像を用いながら再確認しました。ハードワークがチームとしてのベースとなる一方、「その中で個々のストロングポイントを発揮してほしい」(池田監督)と、選手がそれぞれに持つ特長の重要さにも言及し、組織と個の双方において成長する必要性を説きました。
朝まで降った雨も上がり、陽が差す中での午後のトレーニングは2時間弱にわたり行われました。全体で初めてとなる本格的なボールトレーニングに、練習前の選手の表情は明るく、ほどよい緊張感に包まれ練習はスタート。チームではおなじみとなった細かいステップワークを中心としたメニューで始まりますが、初めて取り組む選手の中には足の運び方に苦労する姿もあり、その難しさを皆が改めて認識する一幕も。ステップを織り交ぜた対面パスをこなした後、こちらもチーム発足後から継続的に取り組んでいるパス&コントロールに移行。午前中のミーティングで確認したチームとしてのボールの動かし方を意識しつつ、受け手のポジショニングと出し手の判断を合わせながらプレーを身体に染み込ませていきました。その後はフルコートで10対10+GKの形式を取り、ピッチ上の各エリアに応じたチームのプレー原則を確認しながら、実戦形式の中でボールの動かし方を落とし込みました。トレーニングの最後に行われたクロスからのシュート練習では、田中美南選手が鋭いキックでネットを揺らすと、相対するGKの3選手も高いボールへの集中力を保ちながら好セーブを見せていました。
この日は夕食後にもミーティングを行い、AFC女子アジアカップでの戦いを映像やデータを用いながら振り返り、昨年10月から取り組んできた内容の成果と課題がチームに共有されました。また大塚慶輔フィジカルコーチからも、来年のワールドカップに向け自分たちに求められる身体づくりをデータに基づき解説がなされ、チームとして、個々として取り組むべきポイントが多くあることを全員で再認識しました。
3日目となる翌日には二部練習が予定されており、引き続き時間を最大限に活用しながらチームとしての成長を図ります。
選手コメント
DF 清水梨紗 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
AFC女子アジアカップを経験した選手とそこにいなかった選手が半々くらいで選ばれていて、今回はチームとしての意思統一というのが大事になってくると思います。自分はアジアカップも経験していますしその前の合宿にもいたので、他の選手に働きかけることもしながら自分の精度もどんどん上げていければと思います。いままで話したことがない選手もいて、今回の初めて挨拶をした選手もいるので、まずは人としてのキャラクターのようなサッカー外のことを知ることも必要です。サッカーのことについては大まかなチームのコンセプトを伝えつつも、その時、その選手が、そのプレーをどういう意図でしたかを多く聞いていきたいと思っています。そういうことを聞きながらやることで、自分がサイドバックでプレーするときのサイドハーフの選手との関係性にもつながってくると思いますし、聞くというのはすごく大事だなと思います。
自分が代表に初選出されたときは、ずっと選ばれたくてもどかしい時期を過ごしていたので、選ばれたあとは本当に次も選ばれたいという気持ちで頑張っていました。その時は親善試合が1試合しかなく、自分はなかなか試合に関われず悔しい思いをしました。そういう思いも今の自分につながっているなと思いますし、今の自分にとっても忘れていけない部分で、日本を代表してプレーするということはすごく責任のあることですし、そこに立てていることを嬉しく思います。
DF 清家貴子 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
(前回代表に招集された時から)監督も変わり、チームの雰囲気もちょっと変化したなと感じています。選手はそれぞれ個性があって、みんなのプレーを見てみたいですし、その中で自分がどれだけできるかを知りたいです。自分自身としてはボールを受ける前のポジショニングだったり、ボールが来る直前の判断、ワンタッチで抜け出したり触らずにスルーして前に流したり、早いタイミングで触ってワンツーだったり、そこのアイディアは持っているところだと思います。右サイドバックをやるつもりでは来ていますが、監督にもどこでやるかは決まっていないと言われていますし、どこでもやる準備はできています。守備の部分では、代表ではより組織で守るということを大事にしていて、世界で戦っていく上ではすごく大切なことなので、そこは合宿中に習得していきたいです。個の力は大事にしていきたいですし、自分の縦への推進力や、クロス、シュートは見せていきたいです。それを練習でアピールして試合で出すことが日本のためになると思うので、そこは目指していきたいと思います。東京オリンピックを見ていて、自分にもこの舞台で戦えるチャンスがあったと考えるとすごく悔しい面もありましたが、これからの長いサッカー人生でまたワールドカップ、オリンピックはあるわけで、自分はその次に向かって準備していこうとずっと考えていました。
DF 南萌華 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
AFC女子アジアカップが終わってから少し期間が空いての代表活動ですが、監督が求めているサッカーは変わらずスタートしているので、私自身もう一度代表での戦い方を再確認しながらスタートしています。今回は新しく入ってきた選手もいるので、戦術をすり合わせながら、自分自身も再確認していければと思っています。チームとしてはアグレッシブな守備が特徴な中で、私自身は後ろでの強さを求められています。改めて対人の強さや自分の特長であるヘディングもさらにパワーアップして順応していきたいです。
自分が周囲の選手に働きかけていかなければならい立場だということは自覚していますし、新しく入ってきた選手が思い切りプレーできる環境を作っていかなければいけないと思います。その選手の良さを引き出しながら、私自身のプレーの特徴も理解してもらい、たくさんコミュニケーションを取ってすぐにチームに慣れられるような環境づくりをしていきたいです。積極的に話しながらチームを作っていきたいです。
日本はチームの連係がひとつ武器ですが、いまの世界の選手たちはいかに個で勝つかというところでも強さを出してきています。日本もその点で高いところを目指していかなければいけないですし、特にDFは強さや体格で劣っていたら試合にも負けてしまうので、私自身まずは個のレベルアップを常に追求していかなければいけないです。DFとしてさらに強さ、パワーを増やしていけるように、戦術もそうですが個のところでもレベルアップしていけるように努力しているところです。ヨーロッパのチームの成長は本当にすごいですし、日本が置いていかれているという自覚はあります。チームとしてもそうですが私自身もDFとして、ヨーロッパの選手をいかにして止めるか、やられないかというところに視点を置いてプレーしていきたいと思っています。まずは個人の成長に目を向けて、FIFA女子ワールドカップに向けて準備していきたいです。
FW 田中美南 選手(INAC神戸レオネッサ)
AFC女子アジアカップは優勝して帰りたかった大会でしたし、自分としては怪我で終わってしまって、最後の厳しい戦いのところで力になれなかったことが悔しかったので、またしっかり身体と向き合って、本番であるFIFA女子ワールドカップに向けて良いコンディションでやれるようにしていきたいです。
アジアカップを経てゴールへ向かう推進力がよりはっきりしたというか、フォワードの裏へのアクションだったり、ボールを持った選手の顔が上がった瞬間にみんながアクションを起こしてゴールへ向かって行くということがより明確になりました。フォワードとしても良い動きをしたいですし、その動きを見てほしいという要求はしていきたいと思っています。今回は自分も初めて一緒にプレーする選手が多いので、色々な選手のプレーを見て、自分にとっても良い刺激になればと思っていますし、伝えられることがあれば伝えていって、チームとしてひとつになれるようにやっていきたいです。
単純にいまは痛いところがなくて、それが続いてコンディションが上がって来ています。自分に余裕ができたなと練習をやっていても思いますし、コンディションが良いときは周りを見る余裕があったりとか相手のプレスが遅く感じたりとか、そういう感覚が最近出てきたと思います。シーズンの前半は怪我が続いてコンディションが上がらず、それは自分のサッカー人生で初めての経験だったのでメンタル的にも厳しかったのですが、後半戦になってやっと上がってきて、楽しめている感覚やチームに貢献できているという実感がいまは出てきています。
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