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【Match Report】なでしこジャパン スペインを相手に0-1で敗戦
2022年11月16日
11月15日(火)、なでしこジャパン(日本女子代表)はスペインとの国際親善試合を戦い、0-1で敗れました。
なでしこジャパンは4日前に行われたイングランド女子代表との一戦から4人の先発メンバーを変更。ボランチは猶本光選手と林穂之香選手が組み、3トップはイングランド戦に続けて先発に名を連ねた長谷川唯選手と共に、田中美南選手、藤野あおば選手が試合開始からピッチに立ちました。対するスペイン女子代表は、同じく4日前に戦ったアルゼンチン女子代表との一戦から先発メンバーを5名変更。Ivana Andres選手がキャプテンとしてチームを率い、またアルゼンチン戦でゴールを挙げたMaite Oroz選手が中盤に入りました。来年開催されるFIFA女子ワールドカップのグループステージで対戦が決まっている両国だけに、好感触で年内最終戦を終えるべく、試合に臨みます。
日本ボールのキックオフで始まった試合は3分にいきなり日本がチャンスを作り出します。ピッチ中央でボールを持った長谷川唯選手が右サイド裏のスペースに浮き球のパスを送ると清水梨紗選手が走り込みマイナス方向のクロスを供給。このボールに藤野あおば選手が走り込み右足でシュートを放ちますが、これは相手GK正面を突きます。このまま勢いに乗りたい日本でしたが、先制点はスペインでした。8分、ピッチ中央でボールを奪ったClaudia Zornoza選手が思い切りよく左足を振り抜きミドルシュート。これはバーに当たって跳ね返りますが、そのボールを拾ったAlba Redondo選手が右足でシュートを蹴り込みスペインがゴール、1点を先制します。
イングランド戦に続いて相手に先制を許す展開となった日本ですが、この試合は前向きなプレーを増やしチャンスを作り出します。19分には右サイドで三宅史織選手からのパスを受けた猶本光選手がボールを持ち上がり中央に送ると、抜け出した田中美南選手が左足でシュート。25分にはピッチ中央を抜け出した長谷川唯選手が右サイドに展開し清水梨紗選手が受けると、上げたクロスに藤野あおば選手が走り込みます。いずれも得点には繋がりませんが、相手の高いディフェンスラインの背後に効果的に進入し、ゴールへの可能性を感じるプレーを続けます。その後もセットプレーから南萌華選手のヘディングシュート、猶本光選手のミドルシュートなどでゴールに迫りますが、同点ゴールは挙げられず前半を終了します。
ハーフタイムに乗松瑠華選手、植木理子選手を投入した日本は、後半開始からも積極的に相手陣内へ入っていきます。9分に猶本選手の縦パスを植木選手が身体を張って前方へ流すと、抜け出した長谷川選手がボールを拾いシュート。その後もボールを支配しながら後半をプレーし、試合終盤に差し掛かると藤野選手が果敢にドリブルでボールを運びゴール前へと向かいますが、多くの機会をファウルでストップされ、ペナルティエリアへは入れさせてもらえません。途中出場の長野風花選手のシュート、同じく途中出場の杉田妃和選手のボレーなどでゴールを目指しますが、スコアを動かすことができずに試合終了。0-1で敗戦となりました。
スペイン遠征は連敗という結果となったなでしこジャパン。イングランド戦から特に守備での約束事を整理し、ボールホルダーに対し的確なアプローチをかける場面を増やしたことで、ボールロスト後も素早く奪い返すシーンが随所に見られましたが、結果に結びつけることはできませんでした。約8ヶ月後に開幕するFIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023に向け、選手は所属クラブに戻り、再び個々の研鑽に努めます。
監督・選手コメント
池田太 監督
イングランド戦から中3日で、守備の部分で色々な整理をしてスペイン戦に臨みました。前半は相手のボールの動きを見てしまうところがあり、最初に失点してしまいました。後半はファーストディフェンダーを決めながら守備の圧力を高めて、後ろが連動して奪えたことで、そこから攻撃の形を作れたと思います。ただゴールを決めないと勝てないのは事実なので、精度の追求は続けていかないといけません。ワールドカップに向けてそこは向上させていかなければと思います。
戦い方のオプションを増やすことで、本大会で相手やシーンによって幅を持って対応できるように10月、11月は自分たちの器を広げることを目指しました。この4試合でトライしたことは自分たちの成長につながると思います。後ろを3枚にする意味は前でプレスを掛けて相手陣内でボールを奪うというところにあります。もちろん時間帯でどうするか判断は必要ですが、今日は後半の押し込み方、プレスの連続性は選手も感触を掴めたんじゃないかと思います。攻撃は色々なバリエーション、人数を掛けることもそうですし、色々なアイデア、種類、関わりを増やしていきながら精度を上げていきたいです。
ワールドカップで同じグループで戦う相手として、来年を何か意識して仕掛けるということはなく、今日の試合の対戦相手に対してイングランド戦から何を改善していけるかを考えていました。ただチームとしては、前半のように少し相手に自由を与えてしまうとボールを動かしてきますし、ローテーションで意図した攻撃を組織だってやってきます。誰が出てもできる技術力があるチームだなと感じました。
DF #3 南萌華 選手(ASローマ/イタリア)
まずは守備のところで、みんなでボールにアプローチするタイミングをもっと合わせていこうと選手ミーティングで色々話して、試合に臨めました。イングランド戦に比べると全体的に意図を持って奪いにいけたシーンは多かったと思いますが、そこからうまく攻撃につなげていく部分が足りないと感じました。
イングランド戦では3バックの両サイドがマークを掴んでいない状態が多かったので、後ろがしっかり揃っているときは相手のインサイドハーフを掴みにいくことにチャレンジしようと話していました。タイミングを見て積極的にプレッシャーを掛けられたことで、そこで奪えて攻撃に繋げられました。こうしてひとつずつでもチームとしてトライしていけるシーンが増えたのは、良かったと思います。
個人的には、ここから女子チャンピオンズリーグもあり強いチームと試合ができることをプラスに捉えていきたいです。個人の強化を図るために海外に出ましたし、日々勉強しながら少しずつでも成長していけるようにしていかなければなりません。
MF #8 猶本光 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
早い時間帯で失点してしまい、結果的に負けてしまいました。代表で戦っている以上負けるわけにはいきませんし、悔しいです。この2連敗は重く受け止めています。イングランド戦は中盤で球際を争うシーンが生まれなかったり、相手のインサイドハーフがフリーで仕事をしている場面が多いなと思っていたので、前線の選手と連動しながら奪い切るところ、球際では強くボールを奪っていこうとプレーしました。チームとして連動できた部分もありましたが、もっと狙いを持って守備で奪い切るところは作れるかなと思っています。選手間でも話しましたが、8ヶ月後にワールドカップで強いチームに勝っていかなければならない中で、自分たちもチームとして、そして個人としても成長していかなければいけない、成熟していかなければならないと強く思わされた遠征になりました。
MF #23 藤野あおば 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
相手と相手の間でうまく受けて、前を向いた時にボールを運ぶ場所などを意識してプレーできたことは自分にとってプラスになりました。ただ全員の矢印が前に向いている時に相手に捕まってしまったり、ファウルという形であっても攻撃の流れを相手に断ち切られてしまう場面があったので、そういった相手との距離感も把握したなかで判断していかなければいけないと思っています。
2試合を通してボールへの執着や、勝つことへのこだわりの強さ、球際での勝負のこだわり、そこの強度をお互いに求め合うレベルの高さが強豪国は違うなと感じました。私自身も強度を上げていかなければいけないですし、チーム内で切磋琢磨するために求め合うレベルの高さを上げていかないといけないと思います。ワールドカップまで8ヶ月ありますが、きっとあっという間ですし、1試合ごとの成果や課題を、解散しても一人ひとりが忘れてはいけないと思います。自分自身ももっとレベルを上げて、ワールドカップのメンバーに入って、チームにプラスの影響を与えられるようにやっていきたいです。
FW #11 田中美南 選手(INAC神戸レオネッサ)
個人的に最前線で起点になるプレー、前線で3人でのコンビネーション、自分が前にアクションを起こして得点することを意識して試合に入りました。前半は守備に追われる時間が長くて、相手が幅を取ってくる中で自分たちも距離感が遠くなってしまって、良い距離感でプレーができませんでした。攻撃では、自分が相手GKと1対1になったシーンは、正直コースがあまり見えなくて、その中でもここと思って打ったところを弾かれてしまいました。落ち着いて映像をしっかり見直したいと思います。ワールドカップがあと8ヶ月後には開幕すると考えると焦りしか無いです。今回このような強豪国と2試合を戦えたことはすごく大きいですし、これをどう生かすかが重要です。必ず生かしていかなければいけない試合だと思います。
国際親善試合
2022年11月15日(金) 20:00キックオフ予定(現地時間) ※日本時間16日(水) 4:00 vs スペイン女子代表
会場:Estadio La Cartuja(スペイン/セビージャ)
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